話題株ピックアップ【夕刊】(1):スノーピーク、富士通、大平金

注目
2022年3月9日 15時13分

■スノーピーク <7816>  2,789円  +230 円 (+9.0%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

スノーピーク<7816>が大幅高で続伸。一時10%を超える上昇で2826円まで駆け上がる場面があった。高級テントなどのキャンプ用品をはじめアウトドア関連製品の開発製造及び販売を手掛けている。販売は卸主体に展開するが、小売部門も育成中で今後の収益拡大に貢献しそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大で“3密”を回避するアウトドアのレジャー関連として株価を動意させたが、2月16日に3120円の戻り高値をつけてからは、株価の値動きが上下に荒くなった。業績は絶好調に推移しているが、PERやPBRなど指標面で割高感が意識され、外資系証券経由の貸株調達による空売りが高水準に積み上がっていた。直近は下げ一服となった全体の地合いを受け、買い戻しを絡め株価に浮揚力が働いている。

■富士通 <6702>  16,000円  +840 円 (+5.5%)  本日終値

富士通<6702>が急反発。8日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を2750億円から2100億円(前期比21.1%減)へ、純利益を2050億円から1600億円(同21.1%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想とした。売上高は3兆6300億円(同1.1%増)の従来見通しを据え置いたものの、グループ外へのキャリア転進を希望する従業員に対し、一定の支援を実施するセルフ・プロデュース支援制度を期間限定で拡充する予定で、これに伴い営業費用650億円を積み増すことが要因という。会社側によると、2月28日までに3031人の応募があり、これに伴いワンショットの費用650億円が発生する見込みとしているが、これに伴い来期収益が上向くとの見方が強まっており、これを材料視した買いが入ったようだ。

■大平洋金属 <5541>  3,755円  +165 円 (+4.6%)  本日終値

大平洋金属<5541>は大幅高。2月に入ってから急速に株価水準を切り上げているが、前日は急反落し目先強弱観が対立している。原油市況にとどまらず商品市況高が加速する状況にあるが、そのなかニッケル価格の高騰が際立つ状況にある。実需筋の売り手仕舞いによる影響も反映され、LMEニッケル先物価格は日本時間8日に一時前日終値比で2倍以上の暴騰をみせ、1トン当たり10万ドルを超えた。異常な状態といってよく、これを受けLMEはニッケル取引を即日停止した。ロシアのウクライナ侵攻が激しさを増すなか、供給不安がニッケル価格を押し上げている。フェロニッケル製錬で世界屈指の同社は、ニッケル価格と業績の連動性が高く、足もとのニッケル価格暴騰が株価を刺激する格好となっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  4,636円  +162 円 (+3.6%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が5日ぶりに反発。全体相場が先物を絡め急落するなかで、裁定解消売りを浴びながら下値模索の動きを続けていたが、目先は値ごろ感からの買いが優勢となった。前日の米国株市場では主要株価指数がいずれも安く引けたが、途中は上昇する場面もあり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は大引けも下げは0.2%台の下げにとどまった。ナスダック市場の動向と株価連動性の高い同社株も売り一服となっている。市場では「ここ最近の(同社株の)下落局面で、個人投資家の信用買いが再び活発化している」(国内ネット証券大手)と指摘しており、逆張り狙いの個人マネーが増勢にあることを示唆している。拠りどころとなっているのは、昨年11月に同社が発表した最大1兆円枠の自社株買いで、過去の経緯から株価4000円台は防戦買いの思惑が高まり、押し目買いを誘導しているもようだ。

■エアトリ <6191>  2,837円  +91 円 (+3.3%)  本日終値

エアトリ<6191>は大幅続伸。8日の取引終了後、総合旅行プラットフォーム「エアトリ国内ホテル」が、カカクコム<2371>の旅行のクチコミと比較サイト「フォートラベル」との連携を開始したと発表しており、これが好材料視された。「エアトリ」はすでに「フォートラベル」へ国内・海外航空券、海外ホテルで連携し、多数の商品を掲載しているが、今回「エアトリ国内ホテル」でも連携を開始した。「フォートラベル」に、「エアトリ国内ホテル」の取り扱っている2万件以上の豊富なプランを掲載することで、更なる販路の拡大やブランド認知の向上が期待されている。なお、同件による22年9月期業績への影響は軽微としている。

■コマツ <6301>  2,623円  +77.5 円 (+3.0%)  本日終値

コマツ<6301>や日立建機<6305>が高い。ロシアからの供給不安もあり、ニッケル価格が一時1トン=10万ドル台に急騰し、ロンドン金属取引所(LME)は8日に取引停止を発表するなど、銅や亜鉛などを含め非鉄価格が上昇基調を強めている。このなか、世界での鉱山開発が活発化するとの見方が強まり、鉱山機械を手掛けるコマツなど大手建設機械株に買いが流入している。

■SPDR <1326>  22,155円  +640 円 (+3.0%)  本日終値

金ETFは連日高に沸いている。SPDRゴールド・シェア<1326>は6日続伸で昨年来高値を更新。NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信<1328>や純金上場信託(現物国内保管型)<1540>も4日続伸となった。8日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は前日比47.4ドル高の1トロイオンス=2043.3ドルに上昇。一時2078.8ドルと20年8月以来の高値に買われた。バイデン米大統領は同日、ロシア産の原油の輸入を全面的に禁止すると発表。足もとで原油価格が上昇するなか、インフレに強い資産として金を見直す動きが強まっている。

■三菱UFJ <8306>  674.8円  +18.1 円 (+2.8%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が大幅な上昇をみせたほか、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>なども揃って上値指向となっている。商品市況の高騰を背景に世界的なインフレ警戒感が強まっている。前日の米10年債利回りは終値ベースで続伸し1.84%台まで水準を切り上げてきた。また、国内金利も上昇傾向を見せ始めており、新発10年物国債の利回りが前日比0.015%上昇して0.170%に上昇、メガバンクにとっては運用利ザヤの拡大期待から買いが入りやすくなっている。また、配当利回りが高く3月期末を控え、インカムゲイン狙いの買いも誘導している。

■キヤノンMJ <8060>  2,258円  +57 円 (+2.6%)  本日終値

キヤノンマーケティングジャパン<8060>が3日ぶりに反発。同社は8日、中小オフィス向けデジタルトランスフォーメーション(DX)支援サービス「HOMEセレクトシリーズ」に「クラウド録画サービス」をラインアップとして加え、3月中旬から提供すると発表しており、これが好感された。同サービスでは、コンセントにさすだけで防犯カメラの利用が可能な据え置き型の「クラウド録画サービス かんたんパック」と、LTE回線を通じ映像と音声で現場と拠点をつなぎ、遠隔から作業支援が可能な携行型の「クラウド録画サービス ウエアラブルカメラモデル」の2サービスを提供。現場での工事レス・有線回線レス・録画装置レスを実現し、簡単かつ手軽に導入が可能で、更に契約から利用開始後の運用サポートまでを包括することで、映像データ活用による中小企業の安心安全を支援するとしている。

■シノケングループ <8909>  945円  +21 円 (+2.3%)  本日終値

シノケングループ<8909>が6日ぶりに反発。8日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を40万株(発行済み株数の1.18%)、または3億5000万円としており、取得期間は3月9日から4月28日まで。資本効率の向上及び経営環境に応じた機動的な資本政策を可能とすることが目的という。

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