話題株ピックアップ【夕刊】(3):JR九州、東エレク、日本製鉄

注目
2021年11月4日 15時25分

■クスリアオキ <3549>  7,810円  +300 円 (+4.0%)  本日終値

クスリのアオキホールディングス<3549>は反発。2日の取引終了後に発表した10月度(9月21日~10月20日)の月次営業速報で、既存店売上高は前年同月比3.0%増となり、15カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。客単価が同2.0%増と引き続き堅調に推移したほか、客数が同1.0%増と前月の同3.9%減から改善した。なお、全店売上高は同18.7%増だった。

■ユナイテッドアローズ <7606>  2,314円  +63 円 (+2.8%)  本日終値

ユナイテッドアローズ<7606>が反発。同社は2日取引終了後、小売とネット通販を合わせた10月度既存店売上高が前年同月比4.3%増となり、2カ月連続で上振れたと発表しており、好感された。全社売上高は同3.3%増で、5カ月ぶりの上振れとなった。緊急事態宣言の解除に伴って売り上げは徐々に回復に向かい、特に気温が低下した月後半から堅調に推移した。なお、前年同月に比べて休日が1日多く、小売とネット通販を合わせた既存店売上高は前期比でプラス2.0%程度の影響があったと推測されるとした。

■エービーシー・マート <2670>  5,630円  +150 円 (+2.7%)  本日終値

エービーシー・マート<2670>が反発。同社は2日取引終了後、10月度の既存店売上高が前年同月比3.1%増となり、3カ月ぶりに上振れたと発表した。全店売上高は同4.0%増だった。前年比で日曜日が1日多い曜日並びとなり、月初から各地で緊急事態宣言が解除されたため、週末の人出が増えた。また、月半ばの気温低下により、秋物需要が高まった。商品別では運動会需要によりキッズシューズが大変好調だったとし、テレビCMの宣伝効果もあり、レディースシューズも好調だったとしている。

■JR九州 <9142>  2,661円  +54 円 (+2.1%)  本日終値

JR九州<9142>が3日続伸。同社は2日取引終了後に、22年3月期連結業績予想について、売上高を3442億から3158億円(前期比7.4%増)へ、営業損益を106億円の黒字から23億円の赤字(前期は228億7300万円の赤字)へ、純損益を129億円の黒字から34億円の黒字(同189億8400万円の赤字)へ下方修正すると発表したが、本州のJR3社がいずれも最終赤字見通しであるのに対し、同社は最終黒字を確保できる見込みであるため、これを好感した買いが入ったようだ。下方修正は新型コロナウイルス感染症の感染再拡大により緊急事態宣言が発令され、移動需要や個人消費低迷が続き、大幅な収入の減少を見込まざるを得ないため。あわせて発表した22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結営業損益は40億7200万円の赤字(前年同期は205億7100万円の赤字)だった。

■東京エレクトロン <8035>  56,250円  +1,020 円 (+1.9%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連が軒並み高。前日の米国株市場ではインテル<INTC>、ザイリンクス<XLNX>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>など半導体主力株が一斉高に買われており、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5連騰で連日の過去最高値を更新、足もとでは再び半導体関連セクターに対する強気の見方が優勢となっている。東京市場でも半導体製造装置国内トップメーカーの東京エレクトロンが9月中旬につけた上場来高値に接近しているほか、アドテストやレーザーテックなど出遅れていた同関連銘柄もこれにキャッチアップする動きをみせている。

■日本管財 <9728>  2,831円  +48 円 (+1.7%)  本日終値

日本管財<9728>が反発。同社は午後2時に、22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結純利益が34億3300万円(前年同期比73.4%増)となり、通期計画56億円(前期比6.0%増)に対する進捗率は61.3%だったと発表しており、好感された。連結子会社を合併したが当初想定していた会計処理と異なる結果となり、個別における特別損失並びに連結・個別における税金費用が減少したため、連結純利益が大きく増加したとしている。

■日本製鉄 <5401>  2,049.5円  +34.5 円 (+1.7%)  本日終値

日本製鉄<5401>が反発。2日の取引終了後、22年3月期の連結最終損益を従来予想の3700億円の黒字から5200億円の黒字(前期は324億3200万円の赤字)へ上方修正すると発表。従来の14期ぶりの過去最高益予想を更に上乗せする形となり、これが好感された。今期業績の上方修正は8月に続き、2回目。鋼材価格の改善やグループ会社の損益好転などが上振れの要因となる。同時に発表した上期(4~9月)最終損益は2987億2700万円の黒字(前年同期は1911億6400万円の赤字)と、従来予想の2000億円の黒字を上回って着地。業績好調に伴い、上期配当を同期間としては過去最高水準となる70円(前回予想は55円)に増額修正しており、期末配当への期待も膨らんでいるようだ。

■住友商事 <8053>  1,660.5円  +24 円 (+1.5%)  本日終値

住友商事<8053>が後場急伸し、年初来高値を更新。同社は午後1時に、22年3月期連結純利益予想を2900億円から3800億円(前期は1530億6700万円の赤字)へ、年間配当予想を70円から90円(前期は70円)へ上方修正すると発表しており、好感された。あわせて発表した22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結純利益は2410億3600万円(前年同期は602億300万円の赤字)だった。資源ビジネスにおいて資源価格が想定以上に高値で推移していることや、非資源ビジネスにおいて鋼材事業や建機関連事業が底堅く推移していることなどにより、通期見通しを上方修正するとしている。

■住友精化 <4008>  3,330円  +45 円 (+1.4%)  本日終値

住友精化<4008>はしっかり。2日の取引終了後、中間・期末各50円の年100円としていた22年3月期配当予想について、中間・期末各60円の年120円(前期100円)へ引き上げたことが好感された。同時に、上限を30万株(発行済み株数の2.2%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は21年11月4日から22年3月31日までで、資本効率の向上と株主還元の充実を図るとともに、機動的な資本政策を遂行することが目的としている。あわせて発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算は、売上高502億円(前年同期比1.3%減)、営業利益37億3000万円(同27.0%減)、純利益27億3100万円(同25.0%減)だった。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高1090億円(前期比5.6%増)、営業利益70億円(同30.7%減)、純利益50億円(同29.8%減)の従来見通しを据え置いている。

■トランス・コスモス <9715>  3,240円  +40 円 (+1.3%)  本日終値

トランス・コスモス<9715>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は2日、同社株のレーティングを「オーバーウエイト」で継続するとともに目標株価を6300円から6400円に引き上げた。コールセンターやビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)市場の成長による売り上げ拡大に注目している。同証券では、22年3月期の連結営業利益予想を212億円から217億円、23年3月期の同利益を237億円から244億円に見直している。株価は、先月29日に発表した第2四半期(4~9月)の利益が市場予想を下回ったことから急落したが、今期の一過性の要因で来期業績への懸念事項ではない、とみている。

■シーズメン <3083>  1,490円  +600 円 (+67.4%) ストップ高   本日終値

シーズメン<3083>がメタバース関連の人気筆頭として異彩を放っている。寄り付きから大口の買い注文に気配値で水準を切り上げる展開となり、午前11時過ぎに商いが成立、1490円ストップ高に買われた。株価は前営業日(2日)まで4営業日連続のストップ高を演じ、きょうで5営業日連続となるが、きょうは値幅制限拡大に伴い上限が600円高まで広げられている。株価は動意前の10月22日終値と比較して、わずか8営業日で約5倍となった。米メタ・プラットフォームズ<FB>のザッカーバーグCEOはメタバースでのアバターを使ったコミュニケーションサービス開発に傾注し新境地を開拓中、社名も10月28日付でフェイスブックから「メタ」に変更するなど、その注力ぶりがうかがわれる。これに先立ってシーズメンは22日に業務提携を通じて「メタバースファッション事業」に進出すると発表、これが投機筋の琴線に触れた格好となった。

■JALUX <2729>  2,106円  +400 円 (+23.5%) ストップ高   本日終値

JALUX<2729>がストップ高。2日の取引終了後、SJフューチャーホールディングス(東京都千代田区)がJALUXに対して行う予定のTOBに関し、取締役会において賛同の意見を表明するとともに、株主に対して同TOBに応募することを推奨する旨の決議を行ったと発表した。なかで、TOB価格が1株2560円とされていることから、これにサヤ寄せする格好となった。TOB開始は2022年2月上旬ごろを目指す。現在、SJフューチャーホールディングスは双日<2768>の100%子会社だが、今後TOB開始日までに日本航空<9201>が出資を行い、議決権割合をJALが50.50%、双日が49.50%とし、JALUXをJALの連結子会社とする予定。買い付け予定数は609万1166株(下限187万4100株、上限設定なし)。なおTOB成立後、JALUXは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、JALUXを2日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■ワンダープラネット <4199>  2,150円  +400 円 (+22.9%) ストップ高   本日終値

ワンダープラネット<4199>がストップ高まで買われた。同社は2日、参画するメディアミックスプロジェクト「テクノロイド」のティザーサイトが公開されたと発表しており、期待感が高まるかたちとなったようだ。これは、サイバーエージェント<4751>やエイベックス<7860>グループのエイベックス・ピクチャーズ、音楽クリエイター集団「Elements Garden(エレメンツガーデン)」が共同で進行中のアニメ・ゲーム・音楽を連動させたプロジェクト。同社は同プロジェクトでゲーム開発・運営を担当している。

■エスユーエス <6554>  634円  +100 円 (+18.7%) ストップ高   本日終値

エスユーエス<6554>が値幅制限いっぱいとなる100円高の634円に買われる人気となった。同社は開発系のIT技術者派遣のほか、ERP導入などのITコンサル事業を展開する。AR・VR開発分野で実力が高い。京都芸術大学とは共同で、アバターで教員と高校生・受験生が交流できる「バーチャル・オープンキャンパス」を開催するなどで話題を呼び、現在、株式市場で物色人気化する銘柄が相次ぐメタバース関連の一角として投資資金の攻勢が続いている。株価は前週後半から動意をみせ、株価パフォーマンスもさることながら、売買高の急増がマーケットの注目度の高まりを代弁している。

●ストップ高銘柄

クックビズ <6558>  1,950円  +400 円 (+25.8%) ストップ高   本日終値

など、7銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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