話題株ピックアップ【夕刊】(2):PHCHD、大王紙、岩谷産

注目
2021年12月14日 15時16分

■PHCホールディングス <6523>  2,102円  +24 円 (+1.2%)  本日終値

PHCホールディングス<6523>はしっかり。SMBC日興証券が13日付で投資評価「1」、目標株価3250円で新たにカバレッジを開始したことが材料視されたようだ。同証券によると、癌や糖尿病の早期診断など製品・サービスの継続的な拡大が見込まれる領域での事業展開とリカーリング比率が高い製品群からキャッシュを創出し成長領域へ投資する点を同社の強みとして挙げている。23年3月期はCOVID-19に関連する特需の反動減が予想されるとしているが、中期的には着実な成長を見込んでいる。

■大王製紙 <3880>  1,918円  +14 円 (+0.7%)  本日終値

大王製紙<3880>が4日ぶりに反発。前週末10日の取引終了後、22年2月1日納品分から段ボール原紙と包装用紙を値上げすると発表しており、これが好材料視された。段ボール原紙を1キログラム当たり10円以上、包装用紙を15%以上値上げする。段ボール原紙など産業用紙事業は、原燃料価格の高騰や物流コストの上昇が続き、事業環境は非常に厳しい状況にあり、徹底したコストダウンや構造転換を続けてきたものの、同社単独の努力だけではコストアップを吸収しきれない状況となっているためとしている。

■岩谷産業 <8088>  5,860円  +30 円 (+0.5%)  本日終値

岩谷産業<8088>が続伸。この日、相馬ガスホールディングス(福島県南相馬市)、相馬ガス(福島県南相馬市)と共同で、福島県でLPガスに水素を20%程度混合させて家庭に供給する実証実験を23年にも開始すると発表しており、これが好材料視された。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」に採択され、水素の混合技術の検討、CO2削減効果の検証、既存埋設導管の水素漏洩に対する安全性の確認、家庭用ガスコンロやガス警報器などの性能確認や安全性の検証を行うという。同社がこれまでに行ってきた北九州水素タウンなどでの水素導管供給とは異なり、一般住宅を対象とした民生向けに導管で水素を供給し、燃料電池による発電ではなく、燃焼させて燃料として使用すること、また既存の供給インフラ、燃焼機器を使用するという点で国内初の取り組みとなるとしている。

■セルソース <4880>  5,690円  -1,500 円 (-20.9%) ストップ安   本日終値

セルソース<4880>は大幅に3日続落。同社は13日取引終了後、22年10月期単独業績予想について、売上高33億8900万円(前期比16.0%増)、営業利益11億1800万円(同12.7%増)、純利益6億7700万円(同4.1%増)と開示した。加工受託サービスの継続的な拡大、エクソソームの伸展、データ支援事業などの拡大を目指す方針としたが、前期までに比べて業績の伸びが鈍化する見通しとなっていることから、寄り付きから売り優勢の展開となった。あわせて発表した21年10月期単独売上高は29億2200万円(前の期比57.5%増)、営業利益9億9200万円(同2.4倍)、純利益6億5100万円(同2.4倍)となり、創業以来5期連続の増収増益となった。加工受託サービス、コンサルティングサービス、医療機器の売上高が過去最高を達成したとしている。

■レーザーテック <6920>  29,955円  -1,145 円 (-3.7%)  本日終値

レーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>が反落したほか、SUMCO<3436>は5日続落と下値模索の動きを継続、半導体セクターが売り優勢の展開となっている。前日の米国株市場ではオミクロン株への警戒感が再燃したことで米長期金利は急低下したが、ハイテク系グロース株は反応薄で景気敏感株と同様に値を下げる銘柄が多かった。そのなか、エヌビディア<NVDA>が急落したのをはじめ半導体関連への売り圧力が顕在化。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下げはNYダウやナスダック総合指数を大幅に上回る2.6%の下落率となり、東京市場でもこのリスクオフの地合いを引き継ぐ形となっている。

■日本航空 <9201>  2,102円  -61 円 (-2.8%)  本日終値

日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>は下値を探る展開。日本国内は新型コロナウイルスの感染は収束した状態にあるが、海外では新型コロナの変異株であるオミクロン株の感染拡大が加速する状況となっており、警戒感が高まっている。入国制限など世界的に人流の抑制が強まれば、収益デメリットを受けやすい空運会社は再び業績悪化を懸念した売りに晒される可能性が意識される。そうした思惑から、足もとで買いポジションを低める動きを誘発している。

■ファーストリテイリング <9983>  67,860円  -1,900 円 (-2.7%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が一時1400円安に売られ日経平均の下げを助長する形となっている。前日は先物絡みのインデックス買いが入り1700円高に買われたが、きょうはその真逆の展開で先物への売り仕掛けを背景に、同社株には裁定解消に伴う売り圧力が働いている。11時20分現在、1銘柄で日経平均を50円弱押し下げている。全体相場はここ方向感の定まらない不安定な動きで、AIアルゴリズム取引による先物主導の上下動で、足もとで実需の売り買いは減少傾向にある。そのなか、同社株はファンダメンタルズ以外の要素でボラティリティが高められている形だ。

■京浜急行電鉄 <9006>  1,117円  -22 円 (-1.9%)  本日終値

京浜急行電鉄<9006>が5日続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が13日付で、投資判断「アンダーウエート」を継続し、目標株価を1300円から1100円へ引き下げており、これが弱材料視されたようだ。同証券では、20年3月期に711億円だった鉄道の営業費用を24年3月期で670億円に40億円削減する計画や不動産流動化による資金回収型ビジネスへの転換など、損益改善に向けた経営施策を評価。一方で、羽田空港線の需要回復の遅れやシナガワグース閉館などにより営業利益の回復が同業他社比で相対的に遅いと予想し、高輪3丁目計画に関わる設備投資の増加によるネガティブFCFの継続により、株主還元を含む資金使途の柔軟性が低いと指摘している。

■ツバキ・ナカシマ <6464>  1,460円  -10 円 (-0.7%)  本日終値

ツバキ・ナカシマ<6464>は4日続落。13日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を690億円から675億円(前期比29.7%増)へ、営業利益を71億円から63億円(同74.5%増)へ、純利益を46億円から39億円(同2.1倍)へ下方修正したことが嫌気された。世界的な半導体不足で自動車などの生産規模が落ち込んだことにより売上高が減少するほか、特定顧客に納入した一部製品において不具合が発生したことに対応し対策費用5億円をその他の費用として計上したことも影響する。また、業績予想の修正に伴い従来29円としていた期末配当予想を21円に減額すると発表した。年間配当予想は、中間配当とあわせて49円(前期比25円増)となる。

■シーアールイー <3458>  1,665円  -10 円 (-0.6%)  本日終値

シーアールイー<3458>は底堅い動き。13日の取引終了後、22年7月期の連結業績予想について、売上高を616億円から621億円(前期比30.6%増)へ、営業利益を86億円から88億円(同52.4%増)へ、純利益を50億から56億円(同56.7%増)へ上方修正しており、これが株価を下支えしたようだ。好調な事業環境を反映し、第1四半期は全てのセグメントで増収し四半期として過去最高の売り上げ・利益を達成したことが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(8~10月)決算は、売上高307億4300万円(前年同期比3.8倍)、営業利益57億8700万円(同8.3倍)、純利益41億5100万円(同7.0倍)だった。

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