株価指数先物【引け後コメント】 こう着ながら、NTロングによるスプレッド狙いの動きを次第に意識か
大阪12月限
日経225先物 29690 -80 (-0.26%)
TOPIX先物 2036.0 -12.5 (-0.61%)
日経225先物(12月限)は、前日比80円安の2万9690円で取引を終了。寄り付きは2万9880円とシカゴ日経平均先物清算値(2万9825円)を上回る格好から買い先行で始まり、開始直後には2万9920円まで上昇幅を広げた。買い一巡後は利食いにより下落に転じると、前引けにかけて一時2万9620円まで下げたものの、5日移動平均線水準までの調整を経て、後場は下げ渋り2万9730円辺りまで下落幅を縮める場面もあった。引けにかけては2万9700円を挟んだ保ち合いのなか、2万9690円で取引を終えた。
東証1部の値下がり数が全体の7割超を占めるなか、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、日東電工<6988>などハイテクの一角が日経平均株価を下支えする格好となった。
これにより相対的に日経225先物が優位だったことから、NT倍率は先物中心限月で14.58倍に上昇。14.45~14.60倍辺りの保ち合いレンジ内での推移ではあるものの、テクニカル的には切り上がる25日移動平均線を支持線としているほか、13週線を支持線に26週線を突破してきたことから、トレンドは上向き。こう着感の強い展開ながら、NTロングによるスプレッド狙いの動きが次第に意識されてくる可能性はありそうだ。
もっとも、日経225先物の出来高は連日で3万枚を下回っており、市場参加者は限られている。本日はロングが先行した後は、前引けにかけて利食いのなかポジションはニュートラルとなり、後場はこう着感の強い値動きだった。経済対策の発表を週末に控えてショートは仕掛けづらい需給状況であるため、引き続き5日線水準を支持線とした押し目狙いのほか、スプレッド狙いとしてはNTロングとなろう。
手口面では、日経225先物はモルガンSが1250枚、みずほが960枚、JPモルガンが460枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが1620枚、ソジェンが1070枚程度の買い越しだった。TOPIX先物ではモルガンSが1640枚、BofAが840枚、SBIが770枚、シティが500枚程度の売り越しに対して、ソジェンが1870枚、ABNアムロが1030枚、BNPパリバが630枚程度の買い越し。モルガンSやJPモルガンの利食いによって、ソジェンやABNアムロ経由による裁定解消売り(先物買い・現物売り)につながったようだ。
株探ニュース