前場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後の底堅さを見極める相場展開に~
17日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:売り一巡後の底堅さを見極める相場展開に
■岡野バル、21/11 上方修正 営業利益3.65億円←2.10億円
■前場の注目材料:京セラ、電子部品で新棟、100億円投資、鹿児島国分さらに増強
■売り一巡後の底堅さを見極める相場展開に
17日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。16日の米国市場はNYダウが29ドル安だった。連邦準備制度理事会(FRB)による高インフレへの対応を好感、さらに、金融緩和解除の軌道が段階的となるとの安心感から買い先行で始まった。ただし、英国中銀の予想外の利上げに加えて、予想を下回った12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や製造業PMIを受け景気回復への警戒感も高まる格好から下落に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比255円安の28745円。円相場は1ドル113円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まろう。英国中銀の予想外の利上げが嫌気された格好だが、前日のFOMC通過後の買い戻し主導の上昇に対する一巡感もあったと考えられる。米国ではハイテク株を中心に売られていることもあり、東京市場においても前日の主要な大型株主導の上昇に対するリバランスの動きが意識されやすいと考えられる。
もっとも、昨日の日経平均はマドを空けての上昇から25日線を一気に突破し、75日線水準までのリバウンドをみせ、節目の29000円を回復した。いったんは達成感も意識されやすい水準であることから、利食いについては想定線であろう。25日線水準での底堅さが意識される局面においては、押し目狙いのスタンスになりそうだ。FOMCが通過し海外勢のフローは減少傾向に向かうと考えられるが、25日線と75日線水準での底堅さが見られるようだとショートカバーを誘い込みやすい。
物色の流れとしては前日に指数をけん引した指数インパクトの大きい値がさ株などは利食い対象になりやすく、ややTOPIX型優位の展開になりそうである。中小型株については、物色対象は広がりづらく、足元でリバウンド基調を強めてきた銘柄などへの短期的な値幅取り狙いにとどまりそうである。来週のIPOラッシュを前に市場への資金流入は限られており、ある程度IPOが通過してこないと、市場への利確の資金還流も期待しづらいところであろう。
■岡野バル、21/11 上方修正 営業利益3.65億円←2.10億円
岡野バル<6492>は2021年11月期業績予想の修正を発表。営業利益は2.10億円から3.65億円に上方修正した。売上を予定していた海外火力発電所向けや原子力発電所向けSA対策弁などの大型案件が計画変更により次期へ繰延べになったことから、売上高は予想を下回る見込み。利益面については案件ごとの採算性を重視した受注管理やバルブ製造販売部門における製造経費の削減、人的資源の有効活用、メンテナンス部門における稼働効率の向上など様々な要因により、予想を上回る見通し。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(29066.32、+606.60)
・米原油先物は上昇(72.15、+1.49)
・米長期金利は低下
・米国景気の拡大
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・京セラ<6971>電子部品で新棟、100億円投資、鹿児島国分さらに増強
・日本製紙<3863>抗ウイルス紙でSIAA認証取得、抄き込みで初
・テルモ<4543>26年度売上高1兆円、営業利益率20%に引き上げ
・ダイセル<4202>独エボニック合弁株式持ち分、子会社に移転
・武田薬<4502>米ノババックスのコロナワクチンを承認申請
・トヨタ<7203>1月の生産計画80万台、最高規模視野
・中外製薬<4519>コロナ経口治療薬の開発終了、有効性確認できず
・三菱商事<8058>インドネシアで自動運転実証、都市交通サービス
・ヨロズ<7294>CO2排出量評価導入、足回り部品28%減、鉄に置き換え
・堀場製作所<6856>北京生産力3倍、流量制御機器を増産
・ヤマハ発<7272>米サイレン・マリン買収、IoT対応ボート拡充
・NEC<6701>暗号化したまま顔認証、生体情報秘匿技術を開発
・SOMPO<8630>日本旅行と業務提携、ワクチン接種証明アプリ、自治体向け提供
・三菱ケミHD<4188>福岡に新プラント、半導体封止材向けエポキシ樹脂生産
・王子HD<3861>植物由来材で車部材用マット、プラ使用量最大7割減
・宇部興産<4208>ベンチャーに出資、核酸医薬の技術力向上
・北越コーポ<3865>印刷・情報用紙など値上げ、来月15%超
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・15:30 黒田日銀総裁会見
<海外>
・特になし
《ST》