前週末26日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

注目
2021年11月29日 5時20分

■西武HD <9024>  1,148円 (-100円、-8.0%)

東証1部の下落率3位。西武ホールディングス <9024> が急反落。SBI証券は25日、22年3月期第2四半期決算を踏まえて業績予想を見直し、投資判断を「買い」から「中立」へ、目標株価を1640円から1260円へ引き下げた。10月の緊急事態宣言解除後の運輸収入及びホテル稼働率の回復を受け、鉄道運輸収入やホテルのRevPAR(販売可能な客室1室あたりの収益)は緩やかな回復を予想し、不動産収益の拡大も期待できるとした。一方、経営改革の進行にSBIでは注目しており、今後はホテル資産の流動化やさらなる固定費削減などに着手すると想定。ただし、コロナ禍前の利益水準に戻るのは25年3月期以降と予想したうえで、配当の回復にも時間がかかるとの見方を示した。

■JAL <9201>  2,135円 (-148円、-6.5%)

東証1部の下落率8位。日本航空 <9201> やANAホールディングス <9202> がともに5日続落。複数のメディアで、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたと報じられており、感染拡大による航空需要の減少を警戒した売りが出たようだ。報道によると、新たな変異株は従来の変異ウイルスに比べて感染力が高く、既存のワクチンの有効性が低い可能性があるという。また、これを受けてエイチ・アイ・エス <9603> やKNT-CTホールディングス <9726> などの旅行会社などにも波及した。

■菱洋エレク <8068>  2,271円 (-129円、-5.4%)

菱洋エレクトロ <8068> が急反落。同社は25日取引終了後、22年1月期第3四半期累計(2-10月)連結営業利益は15億700万円(前年同期比79.0%増)だったと発表した。通期計画20億円(前期比57.9%増)に対する進捗率も75.4%と順調であるものの、11月中旬以降は決算への期待で買い進まれていたため、材料出つくしの売りが出たようだ。品目別では、半導体/デバイスの売上高は457億2300万円(前年同期比30.5%増)となり、主にデジタル家電向け半導体の増加が寄与した。また、ICT/ソリューションでは347億3200万円(同0.3%増)となり、企業のIT関連投資の回復に伴って幅広い商材で販売が堅調に推移したとしている。

■日経レバ <1570>  15,680円 (-820円、-5.0%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が急反落。1万6000円大台を一気に割り込んだ。1万6000円台割れは、ザラ場ベースで今月11日以来約2週間ぶりとなる。日経レバは日経平均株価に連動するように組成されたETFで価格変動率が日経平均の2倍とボラティリティが高く、全体相場が上下に値動きが荒くなると短期資金の参戦が活発化し、売買代金が膨らむ傾向がある。前週末26日は寄り後17分で400億円を超える売買代金をこなし、全市場を通じて断トツとなっている。同日は全体相場がリスク回避に傾き、取引開始直後から先物主導の売り仕掛けで日経平均は急速に水準を切り下げる展開となり、日経レバも波乱含みの動きとなった。

■三井E&S <7003>  396円 (-16円、-3.9%)

三井E&Sホールディングス <7003> が4日ぶりに大幅反落。25日の取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高を6700億円の増収予想から5900億円(前期比11.1%減)の減収予想へ下方修正したことが嫌気された。同日付で、連結子会社三井海洋開発 <6269> 株式の約1.00%相当の56万4000株を売却したと発表しており、これに伴い三井海洋が連結子会社から持ち分法適用関連会社に異動し、売上高が減少するとしている。損益面では同件による通期予想に与える影響は軽微としていることから、営業損益40億円の赤字(前期122億4300万円の赤字)、最終損益30億円の赤字(前期1億3400万円の黒字)は従来見通しを据え置いた。

■フジHD <4676>  1,182円 (-29円、-2.4%)

フジ・メディア・ホールディングス <4676> が9日続落。25日の取引終了後、子会社フジテレビジョンが希望退職者の募集を決議したと発表しており、これが売り材料視された。対象となるのは満50歳以上の勤続10年以上の社員で、22年3月31日を退職日として22年1月5日から2月10日に募集する。通常の退職金に加えて特別優遇加算金を支給し、希望者には再就職支援を実施する予定で、加算金は22年3月期に特別損失として計上する。なお、業績予想への影響は加算金の総額が確定した段階で開示するとしている。

■DyDo <2590>  5,060円 (-100円、-1.9%)

ダイドーグループホールディングス <2590> が3日続落。25日の取引終了後に11月度(10月21日~11月20日)の国内飲料事業の販売状況を発表。合計の販売本数が前年同月比10.6%減となっており、これが嫌気されたようだ。なお、11月までの累計では前年同期比1.6%減だった。

■トヨタ <7203>  2,074.5円 (-37.5円、-1.8%)

トヨタ自動車 <7203> 、日産自動車 <7201> が続落。ただ、自動車株は全体軟調地合いに抗し底堅さを発揮した。外国為替市場では足もとやや円高方向に押し戻されているものの、1ドル=115円台前半での推移で、輸出比率の高い企業群は想定為替レートとのカイ離で差益が見込める状況にある。ドル・円は9月下旬の時点で1ドル=110円台を割り込んで推移していたが、短期間で5円以上の円安に振れていることで、為替感応度の高い自動車株には投資資金の流入が顕著となっていた。また、世界的に電気自動車(EV)シフトが進むなか、大手自動車メーカーの電動車戦略にも海外投資家の視線が向いており、直近では日本経済新聞が「日産自動車は2030年度までに世界で電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)を合わせた電動車の販売比率を5割に引き上げる」と報じていることで、これも追い風材料となった。

■オロ <3983>  3,360円 (-55円、-1.6%)

オロ <3983> が3日続落。同社は前週末26日午前9時に、インストリーム広告に特化したCM制作を開始したと発表した。過去のクリエイティブや広告配信の蓄積から得たノウハウを生かして施策効果の最大化を目指すとしたことが好感され、前場の寄り付きでは買い優勢となったが、全体相場の地合いが悪化する中で下落に転じた。施策立案では、企業が持つ消費者の行動データからカスタマーリストを作成し、ターゲットインサイトごとにキーメッセージを作成する。過去の配信実績をもとにターゲット層に合った媒体・配信時間帯を選定し、メディアプランを計画する。これを踏まえ、オロが過去のクリエイティブから得たノウハウをもとに配信する媒体の性質を考慮した効果的なクリエイティブを開発するとしている。

■ヨコレイ <2874>  820円 (-10円、-1.2%)

ヨコレイ <2874> が10日続落、年初来安値を更新した。25日の取引終了後に中期経営計画の見直しを発表しており、23年9月期の目標数値を売上高で1310億円から1200億円(21年9月期1107億円)へ、営業利益で60億円から50億円(同25億円)へ引き下げたことが嫌気されていたようだ。新型コロナウイルス感染症の影響による在庫水準の低下から、冷蔵倉庫事業の完全な回復が24年にずれ込むと想定していることが要因としている。

■オプティム <3694>  1,523円 (-18円、-1.2%)

オプティム <3694> が3日続落。25日の取引終了後、三菱地所 <8802> が大手町・丸の内・有楽町エリア(以下「丸の内エリア」)に導入する「次世代カメラシステム」に、リアルタイムAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera Enterprise」及びクラウドAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」を提供すると発表したが、全般相場軟調にツレ安していたようだ。「次世代カメラシステム」は、丸の内エリアで菱地所が所有・運営する約20棟のビルに導入するシステム。「OPTiM AI Camera Enterprise」は長時間利用や見守り対象者(車いす・白杖利用者)検知と屋上スペースの柵乗り越え・異常検知に、また「OPTiM AI Camera」は喫煙所など各種施設の混雑検知の活用検討にそれぞれ利用される予定だ。

※26日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.