話題株ピックアップ【夕刊】(2):OLC、JMDC、郵船

注目
2022年2月8日 15時15分

■オリエンタルランド <4661>  21,830円  +910 円 (+4.4%)  本日終値

オリエンタルランド<4661>は大幅高、株価はきょうで8日続伸となり、連日の上場来高値更新と異色の上げ足をみせている。新型コロナウイルスの感染拡大により収益面で多大なデメリットを受けた企業のなかでも、同社はその筆頭に挙げられるといっても過言ではない。しかし、1月下旬に発表した22年3月期業績予想の修正では、営業損益段階で従来予想の242億6000万円の赤字から76億2300万円の赤字(前期は459億8900万円の赤字)と大幅に赤字幅が縮小するとの見通しを発表、業績改善の度合いを強めていることを評価する形で継続的な買いを呼び込んでいる。株式需給面では信用買い残が少なく、直近データで信用倍率は売り買い拮抗の1.0倍となっているほか、日証金では株不足状態にあり逆日歩がついた状態にある。また、貸株調達に伴う海外ヘッジファンドの空売りなども積まれていたもようで、目先ショートカバーによる浮揚力も働いている。

■JMDC <4483>  5,170円  +215 円 (+4.3%)  本日終値

JMDC<4483>が大幅反発。7日の取引終了後に発表した第3四半期(4~12月)連結決算が、売上高156億7900万円(前年同期比35.1%増)、営業利益34億1700万円(同41.0%増)、純利益22億8000万円(同44.5%増)と大幅増益で着地したことが好感された。取引先健康保険組合数や健康情報プラットフォーム「PepUp」(ペップアップ)の発行ID数が継続して増加していることなどを背景に、主力のヘルスビッグデータ事業が順調に拡大したことが牽引した。また、遠隔医療事業、調剤薬局支援事業なども伸長した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高215億5000万円(前期比28.5%増)、営業利益48億円(同29.9%増)、純利益32億5000万円(同31.3%増)の従来見通しを据え置いている。

■日本郵船 <9101>  9,620円  +340 円 (+3.7%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手3社のほか、NSユナイテッド海運<9110>なども高く、海運セクターは業種別値上がり率上位に買われた。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大が続くなかも、重症化率が低いことで世界的に経済活動に与える影響は限定的との見方が強まっており、グローバル物流を担う海運各社には追い風となっている。PERが際立って割安に放置される一方、配当利回りが圧倒的に高い水準にあることから、バリュー株の側面で押し目買いニーズが強い。大手各社の今期業績を変貌させたのはコンテナ市況の高騰だが、今年についてもコンテナ船の長期契約運賃は高止まりするとの観測があり、来期業績に対する過度な不安感も後退しているもようだ。

■芝浦電子 <6957>  6,660円  +230 円 (+3.6%)  本日終値

芝浦電子<6957>は反発。7日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を300億円から305億円(前期比21.2%増)へ、営業利益を50億円から55億円(同75.4%増)へ、純利益を33億円から36億円(同61.2%増)へ上方修正したことが好感された。中期経営計画達成に向けて、IT技術を活用した製造設備の研究・開発や継続的な改善活動など生産性向上への取り組みが奏功し第3四半期累計期間の業績が順調に推移したことが要因。同時に発表した第3四半期累計(21年4~12月)決算は、売上高230億2100万円(前年同期比29.3%増)、営業利益43億7200万円(同2.4倍)、純利益28億300万円(同2.2倍)だった。

■アルヒ <7198>  1,115円  +35 円 (+3.2%)  本日終値

アルヒ<7198>は4日ぶり大幅反発。同社は7日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高を295億円から255億円(前期比4.9%減)へ、純利益を57億円から41億円(同20.8%減)へ下方修正すると発表した。今年度中の住宅供給の改善は難しいと考えられるため。22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結純利益は37億1000万円(前年同期比8.3%減)だった。株価は決算への警戒で前日まで3日続落となっていたため、アク抜け感が広がったようだ。

■ヤマハ <7951>  5,540円  +170 円 (+3.2%)  本日終値

ヤマハ<7951>は続伸。7日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を3900億円から3950億円(前期比6.0%増)へ、営業利益を455億円から465億円(同32.7%増)へ、純利益を345億円から350億円(同31.5%増)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響から回復が進み第3四半期の業績が順調に推移したほか、第4四半期の想定為替レートを1ドル=105円から110円へ見直したことが要因。同時に発表した第3四半期累計(21年4~12月)決算は、売上高3023億3100万円(前年同期比11.0%増)、営業利益406億2600万円(同52.1%増)、純利益300億200万円(同70.3%増)だった。

■日本製鉄 <5401>  2,009.5円  +42.5 円 (+2.2%)  本日終値

日本製鉄<5401>が5日続伸。米バイデン政権が7日、トランプ前政権時から行っている日本の鉄鋼とアルミニウムに課している追加関税に関し、4月1日から一部を免除すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。トランプ前政権は中国からの輸入品を念頭に、安全保障上の脅威として鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の高い関税を上乗せする輸入制限措置に踏み切ったが、このうち鉄鋼に関して、今年4月から一部を免除するという。これを受けて、神戸製鋼所<5406>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>なども高い。

■朝日放送HD <9405>  723円  +15 円 (+2.1%)  本日終値

朝日放送グループホールディングス<9405>が戻り足を加速、5日・25日移動平均線がゴールデンクロスを示現しており上値指向が鮮明だ。朝日新聞系の民放大手だが、スポット収入が増勢基調にあるなか、経費削減などの合理化努力も寄与して足もとの業績は会社側想定を上回って好調に推移している。7日取引終了後に22年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の29億円から50億円(前期比86%増)に大幅増額した。更に今期年間配当を従来計画の13円から24円(前期実績は10円)に11円も上乗せしており、これが株価にも大きなインパクトを与え、投資資金を呼び込んでいる。

■飯野海運 <9119>  562円  +9 円 (+1.6%)  本日終値

飯野海運<9119>が後場上げ幅を拡大。午後2時ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を980億円から1030億円(前期比15.8%増)へ、営業利益を45億円から59億円(同13.6%減)へ、純利益を83億円から100億円(同30.6%増)へ上方修正したことが好感された。ケミカルタンカーで高運賃スポット貨物を獲得したことや、ドライバルク船市況が想定より高い水準で推移したことが要因。更に足もとの海運市況が堅調なことも寄与する。なお、第3四半期累計(4~12月)決算は、売上高760億3500万円(前年同期比15.3%増)、営業利益46億1700万円(同17.2%減)、純利益83億1800万円(同54.7%増)だった。

■ニチアス <5393>  2,636円  +41 円 (+1.6%)  本日終値

ニチアス<5393>は反発。7日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を2100億円から2155億円(前期比9.7%増)へ、営業利益を250億円から260億円(同32.5%増)へ、純利益を180億円から190億円(同77.3%増)へ上方修正し、あわせて40円を予定していた期末配当予想を44円へ引き上げたことが好感された。第3四半期累計期間において、半導体関連製品を中心に全社の業績が堅調に推移したことが要因としている。年間配当予想は86円となり、前期実績に対しては8円の増配となる予定だ。なお、同時に発表した第3四半期累計(21年4~12月)決算は、売上高1598億2000万円(前年同期比15.3%増)、営業利益200億7100万円(同62.6%増)、純利益159億7800万円(同88.9%増)だった。

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