今週の【早わかり株式市況】2週間で1700円安、オミクロン株とテーパリング前倒しを警戒

市況
2021年12月4日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続下落、週末に一矢報いるも2週間で1700円の大幅安

2.新型コロナのオミクロン株の感染拡大を警戒、リスク回避の売り圧力強まる

3.週前半は前週末の波乱を引き継いで連日の急落、2万8000円を割り込む

4.FRBによるテーパリング前倒しの思惑も浮上、全体相場のマイナス材料に

5.週末は自律反発に転じる、海運株はじめ景気敏感株中心に9割超の銘柄上昇

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比722円(2.51%)安の2万8029円と2週連続の大幅安となった。

今週は新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染再拡大を警戒する売りで日米ともに波乱の展開に。日経平均は前週末の急落の流れを引き継ぐ形で週前半に先物主導の売り仕掛けが入り、一気に2万8000円台を割り込んだ。週末に自律反発狙いの買いが入り2万8000円台を回復したが、直近2週間の下げ幅は1700円強に達した。

週明け29日(月)は南アフリカで発見された新型コロナの変異株であるオミクロン株に対する警戒感から、日経平均は前週末に続き大幅続落。前場は買い戻しでいったんプラス圏に浮上する局面もあったが、後場寄りに先物主導の大口売りが出て一気に下げ幅を広げた。30日(火)も大幅続落。月末安アノマリーにあたる日でもあったが、全般買い手控えムードが強く、米製薬大手モデルナのCEOの発言を嫌気して後場終盤にリスク回避の売り圧力が一気に強まり日経平均は2万8000円を割り込んだ。1日(水)は目先突っ込み警戒感からの買い戻しで4日ぶりに反発。ただ、値動きは不安定で米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和の縮小(テーパリング)を前倒しするとの見方が上値を重くし、終値で2万8000円台は回復できなかった。2日(木)は再びオミクロン株への懸念が市場のセンチメントを弱気に傾け、リスク回避の売りが優勢に。日経平均は途中下げ渋り上昇に転じる場面もあったが、買いは続かず大引けにかけて手仕舞い売りが出て結局反落した。そして週末3日(金)は前日までの5営業日で1700円以上の急落をみせていたこともあり、自律反発狙いの買いが優勢となった。海運株をはじめ景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、値上がり銘柄数は全体の9割を超えた。日経平均は後場に入り上げ足を強め、高値引けで2万8000円台を回復した。

■来週のポイント

オミクロン株の感染力など詳細なデータがまだ出てきていないだけに、来週も不安定な展開になりそう。

重要イベントとしては、国内では7日発表の10月景気動向指数や9日朝に発表される10-12月期法人企業景気予測調査、10日のメジャーSQが注目される。海外では7日に発表される中国11月貿易収支と米国10月貿易収支や9日に発表される中国11月の消費者物価指数と生産者物価指数、10日発表の米国11月消費者物価指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(11月29日~12月3日)

【↓】  11月29日(月)―― 大幅続落、新型コロナの変異株を警戒し売り継続

日経平均 28283.92( -467.70)  売買高15億3062万株 売買代金 3兆3942億円

【↓】  11月30日(火)―― 朝高もコロナ変異株に対する警戒感で2万8000円割れ

日経平均 27821.76( -462.16)  売買高25億4576万株 売買代金 5兆4893億円

【↑】  12月 1日(水)―― 4日ぶり反発、大幅下落の反動でハイテク株などが堅調

日経平均 27935.62( +113.86)  売買高14億4119万株 売買代金 3兆2144億円

【↓】  12月 2日(木)―― 反落、米株安やコロナ変異種の影響を懸念し売り優勢

日経平均 27753.37( -182.25)  売買高13億4849万株 売買代金 3兆1477億円

【↑】  12月 3日(金)―― 反発、後場に入り上昇基調強まり2万8000円台を回復

日経平均 28029.57( +276.20)  売買高12億3333万株 売買代金 2兆9347億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、24業種が下落

(2)ソフトバンクG <9984> など情報・通信が値下がり率トップ

(3)ファストリ <9983> など小売り、京成 <9009> など陸運、伊藤園 <2593> など食品といった内需株が売られた

(4)オリンパス <7733> など精密機器、日産自 <7201> など自動車、日立 <6501> など電機といった輸出株も安い

(5)住友電 <5802> など非鉄、神戸鋼 <5406> など鉄鋼、三菱ケミHD <4188> など化学といった素材株も軟調

(6)金融株はオリックス <8591> などその他金融や野村 <8604> など証券が低調も

第一生命HD <8750> など保険、ゆうちょ銀 <7182> など銀行は値を保つ

(7)商船三井 <9104> など海運がダントツの値上がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(2) メタバース

2(1) 半導体 

3(3) 半導体製造装置

4(9) 電気自動車(EV)

5(21) 全固体電池 ──── 日産自は28年度までに市場投入へ

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.