「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (15)売買戦略は株価のトレンドに合わせて立てる流れ

特集
2021年12月17日 13時00分

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。

少し前まで日経平均株価は3万円回復を視野に入れていたのに、11月下旬から下げ足を速めて一時は2万8000円を下回る水準まで下落しました。岸田政権が発足して以来、金融所得課税といった様々な増税発言に加え、成長戦略の乏しさなどが嫌気されたのかもしれませんね。

加えて、日本をはじめ世界各国で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、「いよいよ元の生活に戻れるぞー」と曙光が見えた時に、再び新たな変異株のオミクロン型が流行し始めています。せっかくマインドも、経済も上向き始めたところだっただけに、人々がオミクロン型に不安を募らせる状況は仕方がないのかもしれません。

その一方で日本国内での感染者数は諸外国に比べて極めて少ない状況が続いています。また、既存のワクチンがオミクロン型にも効果があるとの報道も出てきています。今後は新たに投入される治療薬の普及とともに、少しずつコロナとの共存が進展し、以前のような日常生活を取り戻していくのかもしれませんね。

そうなると、世界経済の行方の鍵を握るのは、経済活動の再開とともにインフレ圧力が高まっている米国経済の動向ということになるのかもしれません。テーパリング(量的緩和の縮小)の前倒し、そして、2022年には年3回の利上げも想定されるといった報道も伝わっています。不透明感が強まる中で、中間選挙を控えてバイデン政権がどのような経済対策を打ち出してくるのかが注目されます。

米国のテーパリング加速が報道され始めているところに、オミクロン型の感染拡大が重なり、株式市場ではボラティリティが高まってきています。株価が急落するさまを見れば、「どこまで下がるのだろう……」と損失の大きさに震えて不安になるのは投資家として普通の感情です。暴落相場に直面して思い切って損切りしたら実は底だった、あるいは株価が戻ってきたので「やれやれ」と利益確定をした途端にさらに急騰してしまった、という経験をお持ちの人は多いでしょう。

株価は通常、経済環境や業績などを元に形成されるため、大きな流れに沿って動きます。その大きな流れの中で、日々「今日上がれば、明日下がる」という風に動くことがほとんどですから、目先の動きに右往左往するようでは、冷静に売買を判断することは難しくなるだけです。

そこで今回は、日々の値動きに振り回されずに済むように、チャートを活用する上で必要不可欠となるトレンド分析と売買戦略の立て方を、日経平均株価を例にして解説していきます。

次ページ:長短の移動平均線が指し示すトレンドの行方

 

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