来週の株式相場に向けて=衆院選後の相場を模索する局面に
来週の東京株式市場は、衆院選後の相場を探る展開となりそうだ。9月3日に菅前首相が退陣を表明したことから始まった政局相場は、31日の衆院選の投開票を経ていったんはそのステージを終える。現時点の報道では、与党自民党の議席数は「過半数確保」とも「過半数の攻防」とも伝えられているが、当面の東京市場が上昇基調を強めるかどうかは衆院選の結果に左右されそうだ。ただ、今週から本格化した決算発表は堅調なものが多く、全体相場の押し上げ役を果たしそうだ。
また、来週は海外でビッグイベントが予定されている。そのひとつが、11月2~3日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。テーパリング(量的緩和縮小)の開始決定はほぼ既定路線だが、市場では利上げの時期を模索しており、来週のFOMCでその方向性を探ることになりそうだ。加えて、4日のOPECプラス会合からも目が離せない。同会合で増産に向けた動きがあるかどうかで原油相場は大きく動く可能性がある。1日の米10月ISM製造業景況感指数や3日の同ISM非製造業景況感指数、そして5日の米10月雇用統計は要注目だ。
国内企業の決算では、1日にTDK<6762>や伊藤忠テクノソリューションズ<4739>、2日に花王<4452>や日本製鉄<5401>、4日にトヨタ自動車<7203>や任天堂<7974>、5日にINPEX<1605>や三菱商事<8058>などが予定されている。特に、トヨタの決算内容は関心を集めそうだ。5日には東証マザーズにPhotosynth<4379>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万8600~2万9300円。(岡里英幸)