DDHD Research Memo(3):飲食及びアミューズメント事業に加え、新たに不動産サービス事業も展開(2)

特集
2021年11月26日 15時13分

■会社概要

2. 沿革

創業の発端は、現 代表取締役社長の松村厚久(まつむらあつひさ)氏が、学生時代にレストランチェーンでアルバイトを経験したことをきっかけに、自ら飲食事業の立ち上げを志したところに遡る。

低価格帯の飲食店を経験した一方で、エンターテインメントサービス業を経験するべくディスコ運営会社に就職。最終的に2店舗の店長を任されたが、ディスコブームの陰りもあり、当初の志である飲食店開業の準備を開始する。だが独立にあたって必要な開業資金を貸し出してくれる金融機関がなく、まずは比較的開業のハードルが低い(低資金で始められる)日焼けサロン店から開始した。当時は、店舗環境は悪く、そこにサービスを整えた店舗を投入したことで利用者の支持を獲得した。日焼けサロン店開業にあたり、1996年に設立した有限会社エイアンドワイビューティサプライが、DDホールディングス<3073>の前身である(日焼けサロン事業からは2005年に撤退)。

日焼けサロン運営で開業資金と店舗運営のノウハウを蓄えると、2001年6月に、初の飲食店である「VAMPIRE CAFE」(東京都中央区銀座)を開店し、飲食店経営を開始した。2002年12月には有限会社から株式会社へと組織変更し、商号も株式会社ダイヤモンドダイニングに変更した。その後も、「迷宮の国のアリス」や「竹取百物語」「ベルサイユの豚」など、松村厚久氏の独自のクリエイティブ力から生まれたコンセプト業態を相次いで出店することで注目を浴び、同社の業績も順調に拡大。2007年には大阪証券取引所ヘラクレス市場(現 東京証券取引所JASDAQ市場)に上場した。同社の卓越した業態開発力やエンターテインメント性を生かしたマルチコンセプト戦略(徹底した個店主義)は、チェーン展開による規模拡大と効率性追求が一般的となっていた当時の飲食業界においては異色の存在であったと言える。

一方、M&Aにも積極的に取り組んでおり、2008年6月にはサンプールを買収、2009年7月にはラディアホールディングス(旧グッドウィル・グループ)の連結子会社である(株)フードスコープから事業を譲り受けるなど順調に規模を拡大し、2009年5月には100%子会社ゴールデンマジックを設立した。そして、2010年10月には目標としていた100店舗100業態(100店舗すべてが異なる業態)を達成した。また、2011年6月にはバグースを買収してアミューズメント事業にも参入すると、同年10月には米国子会社となるDiamond Dining International Corporationを設立※し、同年11月に米国ハワイ州の日本食レストランを買収して海外進出も果たした。

※2021年8月にDiamond Dining International Corporationの株式譲渡により海外事業から撤退した。

しかしながら、2011年3月の東日本大震災を境に既存店の勢いに陰りが見え始めたことなどを背景として、業績は一度、足踏み状態に陥る。同社は、これまでの徹底した個店主義(マルチコンセプト戦略)にチェーン展開の強み(マルチブランド戦略)を融合。両戦略を活用した独自のブランドマネジメント制を導入し、2013年3月から同年5月にかけて抜本的なブランド集約及び統合を実施した。

新たな成長期の1年目と位置付けた2015年2月期は、一旦集約した高収益ブランドによる出店拡大のほか、海外事業展開や新規事業にも積極的に取り組んだ。2014年4月にシンガポールでラーメンダイニング等を展開するKOMARS F&B PTE. LTD.(Diamond Dining Singapore Pte. Ltd.)を買収※1すると、2014年12月には、Diamond Wedding LLC.(米国デラウェア州)を設立し、米国ハワイ州でウェディング事業を展開しているKNG Corporationから、ハワイウェディング事業に関する権利及び関連資産等を譲り受け、ハワイウェディング事業への本格参入※2した。また、2017年6月からゼットンと商業藝術を連結化すると、2017年9月には持株会社体制へと移行し、株式会社DDホールディングスに商号変更。2019年3月からはエスエルディーも連結化した。さらには、国内ウェディング事業やカプセルホテル事業への参入に加え、2019年12月には湘南レーベルの連結化により不動産サービス事業にも参入するなど、事業領域の強化・拡大でも着実に成果を残してきた。2020年2月期以降は、コロナ禍が業界全体に大きな影を落とすなかで、外部環境及び消費者の行動様式等の変化に対応すべく、グループ再編や経営の合理化を進めるとともに、新規サービス及びマーケットなど新たな価値の創出にも取り組んでいる。

※1 2016年8月末をもって事業撤退を完了した。

※2 2021年2月末をもって事業撤退を完了した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《ST》

提供:フィスコ

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