富田隆弥の【CHART CLUB】 「煮詰まる相場、まずは放れに従う」
◆今週は10月31日の総選挙と来週11月3日の米国FOMC(連邦公開市場委員会)が焦点となるが、日経平均株価のチャートは2万8000円台後半に各移動平均線が収斂して煮詰まりを見せており、「上下どちらに放れるか」が焦点となる。
◆10月28日現在、日経平均株価は2万8820円引けで、日足の移動平均線(25日・75日・200日)は2万8560円~2万8843円に、週足の移動平均線(13週・26週・52週)は2万8378円~2万8786円に集まる。
◆放れ足として、上放れは10月20日につけた高値2万9489円を抜いたところがポイントで、逆に下放れのポイントは10月25日につけた安値2万8472円を割り込むところだが、どちらにせよ、まずは「放れに従う」のがチャートのセオリーだ。
◆高値のポイントである2万9489円を抜くなら、3万円乗せから9月14日の高値3万0795円に挑戦することになろう。空売り比率が49%(28日時点)に増加しており、総選挙後は買い戻しを交えて勢いよく「上放れる」可能性もある。
◆ただし、注意したいのは「下放れ」となった場合だ。週足チャートを見ると、昨年3月のコロナショック時の安値1万6358円から今年9月高値の3万0795円まで上昇基調を1年半続け、およそ1万4400円幅も上げている。ここから調整入りするのならば、下値余地は小さくない。いま週足チャートで下値を支えているのが52週移動平均線だが、10月25日の安値2万8472円を下回ると、この52週線も割り込む恐れがあり、調整入りの可能性が強まる。また、いったん煮詰まりを上放れたとしても、52週線割れ注視の姿勢はその先も続こう。
◆総選挙やFOMCの結果がどうあれ、相場は流れに従うのが基本。上げるにも、下げるにも材料に不足はなく、材料は後からついてくる。
(10月28日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース