話題株ピックアップ【夕刊】(3):UT、INC、アプリックス
■WTニッケル <1694> 4,782円 -1,370 円 (-22.3%) ストップ高 本日終値
WisdomTree ニッケル上場投資信託<1694>はストップ高の4782円まで買われたが、前日終値(6152円)と比べると22.3%の下落となっている。ウクライナ情勢緊迫化を背景に原油や金、非鉄金属など商品市況が高騰するなか、ニッケル価格に連動した商品系ETFである同銘柄の値動きがここ投資家の耳目を集めている。きょうはストップ高でありながら前日比で大幅安となっているが、これは東京証券取引所が同銘柄のきょうの基準値段を4082円に変更したことによるもの。この日に取得した海外の金融商品取引所における直近の値段を円換算した値が、8日に設定した基準値段と大幅に乖離したためという。通常、基準値段は前日終値をもとに設定される。これとあわせて東証は、同銘柄へのきょうの成り行き注文を禁止するとした。
■UTグループ <2146> 2,547円 -252 円 (-9.0%) 本日終値 東証1部 下落率6位
UTグループ<2146>が急落し昨年来安値を更新。8日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1600億円から1565億円(前期比35.9%増)へ、営業利益を60億円から57億円(同20.4%減)へ、純利益を34億円から24億円(同44.2%減)へ下方修正したことが嫌気された。主力のマニュファクチャリング事業の自動車関連分野で、21年夏場以降に発生した大手自動車メーカーにおける部材不足などによる一部生産調整の影響が継続していることが要因。また、組織再編関連費用の計上なども最終利益を圧迫するとしている。同時に、未定としていた期末一括配当予想を17円84銭にすると発表した。前期実績に対しては48円16銭の減配となる予定だ。
■エクサウィザーズ <4259> 671円 -22 円 (-3.2%) 本日終値
エクサウィザーズ<4259>は買い先行もマイナス圏へ失速する展開。同社はきょう寄り付き前に、マルチモーダルなロボットAIソリューション「exaBase ロボティクス」によって重機操業における作業状況を可視化し、熟練作業の効率的な技能伝承を図るデータ解析基盤を構築したと発表した。これを材料に寄り付きは買いが先行したものの、伸び悩んでいる。「exaBase ロボティクス」はAIプラットフォーム「exaBase」のロボット向けAIとして、対象物の画像データ、現場機器・ロボット制御データやシミュレータ生成データなどを活用し、工程の自動化・最適化を可能にするロボットAIソリューション。日本製鉄<5401>の東日本製鉄所君津地区において、2月から同解析基盤の検証を開始しており、この取り組みをはじめ、各業界において熟練技能の見える化・効率化を支援していくとした。
■日本郵船 <9101> 11,020円 -200 円 (-1.8%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運大手が揃って軟調な動き。いずれも2月下旬を境に上値指向が鮮明となり、全体下げ相場に逆行して株価を切り上げてきたが、前日は利益確定の売りに晒され大きく値を下げていた。PERなどの株価指標面から割安感が際立っており、配当利回りも郵船が依然として10%を上回るなど非常に高く、3月期末を控え下値では駆け込みによる配当取り狙いの押し目買いも入りやすい。足もとは急騰の反動で手仕舞い売りもでており、強弱観が対立している。
■栄研化学 <4549> 1,702円 -1 円 (-0.1%) 本日終値
栄研化学<4549>は底堅い。同社は8日取引終了後、移動式免疫蛍光分析装置「Exdia TRF プラス」と、専用試薬であるSARSコロナウイルス抗原キット「Exdia EK テスト COVID-19Ag」を10日に発売すると発表した。新製品は蛍光物質ユーロピウムを使用した時間分解蛍光免疫測定法(TRF法)を原理とし、従来のイムノクロマト法に比べて高感度に、標的とする抗原の検出が可能な装置及び専用試薬。今後、感染症項目を中心に「Exdia TRF プラス」に対応した「Exdia EK テスト」シリーズ製品を上市していく予定とした。
■INCLUSIVE <7078> 1,330円 +300 円 (+29.1%) ストップ高 本日終値
INCLUSIVE<7078>が後場急伸。正午ごろ、宇宙関連事業の開発を目的としてINCLUSIVE SPACE CONSULTING(以下ISC)を設立すると発表したことが好材料視された。ISCは人工衛星から得られるデータを活用した事業コンサルティングとソリューション開発を主軸に、人工衛星の事業への利活用を総合的にサポートすることを目的に設立。社外取締役として、民間ロケット開発を行うインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)の代表である稲川貴大氏が参画し、企業や自治体に対する衛星打ち上げ・運用支援のサービスも展開していく予定で、24年ごろのサービス化を目指して北海道大樹町などでPoC(概念実証)を開始。また、ISTが開発中の超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の打ち上げ成功後には、企業や自治体による独自衛星の打ち上げと運用を支援するソリューションを展開するとしている。
■アプリックス <3727> 136円 +19 円 (+16.2%) 本日終値
アプリックス<3727>が急反発。同社は8日、子会社スマートモバイルコミュニケーションズが、通信機能付AIドライブレコーダー「AORINO Biz」(アオリノ ビズ)の販売を開始したと発表しており、これが好感された。同製品は、前方を撮影可能な「フロントカメラ単体」、前方と後方を撮影可能な「フロントカメラ+リアカメラセット」、前方と運転席を撮影可能な「フロンカメラ+ドライバーモニタリングカメラセット」の3種類があり、一般的なドライブレコーダーと異なり、サブスクリプション型のサービスであることが特徴。ドライブレコーダーの走行履歴一覧や現在位置マップデータなどの複数データの管理が可能な管理者ページや、22年10月から自動車を業務に使用している事業者に対してアルコール検知器の設置が義務付けられることを受けて、新たにアルコールチェック機能(オプション販売)などを搭載している。
■北日本紡績 <3409> 140円 +9 円 (+6.9%) 本日終値
北日本紡績<3409>が急動意、株価100円台という超低位株の特性を存分に発揮して個人投資家など短期資金を呼び込んでいる。同社は合繊紡績を主力とし、帝人<3401>との取引が売り上げの大半を占めている。8日取引終了後、抗菌・抗ウイルス糸の新製品を4月に市場投入することを発表した。布にする前の糸に抗菌・抗ウイルスを有する薬剤を固着させるのが特徴で、タオルや肌着類などをはじめ幅広い分野で需要獲得が見込める。また同社は、同技術の知的財産化を国内のみならず、海外も視野に入れて検討中としており、今後の展開が注目される状況にある。
■ブロードバンドタワー <3776> 165円 +9 円 (+5.8%) 本日終値
ブロードバンドタワー<3776>は大幅反発。同社は8日取引終了後、22年12月期連結業績予想について、売上高144億円(前期比7.3%減)を据え置く一方で、経常損益を3億円の赤字から4億8000万円の黒字(同19.1%増)へ、純利益を1億円から3億円(前期は300万円の赤字)へ上方修正すると発表した。保有する投資有価証券のうち、一部の銘柄(純投資目的の投資株式)の売却により、営業外収益として投資有価証券売却益8億5800万円を第1四半期に計上する。なお、投資有価証券売却に伴う租税公課の増加による販管費の増加、また、純投資目的の投資株式であることから、営業外収益として計上するとした。
■日本情報クリエイト <4054> 838円 +34 円 (+4.2%) 本日終値
日本情報クリエイト<4054>は続伸。同社はきょう午前11時に、クラウドで提供する「電子入居申込サービス」のデータを活用した家賃保証サービスの申し込みに関し、大阪宅建サポートセンター(大阪市中央区)と提携を開始したと発表した。これにより、家賃保証サービスを利用する入居希望者、仲介会社、管理会社はスムーズな保証審査ができるようになるとした。
●ストップ高銘柄
INCLUSIVE <7078> 1,330円 +300 円 (+29.1%) ストップ高
以上、1銘柄
●ストップ安銘柄
デルタフライ <4598> 1,172円 -400 円 (-25.5%) ストップ安 本日終値
GRCS <9250> 3,770円 -700 円 (-15.7%) ストップ安 本日終値
以上、2銘柄
株探ニュース