株価指数先物【寄り前コメント】 ソフトバンクグループが指数を牽引しNT倍率は上昇の可能性も
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 29690 +200 (+0.67%)
TOPIX先物 2041.0 +7.5 (+0.36%)
シカゴ先物 29685 +195
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米議会下院は5日夕、米上院で可決済みであったインフラ投資法案を可決した。道路や橋のほか高速インターネットサービスの整備などを進めるとして、政策の恩恵を受ける銘柄を中心に買われた。前週末の米雇用統計を好感した買いも継続。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長が、利上げを検討するのはまだ先といった見解を示したことで、当面低金利が続くとの見方も買い安心感につながった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、素材、エネルギーが上昇する一方で、自動車・同部品、公益事業、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比195円高の2万9685円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比10円高の2万9500円で始まり、寄り付き直後には2万9440円まで売られる場面もあった。ただし、すぐさま持ち直すと、米国市場の取引開始時には2万9600円を回復。引けにかけても緩やかな上昇をみせており、2万9690円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
本日はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行の展開になりそうだ。米下院でのインフラ法案可決のほか、FRB高官による低金利政策は当面維持されるとの見解なども買い安心感につながる。また、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が10%を超える上昇となるなど、半導体株の一角が強い値動きをみせており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。
注目されたソフトバンクグループ<9984>の第2四半期累計(4-9月)決算は、中国の投資先企業の株価が下落した影響により、純利益が前年同期比80.7%減の3635億円だった。発表直後はPTSでショートが先行したほか、日経225先物が2万9440円まで売られる要因となった。ただし、ADR(米国預託証券)市場では9%を超える上昇をみせており、指数の牽引役になりそうだ。
この影響により、やや日経平均型優位の展開が想定され、NT倍率は上昇しやすいだろう。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.50倍と横ばいで推移していた。4日につけた14.61倍を窺うトレンドを見せてくるかが注目されるほか、NTロングを想定したスプレッド狙いのポジションを積み上げてくるか見極めたいところだ。なお、VIX指数は17.22に上昇しており、上値抵抗線として意識されている25日移動平均線を捉えてきたことから、投資家心理をやや神経質にさせる可能性には注意しておきたい。
株探ニュース