話題株ピックアップ【夕刊】(1):三井ハイテク、東電HD、JTOWER
■三井ハイテック <6966> 10,000円 +1,500 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
三井ハイテック<6966>が異彩人気で連日のストップ高。14日取引終了後に発表した22年1月期決算は、営業利益が前の期比4倍の149億5900万円と大幅な伸びを達成した。また、23年1月期営業利益についても前期比36%増の204億円を予想している。これについて市場では「前期の決算はともかく、今期予想が想定をはるかに超えていた。更に中期計画で、25年1月期のトップラインを2300億円に設定しており、これは22年1月期実績に対して65%増という変化率。この強気の計画が評価されたようだ」(中堅証券ストラテジスト)としている。
■サン電子 <6736> 1,866円 +160 円 (+9.4%) 本日終値
サン電子<6736>は急伸。遊戯機の制御基板を主力としていたが低迷を余儀なくされ、最近ではモバイルデータソリューション分野に経営の重心を移し業績立て直しを図っている。15日取引終了後、これまで非開示だった22年3月期の業績予想を発表、営業利益は前期比2.0~2.2倍となる14~15億円を見込み、未定だった配当は前期実績に対し30円増配となる40円を計画、これがポジティブサプライズとなり、買いを呼び込んだ。株価は昨年11月中旬を境に一貫して下値模索の動きを強いられていたが、好業績見通しと大幅増配発表を受け底値買い機運が急速に高まった。
■東電HD <9501> 362円 +28 円 (+8.4%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
東京電力ホールディングス<9501>、中部電力<9502>、関西電力<9503>など電力株が軒並み高。足もとで原油価格は急速に水準を切り下げており、電力各社の火力発電コスト上昇に対する懸念がやや和らいでいる。一方、WTI原油先物価格は依然として1バレル=96ドル台と高く、LNGや石炭価格などの値上がりも顕著であり、国家としてエネルギー高騰の対策を早急に考える必要性に迫られている。原発再稼働への思惑が高まるなか、前日には自民党の「電力安定供給推進議連」が松野博一官房長官に停止中の原発について緊急的に稼働させることを求める決議を提出したことが伝わっている。原発再稼働の思惑は電力株にとってプラス材料となりやすい。
■JTOWER <4485> 3,610円 +245 円 (+7.3%) 本日終値
JTOWER<4485>は大幅に3日続伸。同社は15日取引終了後、22年3月期の連結純利益予想を2億8000万円から5億2000万円(前期比2.8%増)へ上方修正すると発表した。持ち分法適用関連会社であるナビックをMOST投資事業有限責任組合(千葉県木更津市)に譲渡し、関係会社株式売却益として約2億4000万円を特別利益に計上する見込みであるため。ナビックは、Wi-Fiを活用した無線ブロードバンドアウトソーシングサービスを展開している。JTOWERでは、経営資源をIBS事業及びタワー事業に集中的に配分するため、株式売却を決めたとしている。
■パーク24 <4666> 1,930円 +116 円 (+6.4%) 本日終値
パーク24<4666>は大幅に3日続伸。同社は15日取引終了後、22年10月期第1四半期(11~1月)連結営業利益は46億5100万円(前年同期は27億5800万円の赤字)だったと発表した。上期計画50億円(前年同期は65億1500万円の赤字)に対する進捗率は93.0%、通期計画135億円(前期は80億3900万円の赤字)に対しては34.5%で、高い進捗率も好感されているもよう。セグメント別では、駐車場事業国内の営業利益は82億9100万円(前年同期比2.1倍)、駐車場事業海外は10億1000万円の営業損失(前年同期は33億7200万円の営業損失)、モビリティ事業の営業利益は4億7800万円(同2億円の営業損失)となった。
■日本航空 <9201> 2,235円 +110 円 (+5.2%) 本日終値
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>がいずれも上値追い基調を継続、両銘柄ともにきょうで6連騰と戻り足の強さを浮き彫りとしている。新型コロナウイルスの感染者数の拡大に歯止めがかかるなか、「まん延防止等重点措置」は大阪を除く17都道府県で来週21日の期限で解除する方向となっており、空運セクターはその恩恵を受ける業種として改めて物色対象となっている。また、岸田首相は「GoToトラベル」の再開に意欲を示していることも報じられており、これに伴う国内線の旅客需要回復への期待も株高を後押ししている。「空運」は業種別値上がり率で33業種中、断トツとなっている。
■モーニングスター <4765> 630円 +27 円 (+4.5%) 本日終値
モーニングスター<4765>は後場に入り上げ幅を広げ5日続伸。きょう正午ごろ、これまで未定としていた22年3月期業績予想を発表。売上高が81億円(前期比8.2%増)、営業利益が20億円(同13.3%増)と、売上高、営業利益ともに連続で過去最高を更新する見通し。あわせて期末配当を9円とし、年17円(前期16円)の配当を実施する方針も示しており、これらを好感した買いが入ったようだ。投資信託の運用残高の大幅な拡大に伴い、信託報酬が増加したことが業績を押し上げる。また、金融機関向けデータ売り上げをはじめ、セミナーやウェブ広告に関する売り上げも寄与する見込み。
■アルファポリス <9467> 3,270円 +130 円 (+4.1%) 本日終値
アルファポリス<9467>が反発。岩井コスモ証券は15日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は3800円とした。同社は自社サイト「アルファポリス」に投稿された小説や漫画のなかで人気を獲得している作品を選定・編集し出版することで順調に成長。また、コロナ禍で余暇を創作活動に費やす人も増え、電子書籍も拡大している。22年3月期の単独営業利益は会社予想24億円に対し24億5000万円(前期比13.3%増)を予想。「月が導く異世界道中」のアニメ化が成功し、原作小説・漫画の販売が大きく伸びており、新たな映像化も期待されている。同証券では、23年3月期の同利益は30億7000万円への連続増益を見込んでいる。
■テクノプロH <6028> 3,245円 +125 円 (+4.0%) 本日終値
テクノプロ・ホールディングス<6028>は大幅続伸。同社はきょう正午に、子会社のテクノプロが、世界で最も包括的で広く採用されているクラウドプラットフォームである「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」から「人材サービス型AWSパートナー」に認定されたことを受け、今後3年間のAWS関連資格保有目標を延べ3000資格に引き上げ、人材育成を加速する計画を策定したと発表した。同社はこれまでも、AWSの技術に精通したエンジニアの育成・増員を推進してきた。急速に高まりを見せているDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けたクラウドサービス関連の需要に対応するため、AWSとの連携を強化し、AWSの多岐にわたる高度なサービスを提供する体制を拡充していく方針を決定したとしている。
■オリエンタルランド <4661> 23,315円 +840 円 (+3.7%) 本日終値
オリエンタルランド<4661>が3連騰で2万3000円大台に乗せた。2月17日につけた2万2885円を上回り、約1カ月ぶりに上場来高値を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかるなか、政府は「まん延防止等重点措置」について東京都を含めた17都道府県で来週21日の期限で解除する方針を固めたことが伝わっている。東京ディズニーランド、東京ディズニーシーなど国内最大のテーマバークと、イクスピアリなど商業施設やホテル経営も行っている同社にとって、収益環境が大幅に改善することを好感する買いを呼び込んでいる。東証信用残は売り長で信用倍率は0.3倍台となっているほか、貸株調達による空売りの買い戻しなども株式需給面から株高を後押ししているとみられる。
株探ニュース