株価指数先物【寄り前コメント】 リスク回避強まるも、パニック的な売りに対する修正リバウンドが意識されそう(訂正)

市況
2021年11月29日 8時21分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 27850 -940 (-3.26%)

TOPIX先物 1924.0 -65.0 (-3.26%)

シカゴ先物 28155 -635

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

26日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が大幅に下落。南アフリカ共和国において新型コロナウイルスの新たな変異株(オミクロン株)が見つかり、世界の金融市場でリスク回避の動きが強まった。26日の米国市場は25日の感謝祭翌日にあたり、午後1時までの短縮取引だったが、パニック的な売りによりNYダウの下落幅は一時1000ドルを超えた。S&P業種別指数は医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で、消費者サービス、エネルギー、銀行の下げが目立った。

シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比635円安の2万8155円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比230円安の2万8560円で始まり、2万8460円~2万8670円を挟んだ保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に下げ幅を広げると、一時2万7510円まで下落する場面もあった。終盤にかけてショートカバーの動きもみられ、2万7850円で取引を終えた。

本日の日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から一段の下落が見込まれる。26日の時点で米グローベックスの米株先物が大きく下落したことで米国市場の下げはある程度織り込んでいたものの、わずか2日間(ナイトセッションを含む)で2万9500円から2万7500円水準と2000円の急落であり、寄り付き直後はヘッジ対応の売りが集中することにより、パニック的な下げが警戒される。

変異株(オミクロン株)についてはこれまで欧州各国で感染が確認されているほか、英国やドイツが相次いで南アフリカなどからの渡航制限を表明するなど、世界景気に悪影響が出るとの懸念が強まっている。

一方で、既存のワクチンが効くかどうかを確認している段階であり、独ビオンテック<BNTX>や米ファイザー<PFE>、米モデルナ<MRNA>などは2週間以内に最初の試験データを得られる見通しと報じられている。試験結果を見極めたいとするなかで次第に市場は落ち着きをみせてくると考えられ、パニック的な売りに対する修正リバウンドの動きが意識されそうである。

VIX指数は28.62に急伸し、9月20日の水準を上回ってきた。2月以来の水準を捉えてきたことからリスク回避に向かいやすい面はあるものの、節目の30台に接近してきているため、心理的な抵抗線ともなる。

また、週末のNT倍率は先物中心限月で14.47倍に低下した。11月に入ってからは14.45倍~14.60倍での推移が継続しているが、25日移動平均線を割り込んできたことで、75日線が位置する14.42倍辺りまでの低下は想定しておきたい。この水準で下げ止まるようだと、改めてNTロングによるスプレッド狙いの動きも意識されてくると考えられる。

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