話題株ピックアップ【夕刊】(1):そーせい、クックパッド、INPEX
■関西スーパーマーケット <9919> 1,904円 +400 円 (+26.6%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
関西スーパーマーケット<9919>がストップ高。神戸地方裁判所がオーケー(横浜市西区)による仮処分命令の申し立てを認め、関西スーパとエイチ・ツー・オー リテイリング<8242>グループとの経営統合の手続きを差し止める仮処分を決定した。オーケーは17日、申し立てが認められ経営統合が中止された場合は、関西スーパに対するTOBに乗り出すと発表しており、その際のTOB価格を2250円としていることから、これを意識した展開となった。
■そーせいグループ <4565> 2,123円 +400 円 (+23.2%) ストップ高 本日終値
そーせいグループ<4565>がストップ高。同社は22日取引終了後、米バイオ医薬品会社のニューロクライン・バイオサイエンシズと統合失調症及びその他の精神神経疾患を対象とした新規ムスカリン受容体作動薬に関する治療薬開発で提携(ライセンス契約締結)したことを発表、これを材料視する形で投資資金が流入した。今回の提携に伴い、そーせいは契約一時金として1億ドル(約115億円)を受領することも発表しており、収益急拡大に対する思惑から物色人気が集中する格好となっている。
■クックパッド <2193> 288円 +18 円 (+6.7%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
クックパッド<2193>が商いを伴い上値指向を強めている。今週明け22日に急動意し11%高に買われる人気となったが、きょうも目先筋の売りを吸収し強調展開を継続。業績悪で6年前につけた最高値(修正後株価で2880円)から10分の1以下になったが、売りが出尽くしたところで物言う株主として有名なアルファレオが5%超の株主として登場した。市場では「今後も買い増す可能性が意識され、(アルファレオが)乾汽船<9308>の急騰局面でも話題を呼んだアクティビストでもあるだけに存在感がある。株価が200円台という値ごろ感も考慮すれば、当分の間は短期筋の注目を浴びる可能性が高い」(国内証券ストラテジスト)という見方がでている。
■JMDC <4483> 9,420円 +440 円 (+4.9%) 本日終値
東京株式市場では日経平均が後場一段安で500円を超える下げとなったが、中小型株の宝庫であるマザーズ市場の下げはひと際目立つ展開で、下落率で一時2.5%を超え日経平均を上回っている。米国では長期金利上昇を警戒して高PERのグロース株が売られる展開となっており、東京市場でも成長期待を拠りどころに買われていた中小型株に不利な流れとなった。東証マザーズ市場の時価総額上位銘柄では、東証1部への市場変更が決まったJMDC<4483>は買われたものの、マザーズで時価総額首位のメルカリ<4385>をはじめ、フリー<4478>、ビジョナル<4194>、JTOWER<4485>、Appier Group<4180>、弁護士ドットコム<6027>など主力どころが軒並み安となっている。市場では「目先は高PER銘柄(赤字企業も含む)は、米長期金利の上昇傾向が強まるなか、東京市場でも売りのターゲットにされやすく、モメンタムで買われて高値圏にある銘柄は要注意となる」(中堅証券アナリスト)という声も出ている。
■INPEX <1605> 955円 +35 円 (+3.8%) 本日終値
INPEX<1605>、石油資源開発<1662>が急反発。バイデン米政権は23日、日本や中国、インドなどと協調し、戦略石油備蓄を放出すると発表した。石油価格の抑制を目的としており、米国は5000万バレルを放出する。ただ、この発表を受け、23日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の12月限が前日比1.75ドル高の1バレル=78.50ドルと上昇した。市場には、備蓄放出規模は予想に比べて小さいとの見方も出ており、材料出尽くし感から原油価格は上伸。これを受け、INPEXなど石油関連株には買いが優勢となっている。
■西松建設 <1820> 3,545円 +115 円 (+3.4%) 本日終値
西松建設<1820>が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が22日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を4000円から4500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、22年3月期以降の配当利回りが建設セクター内で相対的に高く、業績拡大に伴う増配が株価に十分織り込まれていないと指摘。また、採算性が相対的に良いと考える官公庁案件の寄与などからマージンが従来想定以上に堅調なことなどから、営業利益予想を22年3月期で225億円から228億円へ、23年3月期で238億円から239億円へそれぞれ引き上げている。更に、シンガポール地下鉄・クロスアイランド線建設工事を受注(約377億円)できたことは、工期が長いため(21年11月~29年12月)、短期業績への寄与は限定的とみるが、好材料としている。
■西松屋チェーン <7545> 1,565円 +48 円 (+3.2%) 本日終値
西松屋チェーン<7545>が3日続伸。22日の取引終了後に発表した11月度(10月21日~11月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比10.8%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。来店客数が大きく伸び、トレーナーや肌着、パジャマ、寝具などの秋冬物の売り上げが好調だったことに加えて、育児・服飾雑貨も好調に推移した。なお、全店売上高は同13.4%増だった。
■名古屋銀行 <8522> 2,240円 +40 円 (+1.8%) 本日終値
名古屋銀行<8522>が反発。22日の取引終了後、上限を60万株(発行済み株数の3.31%)、または18億円とする自社株買いを実施すると発表。取得期間は11月24日から2022年2月28日まで。このうち40万株を上限に24日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得するとし、きょう午前10時30分に40万株を8億8000万円で取得完了したことを発表した。なお、22年3月18日付で60万株の自社株を消却することも明らかにしている。
■住友金属鉱山 <5713> 4,489円 +77 円 (+1.8%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>が反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で「電気自動車(EV)用の電池に含まれるレアメタル(希少金属)の再利用を始める」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、銅の製錬ノウハウを生かし、調達した車載電池を砕いた電池粉を加熱して、銅とニッケル、コバルト、リチウムを鉱石からの抽出と同等の品質かつ低コストで取り出す世界初の技術を確立したという。EV電池の安定生産に向けて、希少資源が国内で循環する流れを確保することが狙いとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,124.5円 +19.5 円 (+0.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>など自動車株が全体軟調地合いに抗して売り物をこなし頑強な値動きとなっている。前日にパウエルFRB議長が再任される見通しとなったことで米10年債利回りが1.6%台後半まで急上昇、これを背景に日米金利差拡大の思惑から外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが活発化した。足もとでは1ドル=115円台前半まで円安が進行、2017年3月以来、約4年8カ月ぶりの円安水準となったことから、輸出セクターのなかでも特に為替感応度の高い自動車株に物色の矛先が向いている。トヨタ、ホンダいずれも22年3月期の通期想定為替レートを当初設定からは円安方向に修正しているが、それでも両社ともに1ドル=110円と実勢から5円以上のカイ離がある。
株探ニュース