話題株ピックアップ【夕刊】(2):鹿島、レノバ、ワークマン

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2021年11月9日 15時15分

■鹿島 <1812>  1,433円  +74 円 (+5.5%)  本日終値

鹿島<1812>が急伸。同社は正午に、22年3月期連結業績予想について、売上高を2兆100億円から2兆500億円(前期比7.5%増)へ、営業利益を1040億円から1095億円(同14.0%減)へ、純利益を800億円から860億円(同12.7%減)へ上方修正すると発表しており、好感された。国内建設事業で一部の工事における受注時期、着工時期の遅れなどによる売上高の微減が見込まれるものの、売上総利益率は期首時点の会社計画と同水準(土木15.1%、建築10.5%)を維持する見込み。また、海外は東南アジアにおける業績の回復は遅れているが、北米や欧州における売上高や利益は当初の計画を上回る見通し。あわせて発表した22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結営業利益は564億4400万円(前年同期比21.6%減)だった。

■住友倉庫 <9303>  1,932円  +88 円 (+4.8%)  本日終値

住友倉庫<9303>は3日ぶり反発。きょう午後1時過ぎ、22年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を168億円から250億円(前期比2.3倍)へ増額しており、これを好感した買いが入ったようだ。売上高も2080億円から2190億円(同14.0%増)へ引き上げた。上期(4~9月)業績が好調で、第3四半期以降も倉庫や陸上運送の取り扱いが引き続き堅調に推移し、海運事業では現在の輸送数量や運賃水準が持続すると見込んでいる。なお、同時に発表した4~9月期決算は売上高1057億8900万円(前年同期比13.8%増)、営業利益95億4000万円(同2.1倍)だった。

■レノバ <9519>  5,670円  +220 円 (+4.0%)  本日終値

レノバ<9519>の戻り足が鮮明だ。株価は前週末に700円強の急騰を演じたが、今週に入っても目先筋の利益確定売りをこなし、上値指向を続けている。同社は再生可能エネルギーによる発電の開発・運営を行っている。市場では「岸田政権が掲げる『新しい資本主義実現』でその緊急提言には改めて再生可能エネルギーの導入拡大が謳われている。太陽光発電についても整備支援に前向きであり、同社に追い風が改めて意識される」(中堅証券ストラテジスト)状況にある。月次で見た同社が運営する再生可能エネルギー発電所における売電量もうなぎ登りで今後に期待が募るなか、上値を見込んだ買いが活発化している。

■ワークマン <7564>  6,510円  +240 円 (+3.8%)  本日終値

ワークマン<7564>が反発。8日の取引終了後、22年3月期上期(4~9月)の決算を発表し、営業総収入は552億9500万円(前年同期487億1300万円)、営業利益は126億400万円(同110億7300万円)だった。会計基準の変更により単純比較はできないものの実質増収増益での着地となっており、これが好感されたようだ。プライベートブランドの強化・拡充をはじめ、新商品のメディア露出を高めたことや各種店舗施策の実施などが業績に寄与した。なお、通期の営業総収入は1144億4500万円(前期比7.0%増)、営業利益は266億7300万円(同7.8%増)の見通し。

■日本ピラー工業 <6490>  2,899円  +102 円 (+3.7%)  本日終値

日本ピラー工業<6490>が後場急上昇。午後2時20分ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を363億円から380億円(前期比25.8%増)へ、営業利益を80億円から100億円(同2.1倍)へ、純利益を55億円から70億円(同2.0倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各35円の年70円を予定していた配当予想を各45円の90円に引き上げたことが好感された。主に半導体・液晶製造装置関連業界向けピラフロン製品の売り上げが、計画に比べて増加する見通しという。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高192億3100万円(前年同期比39.9%増)、営業利益52億7100万円(同3.0倍)、純利益37億5700万円(同2.9倍)だった。

■明治ホールディングス <2269>  7,370円  +220 円 (+3.1%)  本日終値

明治ホールディングス<2269>が後場上げ幅拡大。同社は午後2時に、株主への利益還元と資本効率の向上を目的として、500万株(発行済み株式総数に対する割合3.3%)もしくは300億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表しており、材料視された。取得期間は21年11月10日から22年3月31日まで。あわせて22年3月期連結業績予想について、売上高を1兆190億円から1兆140億円(前期比14.9%減)へ、営業利益を1060億円から1000億円(同5.7%減)へ、純利益を950億円から900億円(同37.1%増)へ下方修正すると発表したが、こちらには反応薄のもよう。食品セグメントにおいて、前年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による特需の反動減が想定よりも大きく、加えて、原材料価格の高騰や為替動向が利益を圧迫するリスクも高まっているためとした。22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結営業利益は503億3000万円(前年同期比0.1%減)だった。

■いすゞ自動車 <7202>  1,630円  +37 円 (+2.3%)  本日終値

いすゞ自動車<7202>が続伸し、年初来高値を更新。同社は8日取引終了後、22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結営業利益が972億9400万円(前年同期比5.8倍)となり、通期計画1700億円(前期比77.6%増)に対する進捗率は57.2%だったと発表しており、好感された。上期の商用車需要は新型コロナウイルス感染症の感染拡大影響による落ち込みから、特に海外市場において大きく回復した。サプライチェーンの混乱により生産に影響が出たものの、旺盛な需要を受け、国内と海外を合わせた総販売台数は前年上期に比べて9万2689台の増加(前年同期比54.2%増)となり、26万3833台に達したとしている。

■ヤマハ発動機 <7272>  3,110円  +60 円 (+2.0%)  本日終値

ヤマハ発動機<7272>は5日ぶりに反発。8日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、営業利益を1600億円から1720億円(前期比2.1倍)へ、純利益を1120億円から1450億円(同2.7倍)へ上方修正したことが好感された。半導体などの部品不足による販売機会の損失と東南アジアなどでの新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、売上高は1兆8500億円から1兆8000億円(同22.3%増)へ下方修正した。ただ、より一層の経費削減を実行し利益を押し上げるとしている。なお、第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高1兆3626億円(前年同期比27.7%増)、営業利益1546億2900万円(同2.7倍)、純利益1370億1400万円(同3.4倍)だった。同時に、上限を440万株(発行済み株数の1.26%)、または110億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は11月9日から12月23日までで、株主還元と資本効率の向上を図ることが目的としている。

■リンテック <7966>  2,544円  +43 円 (+1.7%)  本日終値

リンテック<7966>が3日ぶり反発。8日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を175億円から210億円(前期170億3000万円)へ増額しており、これが好感されたようだ。売上高も2400億円から2550億円(同2359億200万円)へ引き上げた。上期において半導体・電子部品関連製品が好調な需要に支えられたことに加え、他の製品についても需要が回復したことから、これを踏まえて通期見通しを見直した。あわせて、上限を400万株(発行済み株数の5.5%)、または120億円とする自社株買いの実施を発表。取得期間は11月9日から2022年8月31日まで。このうち50万株について、9日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得するとし、きょう午前に取得を完了したことを明らかにした。

■TOWA <6315>  2,694円  +40 円 (+1.5%)  本日終値

TOWA<6315>に物色人気集中。カイ気配で始まり、5日移動平均線を足場に上げ足に弾みがつく状況にある。同社は樹脂封止装置を主力とする半導体製造装置メーカー大手で、ファインプラスチック成型品も手掛ける。中国や台湾の大手半導体メーカー生産設備増強の動きを背景に商機を獲得し、足もとの業績の伸びが著しい。8日取引終了後、同社は22年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の91億円から115億円(前期比3.2倍)に大幅増額した。これまでの営業利益のピークは約23年前の98年3月期に達成した41億1600万円で、今期は修正前の段階で過去最高利益の大幅更新が予想されていたが、そこから更に大きく上乗せされる形となる。これを受けて株価は急速に上値を伸ばし、早晩3000円大台も視野に入る可能性がある。

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