【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ネガティブ材料受け流す「DX関連株」が突破口に!
「ネガティブ材料受け流す『DX関連株』が突破口に!」
●なぜ、東京市場に勢いは戻らない?
国内に特別なネガティブ材料はないと思うのだが、東京市場の戻りは少々鈍い。時々、急反発はするものの長続きしない。
もちろん、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン型」の感染者が国内で確認されたことで急落した局面は終わった、と見てよい。「オミクロン型」の感染者は海外ではかなりのスピードで増加中とのことだが、幸い国内では極めて少ない。
もちろん、今後急増する可能性がないわけではないが、感染しても症状は軽いという専門家の見方もあることを考えると、東京市場にもっと勢いが戻ってもおかしくはない。
しかし、実際はそうではない。日々の出来高も少なく、市場参加者もなかなか増えない。投資家は、何を不安視しているのか。
「米国市場が不安定」――これになろう。そのため、円が下げても、原油価格が一時の高値から反落しても、株式市場はそれらをほとんど好感しない。
米国市場の不安定さの背景には、インフレ懸念が去らないことがあろう。確かにネガティブ材料であることは認めるが、勢いのある相場なら、それをクリアして株価が上昇するのが普通だ。
インフレは今後も進行すると見るのが自然であり、株式市場もそのことは百も承知の上であると見てよいからだ。
それでも毎日のように市場は、インフレ懸念やオミクロン型の感染拡大懸念に対して、初めてそれに出会ったかのように受け止め、売り要因としている。
買いたくない理由を、無理やりそれらに押しつけているような感じがするほどで、いまはネガティブ要因というより、市場の攪乱要因となっている。
●先高・再浮上が期待されるDX関連株
その結果、いわゆる外部環境の変化は非常に読みにくくなっている。それは同時に投資をしにくくさせてしまうのだが、ここは敢えて外部環境の影響が比較的に小さな分野への投資を考えたい。
となると、すぐに食品・飲料、建設などが思い浮かぶが、それらは正直なところ投資成果が上がりにくい。では、どこに投資すればよいのか?
「DX」になる。この英文字を開いた「デジタルトランスフォーメーション」はなかなか覚えにくいのだが、中身となるとなおさらだ。かいつまんで言うと「進化したIT技術をわれわれの日常生活に活かせるようにする総合的な手法」となるだろう。
それをビジネスの世界で実行するのが「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション」であり、多くの企業が関わり始めている。この分野は直接に新型コロナや為替、金利の変動などの影響を受けにくい。そのため、株価も比較的に堅調に推移する可能性が高いと見てよい。
投資対象だが、まずはNTTデータ <9613> になる。この会社はITビジネスの中核企業のような存在。株価は現在調整中ながら、先行き浮上する確率は高い。
野村総合研究所 <4307> も同様の観点から魅力的な投資対象であり、これまた先高確率は高いと見てよい。
クラウド導入支援サービスに強いコムチュア <3844> は堅調そのものの動きを続けていたが、週末は久しぶりに下げた。これは魅力的に見える。システム開発とDX化支援に強いラキール <4074> [東証M]も週末は小幅に下げた。これまた新規投資には歓迎すべき下げになる。
コールセンターの運営受託とともに、AI関連ビジネスでDX分野への展開を目指しているバーチャレクス・ホールディングス <6193> [東証M]もやや値動きは粗いが、浅い押し目を見逃さないようにしたい。
大手企業ではSCSK <9719> もある。DX化はこの会社の重要顧客である銀行や証券、食品分野でも不可欠であるだけに、株価は緩やかな浮上が見込める。
そして、最後はJBCCホールディングス <9889> になる。ITシステムの超高速開発に強いため、今後の収益増とともに株価の再浮上が見込める。
2021年12月10日 記
株探ニュース