話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、川重、ファンケル
■日本郵船 <9101> 7,590円 +190 円 (+2.6%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手海運株が高い。新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株の感染拡大が進んでいることで、世界の経済活動に与える影響が警戒されているが、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は11月17日に2400台前半まで水準を切り下げたものの、そこをターニングポイントに上昇転換を明示している。直近11月29日終値で2881まで回復しフシ目の3000ポイント大台回復を約1カ月ぶりに視野に入れる状況にある。中国では足もとで発表された経済指標が市場コンセンサスを上回るなど好調で景気回復期待が広がっている。バルチック指数は中国経済との連動性が高いことで知られ、海運セクターにはポジティブな思惑として働いている。
■フラベッドH <7840> 873円 +20 円 (+2.3%) 本日終値
フランスベッドホールディングス<7840>は4日ぶりに反発。同社は11月30日取引終了後、資本効率の向上を図るとともに、株主還元の一環として、55万株(発行済み株式総数に対する割合1.49%)もしくは5億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は21年12月1日から22年2月28日まで。あわせて、連結子会社であるフランスベッドを通じて、福祉用具のサービス事業などを展開するホームケアサービス山口(山口県下関市)の発行済み全株式を20日に取得することも発表した。取得価格は非公表。これにより、グループのメディカルサービス事業の事業基盤がさらに強固なものになるとしている。
■ISID <4812> 3,760円 +80 円 (+2.2%) 本日終値
ISID<4812>は続伸。同社は正午ごろ、グループ統合会計システム「CiX Financials(サイクロス フィナンシャルズ)」を開発し、きょうから提供を開始したと発表した。企業グループにおける単体決算業務を統合・最適化する会計システム。各社の会計・非会計データを一元管理し、取引明細や予算・実績からグループ全体の合算情報といった経営情報をリアルタイムに可視化することで、経営判断のスピードアップを図る。また、不正検知・自動監査によるガバナンス強化や、グループ会社間仕訳の自動生成、証憑・ファイルなどの文書管理、決算作業を可視化するタスク管理などの機能により、経理部門の慢性的な人手不足、ペーパーレス化、コロナ禍によるテレワークの要請などに対応し、経理業務の効率化と場所を問わない多様な働き方を可能にするとしている。
■Genky <9267> 5,220円 +100 円 (+2.0%) 本日終値
Genky DrugStores<9267>が6日ぶりに反発。11月30日の取引終了後に発表した11月度(10月21日から11月20日)の営業速報で、既存店売上高が前年同月比5.2%増と6カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。なお、11月度の全社売上高は同12.2%増だった。
■川崎重工業 <7012> 1,939円 +31 円 (+1.6%) 本日終値
川崎重工業<7012>が4日ぶりに反発。SMBC日興証券が11月30日付のレポートで、同社の目標株価を前回の2700円から2800円へ引き上げた。為替前提を円安方向に修正(1ドル=108円から115円へ)したことを主因に、同証券による業績見通しを上方修正した。また、ボーイング向け事業におけるB787減産の影響は大きいが、採算改善努力の成果もみられ、売上高が回復すれば業績は大きく改善すると見込んでいる。ただ、依然として航空宇宙事業のコロナ影響による下振れを楽観できないため、投資評価「2(中立)」は据え置いた。
■ファンケル <4921> 3,480円 +55 円 (+1.6%) 本日終値
ファンケル<4921>は4日ぶりに反発。同社は正午ごろ、体内の微量栄養素を非侵襲的に分析し、充足状態を判定する技術についての研究を行うなかで、緑黄色野菜に含まれ、強い抗酸化力を持つ「βカロテン」について、尿から簡便に測定して充足状態を見える化する技術を開発したと発表した。体内のβカロテン量の指標とされる血中βカロテンと尿中のβカロテンとの関連性を22人の被験者を対象に検証試験を行った結果、血中βカロテンと高い相関性が認められた。これにより、尿から簡便に測定する方法により尿中βカロテンを測定することで、体内βカロテンの充足状態を推定できることが示唆されたとした。研究成果は11月に開催された「第94回日本生化学会大会」で報告したとしている。
■JIA <7172> 1,161円 +18 円 (+1.6%) 本日終値
ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>は続伸。同社は11月30日取引終了後、東京農工大学と「カーボンニュートラル社会と林業再生」実現を目指した共同研究を開始したと発表した。早生樹資源の有効活用による「カーボンニュートラル社会と林業再生」実現に関する取り組みに共感したとしており、(1)早生樹を活用した新しい林業の研究、(2)早生樹を活用した国産木質バイオマスエネルギーの安定供給に関する研究、(3)早生樹から得られる有用成分の高度利用に関する研究により、輸入のバイオマス燃料によらない、国産木質バイオマスエネルギーの安定供給への貢献など、「脱炭素社会に貢献する新しい林業」の有り様を確立するとしている。
■イー・ギャランティ <8771> 2,484円 +27 円 (+1.1%) 本日終値
イー・ギャランティ<8771>が高い。同社はきょう、子会社のイージーペイメントが展開する決済サービス「eG Collect」について、四国銀行<8387>とビジネスマッチング契約を締結したと発表した。また、伊予銀行<8385>、足利銀行(栃木県宇都宮市)、仙台銀行(仙台市青葉区)、百十四銀行<8386>とは「eG Collect」に加えて、「eG Pay」のビジネスマッチング契約も締結した。「eG Collect」は企業間取引で発生する請求書発行・入金管理・代金回収などの一連の業務を、イー・ギャラが代行するサービス。顧客は取引先に対する請求情報をイー・ギャラへ連携するだけで、一連の業務をイー・ギャラにアウトソースすることができる。また、「eG Pay」は「eG Collect」のオプションで、イー・ギャラが請求・決済業務を代行している取引先について、顧客が専用WEBページから申し込むだけで3営業日後に口座へ代金を振り込むサービスとしている。
■コマツ <6301> 2,619円 +27 円 (+1.0%) 本日終値
コマツ<6301>が6日ぶりに反発。SMBC日興証券が11月30日付で同社の投資判断「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の3800円から4500円に引き上げた。レポートでは、鉱山機械事業は19年3月期水準の規模に回帰するが、石炭依存度は低下し、着実に電動化関連資源需要(銅やニッケルなど)が増大していると報告。また、資材高やサプライチェーンリスクを最小化する経営力を評価したうえ、円安のプラス効果も考慮し、23年3月期に最高益を更新すると予想している。
■リケンテクノス <4220> 483円 +2 円 (+0.4%) 本日終値
リケンテクノス<4220>は小幅反発。連結子会社リケンファブロがきょう、来年1月出荷分から業務用ラップ製品及び小巻ラップ類の製品価格を20%以上引き上げると発表しており、採算改善を期待した買いが入った。主原料の原油・ナフサなどの高騰が続くことを背景に原材料メーカー各社が前例のない追加の値上げを打ち出しており、値上げ幅は自助努力の範囲をはるかに超えていることから価格を改定するとしている。
株探ニュース