前場に注目すべき3つのポイント~薄商いながらも押し目買い意欲は強い~
27日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:薄商いながらも押し目買い意欲は強い
■ニトリHD、3Q営業利益8.9%減 1079億円、コンセンサス範囲内
■前場の注目材料:旭化成、偽造対策を支援、透明ラベル+分散型台帳
■薄商いながらも押し目買い意欲は強い
27日の日本株市場は、こう着ながらも底堅さは意識されやすいだろう。24日の米国市場はクリスマスの祝日で休場だった。祝日明け後の米国市場の動向を見極めたいとする模様眺めムードから本日も商いは膨らみづらいと見られる。日経225先物はナイトセッションで40円安の28670円だったが、出来高は960枚と薄商いであり影響はなさそうだ。一方で祝日明け後の米国市場の年末ラリーへの期待は高まりやすいなか、押し目買い意欲は強そうである。
新型コロナ変異株(オミクロン株)の国内での市中感染が増えていることから、積極的に上値を買う流れにはなりづらいと考えられるものの、市場参加者が限られるなかで売り圧力も限られることになるだろう。日経平均は先週のリバウンドで25日線を突破してきており、同線を支持線とした押し目買い意欲は強そうである。
また、米国市場は祝日前にリバウンドを強めてきており、11月半ば以降のショートに対するカバーの動きを見せていた。S&P500は最高値を更新してきていることもあり、祝日明け後の動向に注目が集まりやすい。そのためグローベックスの米株先物が強い動きを見せてくるようであれば、参加者は限られているとはいえ、リバウンド機運は高まりやすく、節目の29000円を意識した先高期待に繋がる可能性はあるだろう。先週末には東エレク<8035>が最高値を更新するなど指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均を下支えした。先高期待が高まる局面においてはハイテク株に関心が集まりやすいと見られる。
そのほか、中小型株については先週のIPOラッシュが通過したことで、需給面では落ち着きを見せてくる可能性はありそうだ。幅広い銘柄が物色される可能性は低いものの、直近IPO銘柄で値動きの強い銘柄へは短期筋の値幅取り狙いの資金が集中しやすい。特に直近IPOは初値が弱かったこともあり、見直し余地は大きいとの見方に向かわせやすい面もありそうだ。そのほか、マザーズ指数の下押し役だった時価総額上位の銘柄についても、換金後の資金流入を意識した物色が見られる可能性はあるだろう。
■ニトリHD、3Q営業利益8.9%減 1079億円、コンセンサス範囲内
ニトリHD<9843>が発表した第3四半期決算は、売上高が前年同期比12.2%増の6061.59億円、営業利益は同8.9%減の1079.68億円だった。コンセンサス(1060億円程度)範囲内となる。既存店発生売上高は前年を下回る結果となった。また、国内EC事業売上高は、前年に売上高が大きく伸張していたものの、前年並みとなった。
■前場の注目材料
・米国景気の拡大
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・旭化成<3407>偽造対策を支援、透明ラベル+分散型台帳
・H.I.S.<9603>2子会社の不正受給認める、GoTo給付金、6億8000万円以上
・日野自<7205>茨城・古河工場に架装工場新設、一貫生産体制を構築
・武蔵精密<7220>中国に駆動部品の新工場、生産能力倍増、23年春稼働
・阪和興業<8078>中計再設定、需要・資源価格上昇後押し
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 11月小売売上高(前年比予想:+1.4%、10月:+0.9%)
<海外>
・10:30 中・11月工業企業利益(10月:前年比+24.6%)
《ST》