話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、ABCマート、マニー
■トヨタ自動車 <7203> 2,412円 +52.5 円 (+2.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が4日続伸と全般下げ相場に抗して強さを発揮。上げ幅こそ小刻みながらジリ高歩調を継続しており、連日の上場来高値更新と気を吐いている。世界的な電気自動車(EV)シフトの流れを受け、EV戦略を強化する方針を打ち出したが、同社が展示した16車種のEVコンセプトモデルも海外投資家の高評価を獲得し、同社株組み入れの動きを加速させた。バリュー株としての側面に加え、グローバルな展開力やEV分野における潜在的な実力が株価に反映されている。足もと外国為替市場で円高に振れているものの、これをネガティブ視する動きはないようだ。
■エービーシー・マート <2670> 5,110円 +110 円 (+2.2%) 本日終値
エービーシー・マート<2670>は続伸。同社は12日取引終了後、今後の経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の実施と資本効率の向上を図るため、150万株(発行済み株式総数に対する割合1.81%)もしくは75億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は1月13日から2月28日まで。あわせて、22年2月期第3四半期累計(3~11月)連結営業利益は198億4500万円(前年同期比33.5%増)と発表しており、こちらも好感されているもよう。店舗運営の効率化と経費削減が引き続き奏功した。通期計画304億円(前期比55.8%増)は据え置かれた。なお、株主優待制度は21年2月末日時点の株主までで廃止とした。これまでは保有株数に応じて3000円~5000円の自社で使える優待券を贈呈していたが、今後は配当などによる利益還元を優先するとしている。
■マニー <7730> 1,688円 +30 円 (+1.8%) 本日終値
マニー<7730>が3日続伸。12日の取引終了後に発表した22年8月期第1四半期(9~11月)の連結決算は、売上高47億2800万円(前年同期比12.6%増)、経常利益19億1100万円(同50.3%増)となり、これを好感する買いが入った。欧州やアジアを中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響から需要が回復するなか、サージカル関連製品、アイレス針関連製品、デンタル関連製品がいずれも2ケタ増収を達成した。また、原価率の改善に加え、為替差益が増加したことも利益を押し上げた。第1四半期経常利益の上期計画(25億5400万円)に対する進捗率は74.8%に達しており、業績上振れへの期待が高まっているようだ。
■トーセイ <8923> 1,059円 +17 円 (+1.6%) 本日終値
トーセイ<8923>は3日続伸。同社は12日取引終了後、22年11月期連結業績予想について、売上高800億円(前期比29.6%増)、営業利益127億6200万円(同16.4%増)、純利益79億5400万円(同18.3%増)、年間配当予想を47円(前期は38円)と開示した。手元流動性・財務健全性を確保しながら引き続き将来の成長に向けての仕入れ活動を拡大していくほか、不動産再生メニューをはじめとした各種サービスの拡充により、全事業の拡大を図る。21年11月期連結営業利益は109億6500万円(前の期比70.6%増)だった。あわせて、70万株(発行済み株式総数に対する割合1.5%)もしくは5億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は1月13日から7月31日までで、株主還元水準の向上及び資本効率の改善を図り、環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためとしている。
■三菱UFJ <8306> 714.2円 +10.2 円 (+1.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が全体地合い悪のなか頑強な値動きを示している。注目された12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇と事前予想に合致したとはいえ高水準で、インフレ警戒ムードが強まるなか米長期金利の上昇が続いている。また、世界でも例外的に超低金利環境が続く日本でも、海外投資家が日本国債の買い姿勢を強めるなか、長期金利上昇に対する思惑が浮上している。大手金融株にとっては運用環境の改善期待につながることで株価も水準訂正狙いの買いが活発化している。
■丸一鋼管 <5463> 2,668円 +18 円 (+0.7%) 本日終値
丸一鋼管<5463>は続伸。同社は12日取引終了後、現行の24年3月期を最終年度とする3カ年の第6次中期経営計画において、数値目標として「連結ROE6.5%を目標とする」を追加すると発表した。同社では以前からROEを意識した経営を行っているが、第6次中期経営計画の数値目標として明確にするため、項目を追加するとした。
■大和ハウス工業 <1925> 3,453円 +20 円 (+0.6%) 本日終値
大和ハウス工業<1925>は続伸。同社は12日取引終了後、不動産投資・開発などを行うメトロ・ホールディングス(シンガポール)と戦略的提携に関する覚書を締結したと発表した。メトロ社はシンガポール証券取引所に上場しており、現在はシンガポール、中国、インドネシア、英国、豪州において不動産及び小売事業を展開している。今回の戦略的提携では両社の知見やネットワークを生かし、当初の重点分野として日本やシンガポールを含むアジア太平洋地域における物流施設、商業施設、住宅などの不動産投資・開発を検討するとした。
■コメダホールディングス <3543> 2,050円 +9 円 (+0.4%) 本日終値
コメダホールディングス<3543>は3日続伸。同社は12日取引終了後、22年2月期第3四半期累計(3~11月)連結営業利益は58億4700万円(前年同期比36.8%増)と発表した。通期計画72億5000万円(前期比31.6%増)に対する進捗率は80.6%。ピスタチオや大豆ミートなど話題性のある食材を使用した新商品投入のほか、テレビ番組やSNSなどへの露出機会が増加したことにより、来店客数が伸びた。第3四半期累計での既存店売上高は前年同期比12.7%増、前々年同期比1.6%減となり、コロナ禍の影響を強く受けた前年同期に対して大きく伸長したとしている。
■ジェイ・エス・ビー <3480> 3,105円 +10 円 (+0.3%) 本日終値
ジェイ・エス・ビー<3480>が高い。岩井コスモ証券は12日、同社株の投資判断「A」と目標株価4450円を継続した。同社は学生向け賃貸物件を中心とした不動産賃貸管理事業が主力。物件管理戸数の増加や高水準の入居率維持もあり21年10月期の連結営業利益は前の期比23.0%増の53億3700万円と最高益を更新した。22年10月期も管理戸数の増加で同利益は前期比10.2%増の58億8100万円が見込まれている。23年10月期を最終年度とする中期経営計画では、営業利益の目標を60億7400万円から67億4300万円に引き上げたことも評価されている。
■イオン <8267> 2,480.5円 -150 円 (-5.7%) 本日終値
イオン<8267>は6日続落となり、昨年来安値を更新。同社は12日取引終了後、22年2月期第3四半期累計(3~11月)連結営業利益は892億4500万円(前年同期比31.0%増)、純損益は89億5600万円の赤字(前年同期は625億9000万円の赤字)だったと発表した。レンジで示した通期計画の営業利益2000億円(前期比32.8%増)から2200億円(同46.1%増)まで、純利益の200億円から300億円まで(前期は710億2400万円の赤字)は据え置かれた。9月末までの緊急事態宣言の延長、消費マインド回復の遅れなどにより、業績は期間前半に出遅れたものの、ブラックフライデーなどの需要喚起策が奏功し、月を追うごとにトレンドは改善しているとした。
株探ニュース