注目銘柄ダイジェスト(前場):郵船、任天堂、花王など

市況
2022年2月4日 11時53分

郵船<9101>:9700円(+470円)

大幅反発。前日は前引け後の第3四半期決算発表後に乱高下の動きとなったが、地合いが落ち着いた本日は買い優勢の展開になっている。通期経常利益は従来予想の7100億円から9300億円に上方修正、つれて、年間配当金も800円から1200円に引き上げ。今期3度目の増配となる。今決算での増配発表は見送られるとの見方もあっただけに、ポジティブなインパクトが優勢。前日終値ベースでの配当利回りは13%の水準にまで達している。

任天堂<7974>:58650円(+2500円)

反発。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は2526億円で前年同期比10.0%増益となり、3四半期ぶりの増益に転じている。通期予想は従来の5200億円から5600億円、前期比12.6%減に上方修正、市場予想並みの水準に引き上げている。Switchのソフト販売本数引き上げ、為替前提の変更などが背景。サプライズは限定的だが、1月発売の「Pokemon LEGENDS アルセウス」の寄与による上振れ期待なども残す状況に。

UACJ<5741>:2376円(-360円)

急落。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期経常利益は102億円で前年同期比5.1倍となり、通期予想は400億円を据え置いている。ただ、在庫評価益を除いた通期の調整後経常利益は210億円から180億円に、実質減額修正している。米国での操業トラブルに加え、原材料費上昇の影響を織り込んでいるもよう。同利益は上期の132億円に対して下期は48億円の見通しであり、収益モメンタムの悪化をネガティブ視する動きが優勢。

花王<4452>:5352円(-378円)

大幅続落。前日に21年12月期の決算を発表、営業利益は1435億円で前期比18.3%減益となり、従来計画の1770億円を下回る着地に。1670億円程度の市場コンセンサスも下振れている。原材料費上昇や在庫処分などの影響が響いたもよう。22年12月期は1600億円で同11.5%増益に転じる見通しとしているが、市場コンセンサスは1800億円超の水準であり、ネガティブに捉える動きが優勢となっている。

古河電工<5801>:2170円(-173円)

大幅続落。前日に第3四半期の決算を発表、10-12月期営業損益は22億円の赤字に転落、通期予想は従来の200億円の黒字から130億円の黒字、前期比54.2%増に引き下げている。自動車部品・電池が懸念されたとおりに苦戦したほか、光ファイバーや電子部品なども下振れのもよう。とりわけ、光ファイバーの生産性改善の遅れなど、同社固有の問題などがクローズアップされる状況にもあるもよう。

セイファート<9213>:992円(-)

公開価格(1120円)を8.0%下回る1030円で初値を付けた。会社設立は91年7月11日。主な事業は美容業に関する広告求人サービスや紹介。派遣サービス、教育サービスも手掛ける。21年12月期の営業利益予想は前期比3倍の2.56億円。広告求人サービスで新規顧客や休眠顧客を開拓し、利益拡大を目指す。紹介・派遣サービスなども堅調に推移する見通し。第3四半期累計の実績は1.97億円だった。

メルカリ<4385>:3810円(-380円)

昨年来安値。22年6月期第2四半期累計(21年7-12月)の営業損益を17.74億円の赤字(前年同期実績13.70億円の黒字)と発表している。フリマアプリ「メルカリ」や決済サービスの「メルペイ」が順調に成長して売上高は47.7%増の711.91億円に拡大したが、売上原価が248.44億円に膨らんだことが響いた。通期予想は非開示。第1四半期は8.49億円の黒字だっただけに、赤字転落で失望感が広がっているようだ。

佐渡汽船<9176>:212円(+9円)

反発。一部メディアが「みちのりホールディングス(東京・千代田)傘下で経営再建をめざすことが3日、わかった」と報じ、買い材料視されている。報道によると「約15億円の出資を受け、子会社となる方向で最終調整している」という。みちのりHDはバスなどの交通事業を傘下に持つ。佐渡汽船の21年12月期の営業損益予想は19.76億円の赤字。第3四半期末には22.99億円の債務超過となっていた。

《NH》

提供:フィスコ

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