来週の株式相場に向けて=不透明部分残るも「陰の極」形成なるか
3日の東京株式市場は、日経平均株価が反発して4日ぶりに2万8000円台を回復した。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の世界的な感染拡大が警戒され大幅な下落が続いたが、テクニカル指標は安値圏を示しており、今晩の米11月雇用統計にも左右されるものの全体相場は反発が期待される局面にある。
この日の上昇に関しては、値頃感からの買いに加えて「米メルク<MRK>の新型コロナ飲み薬の製造販売承認が申請された、という報道も好感された」(アナリスト)という。また、テクニカル面では2日時点の騰落レシオ(25日移動平均)が69.23%の水準となっていた。騰落レシオは80%割れが売られ過ぎの水準と言われており、69%というのは「陰の極」との見方もある。この日、東証マザーズ指数が8日ぶりに反発したことも安心感を呼んでいる。
ただ、やはりオミクロン株や米金融政策など不透明要因は残るだけに、「当面はボラティリティの大きい展開が続く」(市場関係者)とみられる。オミクロン株の実態も徐々に判明するとみられるなか、12月14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の前後が日程的にも大きなポイントとみられている。そんななか、来週は10日のメジャーSQを意識しながらの展開となりそうだ。
来週は、海外では10日に予定されている米11月消費者物価(CPI)が注目されそうだ。また、国内では8日に7~9月期国内総生産(GDP)確報値が発表される。10日には東証マザーズにフレクト<4414>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、2万7600~2万8400円。(岡里英幸)