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出遅れフィリピン株に米利上げの影響は軽微、春の注目カタリストに期待

特集
2022年2月15日 12時20分

いくぜ、アメ株 !二刀流の極め技 www9945さんの場合-第3回

登場する銘柄

iシェアーズ MSCI フィリピン ETF<EPHE>、ジョリビー・フード<JFC>、グローブ・テレコム<GLO>、SMプライム<SMPH>、バンコ・デ・オロ・ユニバンク<BDO>、西部バスターミナル<WCS>、第1送電線建設<PC1>

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

【タイトル】www9945さん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
1990年代、年収300万円の清掃員だった頃に、100万円を元手に株式投資を開始。投資歴が25年近くなる現在は、5億円以上の財産を築き上げているサラリーマンの星。
投資スタイルは、割安成長株に着目しピラミッティングで利益の最大化を目指すとともに、インカム狙いの高配当株投資を並行して行うやり方。投資対象は日本株を主軸とし、米国株やベトナム株に加え、最近はフィリピン株にも対象を広げている。趣味は銘柄発掘も含めた街角ウォッチング。

第1回「5億円プレーヤーの9945さん、アメ株は『ドラえもん』と呼ぶワケは」を読む

第2回「3月のFOMC前に必見、9945さんのアメ株『ソラマチ』戦略」を読む

今回登場中の億トレwww9945さん(ハンドルネーム、以下、9945さん)は、アメ株以外にも、2012年頃からはベトナム株にも投資し、2020年からフィリピン株も投資対象に加えている。

全体資産に対する配分は、フィリピン株が3.2%、ベトナム株が8~9%。最初の記事で紹介したように、アメ株は10%なので、今のところはフィリピン株の比率は低いが、今後はアメ株そしてべトナム株並みに高めていく方針だ。

米国の利上げモード転換で新興国から資金流出し、為替や株式でマイナスインパクトを与える可能性がある中で、フィリピン株、そしてベトナム株にどのような投資戦略を持っているのか。

まずはフィリピン株について見ていこう。

フィリピン株、ETFと12の個別銘柄に投資

9945さんはフィリピン株への投資も、アメ株と同様にETF(上場投資信託)と個別株に分散している。ただし、個別銘柄の選択は、アメ株のようなインカムゲイン狙いではない。

まずETFで保有するのは、世界の主要国の株式指数であるMSCIで、MSCIフィリピン指数に連動するiシェアーズ MSCI フィリピン ETF<EPHE>になる。

■iシェアーズ MSCI フィリピン ETFの基準価額の推移

【タイトル】

出所:QUICK・ファクトセット

そして個別銘柄では、

レストランチェーンのジョリビー・フード<JFC>(フィリピン株のチャート等は掲載時点で表示不可)、

通信会社のグローブ・テレコム<GLO>、

不動産業のSMプライム<SMPH>、

国内最大の金融機関となるバンコ・デ・オロ・ユニバンク<BDO>などの12銘柄となる。

これらの個別銘柄を選別した理由は、ETFで保有する「MSCIフィリピン指数」の寄与度が大きい主要「値がさ株」であることだ。

「二重投資」をする4つの理由

ということは、保有する個別銘柄はETFを通じても間接投資しているため二重投資となる。これは、資金効率とリスク分散の点では、効果的とはいえない面がある。

なぜ9945さんは、ETFの構成銘柄を、別途に個別で投資しているのか。その理由は、主に4つになる。

1、フィリピン市場の動きや個別銘柄についてキメ細かい分析ができないこと

2、新興国株は流動性リスクが高く、「イザというとき売りやすい」環境を確保する

3、個別銘柄を保有することで、フィリピン市場の成長をより体感したい

4、指数寄与度の高い銘柄でも、指数に出遅れることがある

――となる。9945さんによると、フィリピン株投資でのETFは個別銘柄と同じように捉えており、資金の配分も個別銘柄を同じ程度にする戦略を取っている。これは投資の教科書的には、異例ともいえる方針だ。

通常、指数に連動するETFはリスク分散の効果があるため、コア資産として資金をより多く配分する。これに対して、リスクを取って指数以上のリターンのアルファを狙う個別株は、サテライト資産として資金配分を低めて、リスクコントロールする。

ETFは、保有する個別株以外の株式に「まとめて投資する銘柄」と位置づけ

だが、9945さんはフィリピン株ETFをコア資産と位置づけていない。ETFは、保有する12銘柄以外の銘柄にまとめて投資する個別株として考えている。

これは、一見わかりにくいようだが、考え方は至ってシンプルだ。日本株で行っている個別株主体でリターンを狙うスタイルを、フィリピン株投資用にアレンジしたのだ。

細かな分析ができず、日本株に比べて流動性リスクが高くなってしまうフィリピン株では、指数や指数を構成する大型銘柄に絞ることで、個別株投資のスタイルを体現させているのだ。

なおフィリピン株の投資では、ベトナム株投資でも活用しているアイザワ証券を通じて行っている。以上が、9945さんのフィリピン株投資の概略だ。

では、米国の金融引き締め政策で新興株には一般的に向かい風になる環境の中で、9945さんはなぜフィリピン株に肩入れしようしているのか。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ フィリピンに訪れる転機に期待

 

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