話題株ピックアップ【夕刊】(3):レーザーテク、三井ハイテク、三菱UFJ

注目
2021年11月11日 15時26分

■レーザーテック <6920>  27,305円  +740 円 (+2.8%)  本日終値

レーザーテック<6920>が全上場企業を通じて売買代金トップとなり、800円を超える上昇をみせたほか、売買代金3位の東京エレクトロン<8035>も堅調な動きで上値指向の強さを明示した。前日の米国株市場ではインフレ警戒感から米10年債利回りが急上昇、ハイテク株への売りを誘発し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続落した。しかし、東京市場では相対的な出遅れ感から機関投資家とみられる実需買いが入り下値を支えた。市場では「先日、台湾の半導体受託生産世界最大手TSMC<TSM>が、熊本県に日本初となる半導体工場を建設すると発表したが、これにはソニーグループ<6758>が参画するほか、日本政府が工場整備費の半分程度を支援する方針が明らかとなっている。これには半導体の需給逼迫に際し日本への優先供給が前提となっており、安全保障面で半導体の重要性が認識されている」(中堅証券ストラテジスト)という見解が示されていた。この政府の動きは、海外投資家の関連銘柄に対する見直しの動きにつながっている。

■Speee <4499>  4,205円  +110 円 (+2.7%)  本日終値

Speee<4499>が続伸。10日の取引終了後、21年9月期の連結最終利益を従来予想の5億6100万円から8億3500万円(前期比2.1倍)へ上方修正すると発表しており、これが好感された。マーケティングDX事業で新規受注が好調に推移したことに加え、社内業務のDX推進によってコスト削減を図ったことが奏功した。また、子会社PT.SPEEE RECRUITMENT NUSANTARAの全保有株式及び全貸付債権を譲渡する契約を締結したことに伴い、評価性引当額が減少することも上振れの要因となる。

■三井ハイテック <6966>  9,600円  +180 円 (+1.9%)  本日終値

三井ハイテック<6966>が一時370円高と値を飛ばし連日の最高値更新、1万円大台乗せを目前に捉えているほか、HIOKI<6866>、ニッポン高度紙工業<3891>など電気自動車(EV)関連の一角に投資マネーの攻勢が続いている。三井ハイテクは電動車向けモーターコアの有力メーカーでありここ改めてマーケットの注目度が高まっているほか、HIOKIはEVモーター向け電子測定器に注力中、ニッポン高度紙工業<3891>はEVの基幹部品であるリチウムイオン電池向けセパレータを国内外の電池メーカーに供給しており、関連有力株に位置づけられている。前日の米国株市場では今週に入り株価を大きく切り下げていたEV大手テスラ<TSLA>が急反発に転じており、これが投資家のセンチメントを改善させている。英グラスゴーで開催中のCOP26では、ガソリン車など内燃機関を持つ自動車の新車販売について主要国で2035年に、世界でも40年までに停止するとの宣言に24カ国が賛同しており、世界的なEVシフトが加速するとの思惑が高まっている。

■住友金属鉱山 <5713>  4,436円  +83 円 (+1.9%)  本日終値

住友金属鉱山<5713>が反発に転じたほか、大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>が4連騰、大紀アルミニウム工業所<5702>も3日ぶりに切り返すなど非鉄株への買いが目立つ。非鉄セクターは業種別騰落で値上がり率トップに買われた。ここ世界的にインフレ警戒感が高まっており、前日は中国のPPIや米CPIなどが市場コンセンサスを上回る上昇をみせ、株式市場や債券市場にも影響を与えている。背景には商品市況の高騰があり、非鉄市況も総じて上昇基調を強め、インフレに向けた思惑を助長している。非鉄業界は市況上昇が収益メリットにつながりやすく、株価の先高期待を反映した買いを誘導している。

■JTOWER <4485>  11,740円  +140 円 (+1.2%)  本日終値

JTOWER<4485>が続伸。前日比13.2%高の1万3130円まで上値を伸ばし上場来高値を更新した。10日の取引終了後に発表した22年3月期上期(4~9月)の連結経常利益は前年同期比12.5%増の1億9700万円に伸びて着地。通期計画の1億8000万円を既に上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。同社は大型施設内における携帯キャリアの屋内インフラを共用設備で一本化し、携帯キャリアへシェアリングする事業を展開。4~9月期は主力の国内IBS事業で導入物件数が順調に拡大し、2ケタ増益を達成した。

■フクシマガリレイ <6420>  4,580円  +35 円 (+0.8%)  本日終値

フクシマガリレイ<6420>は反発。10日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を869億1600万円から927億5500万円(前期比12.5%増)へ、営業利益を91億100万円から99億6600万円(同23.7%増)へ、純利益を64億2300万円から75億9000万円(同20.5%増)へ上方修正したことが好感された。上期において冷凍冷蔵ショーケース販売や医療・理化学製品販売が引き続き好調で、それに加えて収益認識基準の適用による売上高や利益の増加で業績が計画以上に進捗している。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高470億2800万円(前年同期比24.2%増)、営業利益56億8600万円(同70.6%増)、純利益43億4800万円(同95.2%増)だった。

■三菱UFJ <8306>  634.8円  +4.8 円 (+0.8%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>といったメガバンクが高い。10日に発表された米10月消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.2%上昇と市場予想(5.8%上昇)を上回った。これを受け米10年債利回りは前日比0.115%上昇し1.554%に上げた。この金利上昇に伴う利ザヤ拡大観測で米株式市場ではバンカメ<BAC>など銀行株が上昇。日本でも三菱UFJなど大手銀行株に買いが流入した。

■ASB機械 <6284>  3,140円  -700 円 (-18.2%) ストップ安   本日終値  東証1部 下落率2位

日精エー・エス・ビー機械<6284>が700円安はストップ安に売られた。10日の取引終了後に21年9月期決算を発表、売上高は358億9000万円(前の期比31.7%増)、営業利益は87億3500万円(同80.1%増)で着地した。ただ、続く22年9月期業績予想は、売上高300億円(前期比16.4%減)、営業利益54億円(同38.2%減)と2ケタ減収減益を見込んでいることから、これを嫌気した売りが出たようだ。新型コロナウイルス感染拡大を契機とした安全で衛生的なプラスチック容器の需要は底堅く推移するとみられるものの、短期的にはコロナ禍での経済活動縮小に伴う設備投資意欲の減退の動きなどが重しとなる見通し。なお、今期の配当予想は前期から据え置きの100円とした。

■大氣社 <1979>  2,842円  -443 円 (-13.5%)  本日終値  東証1部 下落率6位

大氣社<1979>は急落。10日の取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高を2180億円から2050億円(前期比1.2%増)へ、営業利益を127億円から90億円(同23.0%減)へ、純利益を84億円から60億円(同27.5%減)へ下方修正すると発表した。あわせて発表した22年3月期第2四半期累計(4~9月)連結営業利益は27億6300万円(前年同期比13.4%減)となり、従来計画23億円を上回った。国内において期初の手持ち工事が想定より順調に進捗したほか、原価低減や固定費削減などの取り組みが奏功した。ただ、下期は受注、売上高の減少に加え、原材料や資材の高騰などの影響を受ける見込みであり、通期見通しを下方修正するとしている。

■パンパシHD <7532>  2,169円  -230 円 (-9.6%)  本日終値  東証1部 下落率10位

10日に決算を発表。「7-9月期(1Q)経常は28%減益で着地」が嫌気された。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> が11月10日大引け後(15:00)に決算を発表。22年6月期第1四半期(7-9月)の連結経常利益は前年同期比27.9%減の164億円に減り、7-12月期(上期)計画の437億円に対する進捗率は37.6%にとどまり、5年平均の47.4%も下回った。

⇒⇒パンパシHDの詳しい業績推移表を見る

■日本システム技術 <4323>  2,717円  +500 円 (+22.6%) ストップ高   本日終値

日本システム技術<4323>がストップ高で上場来高値を更新。10日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高100億4200万円、営業利益9億9200万円、最終利益6億8600万円となり、会計基準の変更に伴い前年同期との比較はないものの、前年同期の営業利益2300万円から大幅増益となったことが好感された。主力のソフトウェア事業で、前年同期の低調要因となった一部の受託開発案件における不採算や新型コロナウイルス感染拡大による大口顧客を中心とした開発投資の一部凍結がそれぞれ収束傾向となったことが収益改善に貢献した。また、金融機関向け情報系統合システム「BankNeo」ライセンスの販売好調や、ASEANビジネスの業績回復なども寄与した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高195億円(前期比3.8%増)、営業利益13億3000万円(同9.3%増)、純利益8億2000万円(同41.7%増)の従来見通しを据え置いている。

■ラキール <4074>  2,203円  +400 円 (+22.2%) ストップ高   本日終値

ラキール<4074>が後場急伸し、ストップ高まで買われた。同社はきょう午後1時頃に、21年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算を発表。同社は7月16日に東証マザーズ市場に新規上場したばかりとあって前年同期との単純比較はできないものの、営業利益は3億4700万円となり、通期計画4億200万円に対する進捗率は86.3%に達した。売上高は41億9700万円で着地。デジタルトランスフォーメーション(DX)ニーズの高まりを背景に、プロダクトサービスを中心に売り上げが伸長した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■サイバー・バズ <7069>  1,776円  +300 円 (+20.3%) ストップ高   本日終値

サイバー・バズ<7069>が300円高はストップ高となる1776円に買われた。10日の取引終了後、22年9月期の連結業績予想を発表。売上高が43億5000万円(前期比37.1%増)、営業利益が1億3000万円(前期200万円)と大幅増収増益の見通しを示しており、これを好感した買いが膨らんでいるようだ。広告市場が回復傾向にあることやインフルエンサーマーケティングの活用ニーズの高まりを追い風に、今後も成長加速に向けた投資を継続し中長期的な企業価値向上を目指す。なお、同時に発表した21年9月期決算は売上高31億7200万円(前の期比5.9%増)、営業利益200万円(同98.7%減)だった。

■天龍製鋸 <5945>  3,410円  +500 円 (+17.2%) ストップ高   本日終値

天龍製鋸<5945>がストップ高の3410円に買われた。10日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を120億円から130億円(前期比18.0%増)へ、営業利益を16億円から25億円(同61.3%増)へ、純利益を12億円から18億円(同49.7%増)へ上方修正し、あわせて未定としていた期末一括配当予想を120円(前期80円)としたことが好感された。海外経済の回復を背景に金属用チップソーの販売が増加したことや住宅用チップソーの販売が好調に推移したことが牽引した。また、受注増加による工場操業度の大幅な改善や、自動・省人化設備による生産効率の向上なども寄与した。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高69億9600万円(前年同期比42.7%増)、営業利益14億4800万円(同2.8倍)、純利益10億9800万円(同2.4倍)だった。

■シダックス <4837>  554円  +80 円 (+16.9%) ストップ高   本日終値

シダックス<4837>がストップ高。同社は10日取引終了後に、22年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比8.3倍の15億2800万円となり、通期計画の21億7700万円に対する進捗率は70.2%となった。売上高は同8.9%増の586億5600万円で着地。学童保育部門の積極的な営業による自治体からの受託クラス増効果で社会サービスの売り上げが伸びたほか、新型コロナウイルス感染症の影響が限定的だったことでフードサービス事業も堅調だった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

●ストップ高銘柄

シダックス <4837>  554円  +80 円 (+16.9%) ストップ高   本日終値

など、10銘柄

●ストップ安銘柄

グレイステクノロジー <6541>  550円  -150 円 (-21.4%) ストップ安   本日終値

グローバルウェイ <3936>  2,041円  -500 円 (-19.7%) ストップ安   本日終値

夢展望 <3185>  383円  -80 円 (-17.3%) ストップ安   本日終値

など、4銘柄

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