話題株ピックアップ【夕刊】(2):三井不、キヤノン、レノバ
■三井不動産 <8801> 2,277円 +6 円 (+0.3%) 本日終値
三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、東京建物<8804>、住友不動産<8830>など大手不動産株が総じて高い。業種別騰落でも不動産は東証1部33業種中値上がり率上位に食い込んでいる。世界的に金融引き締めの方向にあるなか、先進国のなかで日本だけは低金利環境の継続が見込まれており、10年債利回りの上昇も限定的にとどまっている。不動産セクターは金利上昇による資金調達コストの増加や有利子負債の負担が増すことへの懸念に乏しく、「相対的に日本の不動産セクターの風向きが良いことが資金を誘導している」(市場関係者)という見方も出ている。
■キヤノン <7751> 2,860円 +4.5 円 (+0.2%) 本日終値
キヤノン<7751>がしっかり。28日に権利取り最終日を迎えることを控え配当権利取りの動きの買いが入った。15日には期末配当予想を45円から55円に引き上げると発表しており、年間配当は100円(前期80円)を予定している。
■レノバ <9519> 3,900円 -700 円 (-15.2%) ストップ安 本日終値 東証1部 下落率2位
レノバ<9519>はストップ安。同社は24日取引終了後、経済産業省と国土交通省が行っていた「秋田県由利本荘市沖(北側・南側)海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域」における事業者の公募に応募していた件に関し、持ち分法適用関連会社である秋田由利本荘洋上風力(秋田県由利本荘市)は選定されなかったと発表した。両省は、秋田、千葉の両県沖にける合計3海域の洋上風力発電について、全海域で三菱商事<8058>を中心とする企業連合を選んだ。レノバでは、今回の発表に伴う業績に与える影響については現在精査中としている。
■象印マホービン <7965> 1,433円 -153 円 (-9.7%) 本日終値 東証1部 下落率3位
象印マホービン<7965>は大幅続落となり、年初来安値を更新。同社は24日取引終了後、22年11月期連結業績予想について、売上高793億円、営業利益44億円、純利益34億円、年間配当予想は34円と開示した。「収益認識に関する会計基準」適用のために前年との比較は記載されていない。会計基準変更で単純な比較はできないものの、21年11月期連結営業利益63億9900万円(前の期比17.6%増)を下回る見通しであるため、これが嫌気されたようだ。今期は国内事業では提案営業強化や新規チャネルの開拓、新製品投入に注力し、海外事業では海外特有のニーズに対応した商品投入、EC市場の開拓・拡販、成長地域における販路拡充を行う方針。
■ニトリホールディングス <9843> 16,965円 -1,185 円 (-6.5%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>は急落。同社は24日取引終了後、22年2月期第3四半期累計(2月21日~11月20日)連結営業利益が1079億6800万円(前年同期比8.9%減)だったと発表した。通期計画1439億円(前期比4.5%増)に対する進捗率は75.0%。ニトリ事業ではコロナ禍で最大30店舗が休業を余儀なくされたことに加え、全国的に大雨が発生した時期やオリンピック期間中などに外出控えが見られたことが影響した。また、前年は巣ごもり需要や特別定額給付金の支給などにより売り上げが好調だったため、その反動が出たとしている。
■三益半導体工業 <8155> 2,527円 -108 円 (-4.1%) 本日終値
三益半導体工業<8155>は買い先行も値を消す展開。同社は24日取引終了後、22年5月期第2四半期累計(6~11月)単独営業利益が41億1900万円(前年同期比28.3%増)だったと発表した。通期計画73億円(前期比20.0%増)に対する進捗率は56.4%。2ケタ増益や高い進捗率が好感されているものの、前週末までで4連騰となっていたため、寄り付きの買いが一巡した後は材料出つくしとみる投資家の売りが優勢となっている。同社の主要なユーザーである半導体関連各社の設備投資に活発な動きがみられ、こうしたなか、半導体事業部において300ミリウエハーを中心に生産が好調に推移したとしている。
■アスタリスク <6522> 3,010円 +500 円 (+19.9%) ストップ高 本日終値
アスタリスク<6522>がストップ高。24日の取引終了後、同社が開発し、現在はNIP(滋賀県守山市)が保有するRFIDを活用したセルフレジに関する一連の特許について、同特許を巡り係争中だったファーストリテイリング<9983>とNIPとの間で和解が成立したと発表しており、これを好感した買いが入ったようだ。この和解では、ファストリは現在NIPが保有する特許が有効に存在していることを尊重し、アスタリスクとNIPは同特許出願が公開される以前からファストリがRFIDを活用したセルフレジを独自に開発し使用していたものであると確認するという。ファストリは今後もユニクロやジーユー店舗において同セルフレジを展開し、アスタリスクとNIPもこれまで通り特許品としての販売やサービス提供を継続していくとしている。
■イメージ情報開発 <3803> 492円 +80 円 (+19.4%) ストップ高 本日終値
イメージ情報開発<3803>がストップ高。前週末24日の取引終了後、在日外国人向け金融サービスプラットフォームを提供する3PLATZ(東京都中央区)と業務提携契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが入った。提携により共同でプロジェクトチームを発足し、3PLATZの新規サービス及びフィンテックプラットフォームシステムの共同研究開発や、3PLATZの提供するサービスにおけるイメージ情報クラウドサービスの利用などを検討するという。なお、同件による22年3月期業績への影響は軽微としている。
■三井金エンジ <1737> 1,064円 +150 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
三井金属エンジニアリング<1737>がストップ高。三井金属<5706>が前週末24日の取引終了後、子会社である同社の完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格1320円にサヤ寄せする格好となった。三井金は現在、MESCO株式の63.42%を所有しているが、完全子会社化による一体運営による新たな事業機会の創出や経営資源・ノウハウの共有などを図るのが狙い。買付予定数は467万1975株(下限41万4600株、上限設定なし)で、買付期間は21年12月27日から22年2月14日まで。TOB成立後、MESCOは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、12月24日付でMESCO株式を監理銘柄(確認中)に指定している。
株探ニュース