話題株ピックアップ【夕刊】(2):日産自、ニチコン、三井ハイテク
■日産自動車 <7201> 634円 +44.3 円 (+7.5%) 本日終値
日産自動車<7201>はマドを開けて買われ、7%を超える上昇で600円台を大きく回復してきた。同社は9日取引終了後、22年3月期業績予想の修正を発表、最終損益は600億円の黒字から1800億円の黒字(前期は4486億9700万円の赤字)に、従来計画比で3倍となる大幅増額となった。これがポジティブサプライズを誘った。今期の自動車販売台数見通しは引き下げたものの、これについては事前に織り込みが進んでおり、一方で販売奨励金の減少や持ち分法適用会社による投資利益改善が反映され、最終損益に貢献する見通し。
■ニチコン <6996> 1,134円 +77 円 (+7.3%) 本日終値
ニチコン<6996>はマドを開けて上昇。9日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を40億円から46億円(前期比2.9倍)へ増額しており、これを好感した買いが入ったようだ。売上高予想も1300億円から1325億円(同14.2%増)へ引き上げた。上期(4~9月)においてアルミ電解コンデンサーが伸長したほか、電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)向け機器用フィルムコンデンサーの売り上げが大幅に増加しており、これを踏まえて通期見通しを見直した。なお、同時に発表した4~9月期決算は、売上高650億7500万円(前年同期比21.4%増)、営業利益17億3900万円(同2.9倍)だった。
■マクロミル <3978> 912円 +60 円 (+7.0%) 本日終値
マクロミル<3978>が大幅に3日続伸。同社は9日、大塚製薬(東京都千代田区)の男性化粧品ブランド「UL・OS(ウル・オス)」のプロモーションにおいて、新広告ソリューション『Macromill Ads(マクロミルアズ)』が活用されたと発表しており、材料視されたようだ。マクロミルでは130万人の消費者パネルから得られる多様なデータ基盤を構築し、これを活用してプランニング、広告配信、効果測定に至るまで、顧客企業のマーケティングにおける広告・宣伝領域をワンストップで支援するソリューションを開発。そのソリューション提供を行うデジタル広告事業「Macromill Ads」を本格的に開始した。
■三井ハイテック <6966> 9,420円 +610 円 (+6.9%) 本日終値
三井ハイテック<6966>の上値指向が鮮明、きょうは790円高の9600円まで買われる人気となり、今月4日につけた上場来高値9460円を突破するとともに、未踏の1万円大台乗せも早晩視野に入れる可能性が高まっている。半導体リードフレームの大手メーカーとして世界的に旺盛な半導体需要を取り込んでいるほか、電気自動車(EV)シフトの動きが加速するなか、電動車向けモーターコアの成長性にマーケットの視線が集まっている。直近では、英グラスゴーで開催されているCOP26で、ガソリン車など内燃機関を用いる自動車について主要国で2035年、世界で40年までに新車販売を停止するとの宣言に24カ国が参加したことが伝えられており、EV普及加速の思惑が同社株に投資マネーを誘導する格好となった。
■クレハ <4023> 8,280円 +420 円 (+5.3%) 本日終値
クレハ<4023>が大幅反発。9日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1500億円から1600億円(前期比10.7%増)へ、営業利益を150億円から195億円(同13.0%増)へ、純利益を107億円から140億円(同3.8%増)へ上方修正し、あわせて85円を予定していた期末配当予想を100円に引き上げたことが好感された。機能製品事業のリチウムイオン電池バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂並びに樹脂製品事業の「NEWクレラップ」の販売が好調に推移していることが要因。また、付加価値が高い製品の売り上げ増加や、販管費の減少なども寄与する。なお、年間配当は185円(前期170円)を予定している。第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高790億6900万円(前年同期比19.7%増)、営業利益113億6400万円(同84.0%増)、純利益83億2800万円(同73.0%増)だった。
■NTTデータ <9613> 2,419円 +116 円 (+5.0%) 本日終値
NTTデータ<9613>は3日ぶりの大幅反発となっており、年初来高値を更新。同社は9日取引終了後、22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結営業利益が1091億3800万円(前年同期比71.0%増)となり、通期計画1800億円(前期比29.3%増)に対する進捗率は60.6%だったと発表しており、好感された。上期の受注高は国内における順調な案件獲得に加え、海外事業の規模拡大及び為替影響により増加した。全セグメントにおける規模拡大に加え、為替影響により増収を達成し、海外における事業構造改革の効果などもあって営業増益で着地したとしている。
■関西ペイント <4613> 2,715円 +117 円 (+4.5%) 本日終値
関西ペイント<4613>は大幅高で4日ぶりに反発。9日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を380億円から340億円(前期比8.9%増)へ、純利益を260億円から240億円(同19.8%増)へ下方修正したものの、アク抜け感から買われたようだ。製品価格の値上げに加え、工業及び建築分野での需要が伸びていることから売上高は4000億円から4100億円(同12.4%増)へ上方修正した。ただ、原材料価格の高騰や自動車減産の影響を受けて、特にインドにおける収益性が低下することで利益見通しを減額したという。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高2033億100万円(前年同期比25.1%増)、営業利益168億3300万円(同82.3%増)、純利益114億8700万円(同2.7倍)だった。
■石油資源開発 <1662> 2,371円 +99 円 (+4.4%) 本日終値
石油資源開発<1662>は大幅高で3日続伸。9日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を2207億8900万円から2350億9800万円(前期比2.1%減)へ、営業利益を118億9400万円から166億6900万円(同4.0倍)へ、最終損益1140億2100万円の赤字から698億4700万円の赤字(前期27億2500万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。原油及び天然ガスの販売価格の上昇に加えて、国内天然ガス販売量の増加が見込まれることが要因。また、政策保有のINPEX<1605>の普通株式の一部を売却したことに伴い、投資有価証券売却益398億円を特別利益として計上することも寄与する。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1185億700万円(前年同期比20.8%増)、営業損益95億4000万円の黒字(前年同期62億7100万円の赤字)、最終損益1196億7600万円の赤字(同69億7500万円の赤字)だった。同時に、上限を300万株(発行済み株数の5.25%)、または80億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は21年11月10日から22年11月9日までで、株主に還元するとともに資本効率の向上を図るとしている。また、これにより取得した全ての株式を11月30日付で消却するとあわせて発表した。
■クラボウ <3106> 1,939円 +59 円 (+3.1%) 本日終値
クラボウ<3106>が後場プラスに転換。午後1時20分ごろ、22年3月の連結業績予想について、売上高を1280億円から1310億円へ、営業利益を50億円から58億円へ、純利益を40億円から43億円へ上方修正したことが好感された。上期において、好況な半導体業界の影響を受けた半導体製造装置向け樹脂加工品などの販売が増加したことに加えて、高付加価値商品の販売増や原価低減があったことなどが寄与する。なお、会計基準変更に伴い、前期との比較はない。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高600億2600万円、営業利益30億5500万円、純利益23億8100万円だった。
■りそなホールディングス <8308> 445.1円 +13.5 円 (+3.1%) 本日終値
りそなホールディングス<8308>が4日ぶりに反発。同社は9日取引終了後、決算発表を行い、第2四半期累計(4~9月)の純利益は808億3700万円(前年同期比43.3%増)となった。22年3月通期予想の同利益1450億円に対する進捗率は約56%と順調に推移している。同時に、自社株買いの実施も発表した。3000万株(発行済み株式数の1.24%)、100億円を上限とし、取得期間は11月10日から12月20日まで。取得した株式はすべて22年1月11日に消却する。市場には、この自社株買いを前向きに評価する見方が出ている。
株探ニュース