【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─来る反発相場では押し目狙いのノウハウが命運を分ける!
「来る反発相場では押し目狙いのノウハウが命運を分ける!」
●米利上げを巡る思惑が市場を翻弄
米国市場を襲っていた猛吹雪は去ったのか。一日も早く去ってほしいところだが、まだ市場に居座っている気配だ。
市場の予想では、FRB(米連邦準備理事会)が1月のFOMC(連邦公開市場委員会)を開催し、パウエル議長がその結果を発表したら、嵐は過ぎ去って好天が訪れるはずだった。
パウエル議長は記者会見を行い、FOMCの結果を日本時間の27日午前4時30分から予定通り発表した。
決まった内容はすでにご存じだろうが、改めて紹介しておくと、
・テーパリング(量的緩和の縮小)は3月上旬に終了する
・利上げは3月実施の可能性あり
以上の2点である。すでに予想がついていたことなので、東京市場の27日の下げ(日経平均株価は841円安)には驚かされたが、市場の関心は利上げ実施そのものから「年内の利上げ回数は何度になるか?」に移り、5回だろうとの見方が浮上した。従来は3回説が有力で、一部で4回説がある程度だったのだが……。
3回であろうが、5回であろうが、大した違いはないじゃないか。こういうことになるかもしれないが、3回と5回では、金融関係者たちにとっては大きな違いになる。
1回につき0.25%引き上げる場合(初回は0.5%引き上げ説もある)、3回の引き上げでは0.75%の利上げになる。それが5回となると1.25%であり、年内にそこまで上がるとなると、融資を受けていたり、新たに融資を受ける企業にとってかなりの負担になる。
米国市場、東京市場ともに恐れているのはこの点であり、今後もことあるごとに引き上げ幅や回数が市場の関心事になることを覚悟しておきたい。
そのため、今後の相場は短期の上下動を繰り返しながら浮上を続ける――こんな展開が予想されるため、押し目狙いのノウハウに強くなっておきたい。上げては下げ、下げては上げるを繰り返すとなれば、押し目買いのチャンスが幾度もあることになるからだ。
●再評価したい全般崩落に巻き込まれた有望銘柄
このような観点から現在の相場を見ると、市場全体が暴落に近い下げとなったため、多くの有望銘柄も叩き売られてしまった。
しかし、市場全体が急落した時、それに巻き込まれて下げてしまったテーマ株や企業価値の向上が確定的な銘柄に対するスタンスは買いでよい。
では、具体的にはどんな銘柄があるか。まずはミニショベルなど小型が主力の建機メーカー、竹内製作所 <6432> だ。米国で得意とするミニショベルの販売好調が続いているのに、株価は1月14日に高値をつけた後、売られてしまったため、そろそろ浮上が見込める。
産業ロボット用精密減速機で世界首位、自動ドアでも首位級と実績・実力は十分ながら、株が売られたナブテスコ <6268> にも見直し買いが入ることになるだろう。
リチウムイオン電池用セパレータに強いダブル・スコープ <6619> も大きく売り込まれた。しかし、 リチウムイオン電池関連株がこのままコケてしまうことは考えられないため、見捨てるのは早すぎる。
リチウムイオン電池関連株では、すでに安値から急回復中である田中化学研究所 <4080> [JQ]もさらなる高値が見込める銘柄といえる。
工作機械や半導体製造装置向けの直動案内機器で世界首位の技術力と実績を持つTHK <6481> も下値圏でもみ合い中ながら、間もなく地固めから浮上に転じる可能性は高い。
中古車オークションの運営に強く、買い取り専門店も運営しているユー・エス・エス <4732> も反発の兆しを見せたところであり要注目だ。
なお、中古車販売ではネクステージ <3186> は高値をキープし続けており、引き続き魅力的だ。
2022年1月28日 記
株探ニュース