話題株ピックアップ【夕刊】(1):富士電機、商船三井、カルビー

注目
2021年10月29日 15時15分

■エフアンドエム <4771>  1,985円  +400 円 (+25.2%) ストップ高   本日終値

エフアンドエム<4771>がストップ高。同社は28日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しを前期比61.7%増の19億7100万円(従来予想は11億2300万円)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高の見通しも同31.8%増の107億5900万円(従来予想は99億6900万円)に上方修正。足もとで生命保険営業職員チャネルでの新規顧客獲得と、中堅中小企業向け管理部門支援サービス「エフアンドエムクラブ」の新規会員獲得が計画を上回って推移しているほか、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの拡販が進んでいることに加え、緊急事態宣言の解除に伴って営業活動がより一層活発に行えることが主な要因だとしている。

■富士電機 <6504>  5,550円  +585 円 (+11.8%)  本日終値  東証1部 上昇率トップ

富士電機<6504>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は28日取引終了後に、22年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比3.1倍の162億9100万円となり、従来予想の115億円から上振れて着地。また、これまで未定としていた中間配当を45円(前期の中間配当は40円)にすると発表したことも好材料視されたようだ。売上高は同11.4%増の3976億8500万円(従来予想は4100億円)となった。部品調達難による影響を受けたものの、サプライチェーン最適化の取り組みなどから旺盛な需要に対応し、「発電プラント」を除く4部門で売り上げが増加。また、利益面では原価低減の推進や製品販売価格の値上げなどが寄与した。これを踏まえた通期業績予想は、売上高を9000億円(前期比2.7%増)と従来予想を据え置く一方、営業利益は600億円から670億円(同37.9%増)に引き上げている。なお、期末配当については未定としている。

■有沢製作所 <5208>  969円  +86 円 (+9.7%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

有沢製作所<5208>が大幅高、上値抵抗ラインとなっていた75日移動平均線を一気に上抜いてきた。同社はプリント基板向けなどに樹脂加工製品主体の電子材料を主力展開するが、足もとの業績は会社側の当初想定を上回り好調に推移している。28日取引終了後、22年3月期業績予想の修正を発表、最終利益段階で従来予想の21億円から27億円(前期比25%増)に増額した。従来見通しでは小幅ながら最終減益見通しにあったが、一転大幅増益予想となった。また、これまで未定だった年間配当は53円とし、前期実績に14円の上乗せとなる。これを評価する買いが集中し株価を押し上げている。

■商船三井 <9104>  7,160円  +620 円 (+9.5%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

商船三井<9104>が後場寄り買い物が集中し急伸。同社はきょう前場取引終了後22年3月期業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来予想の350億円から450億円(前期は53億300万円の赤字)に大幅増額した。同社と日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>の3社が共同出資するコンテナ船会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」の利益改善が想定以上となっていることで収益見通しを上乗せした。ばら積み船市況も好調で経営環境に追い風が強い。これを受けて株価は気配値のまま水準を切り上げる展開でフシ目の7000円大台に乗せた。

■セプテニHD <4293>  481円  +41 円 (+9.3%)  本日終値

28日に発表した「電通グループと資本業務提携」が買い材料。

電通グループ <4324> と資本業務提携。

■カルビー <2229>  2,935円  +215 円 (+7.9%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

カルビー<2229>は後場に入りプラス圏に急浮上。午後0時30分ごろ、上限を550万株〈発行済み株数の4.11%〉、または120億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は21年11月1日から22年3月31日までで、株主への一層の利益還元と資本効率の向上を図ることが目的という。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算は、会計基準変更のため売上高の比較はないものの、売上高1204億4000万円、営業利益133億200万円(同2.2%増)、純利益91億7800万円(同11.6%増)だった。国内事業で「じゃがりこ」が好調に推移したことに加え、豆系スナック「miino」などの新価値商品が伸長した。また、海外事業で中華圏、英国、インドネシアなどでスナックの販売が伸長した。なお、22年3月期通期業績予想は売上高2400億円、営業利益280億円(前期比3.5%増)、純利益180億円(同1.8%増)の従来見通しを据え置いている。

■東洋水産 <2875>  4,910円  +275 円 (+5.9%)  本日終値

東洋水産<2875>が反発。きょう後場寄り前、22年3月期上期(4~9月)の決算を発表し、売上高は1704億9800万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は147億9600万円(同18.4%減)で着地。あわせて通期予想の修正も発表し、営業利益を335億円から320億円(同12.2%減)へ下方修正したものの、目先決算発表通過によるアク抜け感が強まったようだ。通期の売上高予想については、3535億円から3600億円(前期比5.6%増)へ引き上げた。海外での販売価格見直しや国内外での積極的な需要喚起が寄与する見通し。一方で原材料費や人件費、物流費の上昇といったコスト上昇が見込まれることから、利益見通しは引き下げられた。

■キーエンス <6861>  68,510円  +3,280 円 (+5.0%)  本日終値

キーエンス<6861>は急動意、全体相場に逆行し一時3700円を超える上昇で6万9000円台近辺まで上値を伸ばし、25日移動平均線を上放れてきた。同社が28日取引終了後に発表した22年3月期上期(21年4~9月)決算は、営業利益が前年同期比69%増の1974億1300万円と急増した。コロナ禍にあっても欧米やアジアなど海外での省力化・オートメーション化投資需要は旺盛で、同社が強みとするFAセンサーや制御機器が好調で収益に反映された。なお、22年3月期通期見通しについては非開示ながら、市場コンセンサスとしては営業利益で3600~3800億円前後が予想され、前期比3割強の大幅増益が見込まれる状況にある。

■ニチレキ <5011>  1,349円  +56 円 (+4.3%)  本日終値

ニチレキ<5011>が3日ぶりに反発。28日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を730億円から780億円(前期比9.1%増)へ、営業利益を70億円から80億円(同12.5%減)へ、純利益を44億円から53億円(同16.6%減)へ上方修正し、あわせて期末一括38円を予定していた配当予想を40円(前期38円)に引き上げると発表したことが好感された。上期において、防災・減災、国土強靱化対策をはじめとする工事の進捗が順調であったことに加え、環境配慮型製品の販売拡大や原材料価格上昇への対応を行ったことが寄与する。

■小林製薬 <4967>  9,110円  +330 円 (+3.8%)  本日終値

小林製薬<4967>は3日続伸し、9月27日以来となる9000円台を回復。同社は28日取引終了後に、21年12月期第3四半期(1~9月)連結営業利益が194億2600万円(前年同期比0.5%減)だったと発表し、通期計画260億円(前期比0.2%増)に対する進捗率は74.7%と順調であり、これが好感されたようだ。新型コロナウイルスの感染予防対策として除菌・衛生関連用品の需要が昨年に続いて見られ、国内では液体タンククリーナー「液体ブルーレット除菌EX」などが好調に推移し、東南アジア各国ではワクチン接種の際の発熱対策として「熱さまシート」の需要が高まったとしている。あわせて、100万株(発行済み株式総数に対する割合1.28%)もしくは80億円を上限とする自己株取得枠の設定も発表しており、これも好感されたようだ。取得期間は21年11月1日から22年6月23日まで。株主への利益還元と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行できるようにするためとしている。

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