話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、富士フイルム、住友化
■三菱UFJ <8306> 723.7円 +19.8 円 (+2.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は4連騰で一時4%近い上昇で730円台まで上値を伸ばしたほか、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクは揃って上昇している。今週15~16日にFOMCを控え、FRBの金融政策スタンスに注目が集まっているが、インフレが高進するなか金利引き締め政策が前倒し的に行われるとの思惑が根強い。そうしたなか、米長期金利は前週末にかけて5日連続で水準を切り上げており、週末終値ベースで1.996%と再び2%台が目前となっている。国内金利もこの流れに追随する気配をみせており、メガバンクにとっては運用環境の改善期待が株価にポジティブに働いている。
■富士フイルム <4901> 6,847円 +139 円 (+2.1%) 本日終値
富士フイルムホールディングス<4901>が反発。11日の取引終了後、子会社富士フイルム富山化学が新型コロナウイルス治療薬への転用を目指している抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」について、国内第3相臨床試験の被験者の新たな組み入れを3月末に終了すると発表しており、これに伴う費用負担軽減の思惑から買われたようだ。従来株と比べて重症化率が低いオミクロン株が流行し、最近同治験に組み入れられた患者のほとんどがオミクロン株感染者であると推定されるなか、アビガンの重症化抑制効果の検証が困難になることが要因。なお、これまで組み入れた患者の治験データについては、治験プロトコルに従った解析を進めるとしている。
■住友化学 <4005> 526円 +10 円 (+1.9%) 本日終値
住友化学<4005>が反発。同社は11日、硝酸アンモニウム値上げに関して需要家との交渉に入ることにしたと発表した。主要原料であるアンモニアの価格が大幅に上昇し、今後も高止まりが続くことが予想されることに加えて、製造設備の高経年化に伴う維持・補修費用などが引き続き増加していることが要因。値上げは1キログラム30円で、4月1日出荷分から実施する予定としており、値上げによる採算改善が期待されている。
■コニカミノルタ <4902> 487円 +9 円 (+1.9%) 本日終値
コニカミノルタ<4902>が堅調な動き。同社は11日、無線動画撮影機能を備えた回診用X線撮影装置「AeroDR TX m01(エアロディーアール・ティーエックス・エムゼロワン)」を発売したと発表しており、これが好材料視されたようだ。新製品は、ICU(集中治療室)、病棟、手術室などのベッドサイドでX線動画の撮影を行うことができる回診用X線撮影装置。患者をX線撮影室まで移動させなくても利用できるほか、従来の静止画に加えて動画撮影を可能にしたのが特徴という。なお、当初は国内で販売し、海外へは順次展開するとしている。
■トプコン <7732> 1,291円 +19 円 (+1.5%) 本日終値
トプコン<7732>が反発。午前10時ごろ、22年3月期の期末配当予想を10円から15円へ引き上げたことが好感された。年間配当予想は25円(従来予想20円)となり、前期実績に対しては15円の増配となる予定だ。
■ミルボン <4919> 5,100円 -730 円 (-12.5%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
ミルボン<4919>が大幅続落、昨年来安値を更新した。同社は11日取引終了後、株式売り出しを発表しており、需給悪化を警戒する売りが膨らんでいる。三井住友信託銀行が93万4400株の株式を売り出す。売出価格は22日から24日のいずれかの日に決定する。
■ラクスル <4384> 2,469円 -236 円 (-8.7%) 本日終値 東証1部 下落率2位
ラクスル<4384>は続落。前週末11日の取引終了後、22年7月期上期(21年8月~22年1月)の非連結決算を発表。営業損益が前年同期の黒字から4100万円の赤字に転落しており、これが嫌気されたようだ。広告宣伝投資など販管費の増加が重しとなった。ただ、主力のネット印刷サービス「ラクスル」を中心に引き続き新規顧客の獲得は好調で、売上高は前年同期比25.1%増の150億4100万円で着地している。なお、同社は第3四半期から連結決算に移行する予定で、通期の連結見通しについて売上高356億~366億円(前期255億2300万円)、営業利益3億3000万~3億8000万円(同2億2000万円)としている。
■サンバイオ <4592> 1,395円 -131 円 (-8.6%) 本日終値
サンバイオ<4592>が安い。前週末11日の取引終了後に22年1月期決算を発表し、営業損益は66億2000万円の赤字で着地。続く23年1月期も58億5800万円の赤字と引き続き営業赤字が継続する見通しを示しており、これを嫌気した売りが出たようだ。SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの製造販売承認に関連する費用をはじめ、国内での市販後に向けた製造・流通・販売体制構築に向けた費用が重しとなる。同社は7日に同プログラムの製造販売承認申請を厚生労働省に行っており、承認取得後を見越して取り組みを進めていく方針だ。
■フレンドリー <8209> 400円 +80 円 (+25.0%) ストップ高 本日終値
フレンドリー<8209>がストップ高。同社は近畿圏を地盤に低価格のうどん店を展開するが、新型コロナの影響で業績は低迷を余儀なくされている。ただ、21年4~12月期営業損益は2億1100万円の赤字(前年同期は5億6600万円の赤字)と損失幅は減少している。そうしたなか、前週末11日取引終了後、株主優待制度の再開を発表した。毎年3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて2000~1万5000円分の優待券を贈呈する。また、優待券は親会社で福証上場のファミレスであるジョイフル<9942>が運営する店舗(フランチャイズ店を除く)でも利用可能となった。期末が接近していることもあり、これを材料視する買いが集中した。
■ダイヤHD <6699> 1,012円 +150 円 (+17.4%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス<6699>がストップ高。同社はきょう、グループ中核のダイヤゼブラ電機が東京電力ホールディングス<9501>と共同で「多機能パワコンシステム」を開発したと発表。これを材料視した買いが急速に膨らんだ。このシステムは、家庭における太陽光発電と電気自動車(EV)、蓄電池の3つの電源を制御するパワーコンディショナー。非常時でも継続的に家庭内へ電力供給できるほか、人工知能(AI)を用いた充放電の自動制御により電気料金を最小化することができるという。
株探ニュース