来週の株式相場に向けて=FOMCに投資家の視線集中
年内の取引もあと3週間。来週の相場が終われば、海外投資家はクリスマス休暇に入っていく。このため、来週は年内最後のビッグイベントが集中する。
なかでも市場の注目を一身に集めているのが、14~15日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、11月末の議会証言で量的緩和縮小(テーパリング)の加速を示唆した。また、FRB高官からはタカ派的なコメントが相次いで飛び出している。これを受け、市場には「22年は3月頃にテーパリングを終了し、場合によってはその後に3回程度の利上げがあるのではないか」(アナリスト)との警戒感が台頭している。
FOMCで公表される政策金利予測(ドット・チャート)やパウエルFRB議長の発言次第で相場は大きく動く展開が予想される。来週のFOMCが、今後の米金融政策をみるうえでの重要なポイントになることは間違いない。
また、来週は16日には欧州中央銀行(ECB)理事会、16~17日に日銀金融政策決定会合が開催されるなど中銀ウィークとなる。更に海外では15日に米11月小売売上高、16日に米11月住宅着工件数が発表される。国内では13日に12月日銀短観が公表される。市場では、日銀短観の大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス19と前回9月調査から1ポイントの改善が予想されている。
東京市場では、12月IPOが本格化する。特に15日に東証1部へ直接上場するネットプロテクションズホールディングス<7383>の動向は注目されている。同社は、注目を集めるBNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)と称される「後払い」関連企業。ただ、資金吸収額や時価総額が大きいだけに、株価には強弱観が対立している。16日には東証マザーズにブロードエンタープライズ<4415>とTrue Data<4416>が新規上場する。
加えて、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に関する報道は、依然として要注目だ。来週の日経平均株価の予想レンジは2万8000~2万9000円。(岡里英幸)