前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年12月29日 5時30分

■ソニーG <6758>  14,695円 (+330円、+2.3%)

ソニーグループ <6758> が6日続伸。11月17日につけた高値1万4625円を払拭し、約1ヵ月半ぶりに年初来高値を更新した。エレクトロニクス分野では、断トツの世界シェアを有するCMOSイメージセンサーが好調で収益の成長ドライバーとなっている。また、エンターテインメント分野の実力も高く、ゲーム、音楽、映画部門を幅広く手掛けるほか、メタバース分野などにも展開を図っている。ハード、ソフト両面で世界的な競争力を有する同社株に対し、海外機関投資家などが継続的に実需買いを入れているもようで、株価は先高期待が強い。22年3月期営業利益は従来見通しの9800億円から1兆400億円(前期実績は米国会計基準で9718億6500万円)に上方修正している。

■GMO-PG <3769>  14,690円 (+320円、+2.2%)

GMOペイメントゲートウェイ <3769> が続伸。27日の取引終了後、三井住友銀行(東京都千代田区)と共同で給与即時受取サービス「即給 byGMO」の展開を強化すると発表しており、これが好材料視された。三井住友銀行の「パソコンバンクWeb21サーバー接続サービス」を「即給 byGMO」に導入しリアルタイム振り込みの機能を実装した。また、更なる機能改善を共同で検討していくことや、SMBCグループのさくら情報システムと共同でシステム開発を進めることについて合意しており、今後は、GMO-PGでマーケティング及び営業活動を行うとともに、さくら情報システムとの共同開発により「即給 byGMO」の機能増強を進めるとしている。

■ハローズ <2742>  2,689円 (+56円、+2.1%)

ハローズ <2742> が反発。同社は27日取引終了後、22年2月期第3四半期累計(3-11月)単独営業利益は60億8700万円(前年同期比11.3%増)と発表した。通期計画73億3000万円(前期比3.6%減)に対する進捗率は83.0%となったが、新型コロナウイルス 感染症による影響は予測困難であるとし、通期見通しを据え置いた。店舗運営面において、セルフレジ設置の推進で顧客利便性の向上及び自動発注システム拡大による作業効率の改善を図ったとしている。

■王子HD <3861>  557円 (+11円、+2.0%)

王子ホールディングス <3861>が反発。そのほか日本製紙 <3863> 、大王製紙 <3880> など製紙関連株が軒並み高かった。業種別騰落では「パルプ・紙」セクターが東証1部33業種中で値上がり率上位に食い込んだ。世界的なインフレ懸念が高まるなか、日本でも物価上昇が徐々に意識され始めている。そうしたなか、製紙業界では製品価格引き上げの動きが表面化しており、直近では化粧品や菓子の箱に使う白板紙の値上げの動きが相次ぐ状況にある。株式市場では値上げによる利益採算向上をポジティブ材料とみなす傾向が強く、大手をはじめ製紙関連株に投資資金を誘導したようだ。

■ナガイレーベ <7447>  2,243円 (+43円、+2.0%)

ナガイレーベン <7447> が4日ぶり反発。同社は27日取引終了後、22年8月期第1四半期(9-11月)連結営業利益は9億1500万円(前年同期比12.0%減)と発表した。上期計画19億5000万円(前年同期比14.3%減)に対する進捗率は46.9%、通期計画50億1300万円(前期比3.8%減)に対しては18.3%にとどまったが、織り込み済みとの見方があるもよう。前年同期における厚生労働省への感染対策商品の大口納入に伴う一過性要因の影響が出た一方で、コア市場であるヘルスケアウェアや周辺市場の患者ウェアなどほとんどのアイテムにおいては予定通り順調に推移しているとした。生産面では国内工場の加工賃上昇や、前年同期比で為替レートが円安だった影響を受けたとしている。

■日電産 <6594>  13,690円 (+205円、+1.5%)

日本電産 <6594> が反発。27日の取引終了後、電動バイク駆動用インホイールモーターが、中国の大手電動2輪車メーカーであるヤディア・グループ・ホールディングスに初採用されたと発表しており、これが好感された。今回採用されたのは、ヤディア社が10月に発表した電動バイク「換電獣01」。搭載される電動バイク駆動用インホイールモーターは、日電産が電動バイク向けに開発した初めての製品で、後輪内に搭載。世界トップクラスのトルク特性を持ち、同一カテゴリの他社モーターに比べて低速時で18%、高速時で5%トルクが向上するとしている。

■ギフティ <4449>  2,020円 (+30円、+1.5%)

ギフティ <4449> が3日ぶり反発。同社は27日取引終了後、ブランドの顧客ロイヤルティーを高めてファン化を促進するソリューション「giftee Loyalty Platform(ギフティ ロイヤルティー プラットフォーム)」が、大戸屋ホールディングス <2705> [JQ]に採用されたと発表した。全国の「大戸屋ごはん処」305店舗全店(21年12月末時点)で利用可能なデジタルの回数券「大戸屋デジタルお食事券」を22年1月31日までの期間中、回数券・定期券・サブスクリプションプランを販売する専用サイト「Plus Pass(プラス パス)」で販売する。この回数券には「おまとめ販売機能」があり、販売額の25%分の食事券がインセンティブとして付与されるとした。

■ミネベア <6479>  3,245円 (+45円、+1.4%)

ミネベアミツミ <6479> が反発。28日付の日刊工業新聞で「ミネベアミツミ傘下のアナログ半導体 メーカー、エイブリック(東京都港区、石合信正社長)は、2025年度までに秋田事業所(秋田県大仙市)の半導体パッケージの生産能力を20~30%増やす」と報じられており、これが好材料視された。秋田事業所では半導体製造の「後工程」で封止作業などを担うが、ロボットや人工知能(AI)などを導入することで工程間搬送や検査を自動化し、生産性を高めるという。アナログ半導体の需要は拡大が見込まれるなか、人手不足がボトルネックとされていたが、自動化などでこれを解消し増産につなげるようだ。

■カネカ <4118>  3,790円 (+50円、+1.3%)

カネカ <4118> が3日ぶりに反発。同社は27日取引終了後、新型コロナウイルスのオミクロン株とデルタ株を同時に識別可能なリアルタイムPCR検査キットとして、「KANEKA RT-PCR Kit“SARS-CoV-2(Omicron/Delta)”」を22年1月7日に発売すると発表した。希望小売価格は税込み12万1000円(検査100回分)。カネカの遺伝子検査関連の技術を活用して開発した独自の試薬を用いており、オミクロン株に特徴的なスパイク蛋白質の2ヵ所の変異(E484A、N856K)と、デルタ株に特徴的な変異(L452R)を検出することで、オミクロン株、デルタ株を同時に識別する。オミクロン株の2ヵ所の変異を検出することによって、より高精度の検出が可能としている。

■トヨタ <7203>  2,133円 (+25円、+1.2%)

トヨタ自動車 <7203>が続伸。そのほかホンダ <7267> など自動車株が買い優勢の展開となった。足もと外国為替市場でドルを買う動きが強まっており、1ドル=114円80~90銭ゾーンでの推移と急速にドル高・円安が進行、11月下旬以来の1ドル=115円台を試す動きにある。為替の円安が進めば輸出産業にとっては採算向上となるが、特に自動車セクターは為替感応度の高い業態で、円安に伴う為替メリットに期待した買いを引き寄せた。トヨタ、ホンダともに22年3月期の通期想定為替レートは1ドル=110円となっており、実勢はそこから5円近くも円安に振れていることから、収益上乗せに対する思惑が株価を刺激している。

■岡谷鋼機 <7485>  9,520円 (+110円、+1.2%)

岡谷鋼機 <7485> [名証]が上伸。27日の取引終了後、22年2月期の連結業績予想について、売上高を9000億円から9200億円(前期比21.0%増)へ、営業利益を190億円から200億円(同47.2%増)へ、純利益を150億円から170億円(同36.8%増)へ上方修正したことが好感された。主力の鉄鋼事業で、鋼材価格の上昇に加え、製造業向けを中心に鉄鋼需要が増加していることに加えて、情報・電機事業の非鉄金属部門で銅・アルミ価格の上昇に加え、家電製品用部材及び車載用部品が増加していることなどが寄与する。なお、第3四半期累計(3-11月)決算は、売上高7092億2200万円(前年同期比27.1%増)、営業利益171億3900万円(同82.8%増)、純利益154億9100万円(同68.7%増)だった。

■INPEX <1605>  1,020円 (+10円、+1.0%)

INPEX <1605>が反発。そのほか石油資源開発 <1662> など 資源開発関連が堅調な動きをみせたほか、三菱商事 <8058> 、三井物産 <8031> など大手商社株が総じて上昇した。荒い値動きの続いている原油市況だが、ここにきて再び上昇基調を強めており、前日27日のWTI原油先物価格は1ドル78セント高の1バレル=75ドル57セントと急伸、これを背景に米国株市場では石油メジャーでNYダウ構成銘柄でもあるシェブロン <CVX> が2%超の上昇をみせ、指数押し上げに寄与した。東京市場でもWTIの動向を横目に、原油市況高が商機につながる企業群の株価が刺激される形となった。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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