今週の【早わかり株式市況】1660円高と5週ぶり急反発、米株高・原油価格反落で買い戻し急

市況
2022年3月19日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は5週ぶりに急反発、週間の上げ幅は1660円を超える

2.ウクライナ情勢は不透明な中、原油価格下落でインフレ懸念後退

3.まん延防止等重点措置が来週解除の見込みで、内需株の追い風材料に

4.FOMC通過後の米株大幅高を受け安心感、空売りの買い戻しが加速

5.3月期末を目前に、駆け込み配当取り狙いの買いも全体相場を後押し

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1664円(6.62%)高の2万6827円と5週ぶりに急反発した。

今週はロシアとウクライナ情勢は依然として不透明ながら、行き過ぎた地政学リスクへの懸念が和らいだことから投資家心理が改善した。また米株高に加えて、原油価格上昇が一服したことから過度なインフレ警戒感が後退、空売りの買い戻しを加速させた。

14日(月)はウクライナ情勢が引き続き不透明ながら、先物主導で買い優勢の地合いとなった。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことも輸出株にはプラス材料に。15日(火)は日経平均が小幅ながら続伸。原油価格の下落や円安進行が追い風となったほか、米長期金利上昇を背景に金融株が買われ、全体相場を牽引した。一方、香港株の急落などアジア株安が買い手控えムードにつながり上値は重かった。16日(水)は前日の米株高を受け広範囲にリスクを取る動きが優勢となった。原油価格の下落でインフレ懸念が後退、まん延防止等重点措置が来週21日の期限をもって17都道府県で解除される方向となったことを受け、内需株の押し上げ要因となり、400円超の大幅高に。17日(木)は、前日の米国株市場でFOMC通過後に主要株価指数が大きく上昇したことで、東京市場もこれに追随した。ロシアとウクライナの間で停戦交渉が進んでいるとの思惑も空売り筋の買い戻しを誘う形となり、日経平均は一時900円を超える上昇で2万6000円台後半まで一気に浮上する場面があった。業種別では東証1部33業種すべてが高く、個別株も全体の86%の銘柄が上昇した。そして18日(金)も上値指向が続き、結局今週は5営業日すべて上昇し底入れを鮮明としている。この日は3連休前の週末だったが、3月期末を目前に控え、駆け込みで配当取り狙いの買いが流入した。引け際にやや伸び悩んだが2万6800円台で着地、3月1日以来の高値をつけた。

■来週のポイント

今週の急反発で底入れした可能性が高く、来週はスピード調整を交えながら上値を追う展開が期待できそうだ。ただ、ウクライナ情勢がさらに緊迫すれば反落する場面も想定される。

重要イベントとしては、国内では23日に発表される1月景気動向指数[改定値]が注目される。海外では23日発表の米国2月新築住宅販売件数や24日発表の米国10-12月期経常収支、24日に開催されるバイデン米大統領が出席するNATO緊急首脳会議に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月14日~3月18日)

【↑】   3月14日(月)―― 反発、円安進行で輸出株を中心に買い優勢

日経平均 25307.85( +145.07)  売買高11億8702万株 売買代金 2兆6680億円

【↑】   3月15日(火)―― 小幅続伸、朝安も円安などを追い風に主力株が買われる

日経平均 25346.48(  +38.63)  売買高12億2208万株 売買代金 2兆7976億円

【↑】   3月16日(水)―― 3日続伸、原油価格急落を受けリスク選好の買い優勢

日経平均 25762.01( +415.53)  売買高13億3986万株 売買代金 3兆1947億円

【↑】   3月17日(木)―― 4連騰、FOMC通過の米株高でリスクオンの買い一色

日経平均 26652.89( +890.88)  売買高14億7419万株 売買代金 3兆5544億円

【↑】   3月18日(金)―― 5日続伸、ハイテク株や配当取り狙いの買いが流入

日経平均 26827.43( +174.54)  売買高18億0772万株 売買代金 4兆1427億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、31業種が上昇

(2)JAL <9201> など空運が値上がり率トップ

(3)東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行、大和 <8601> など証券といった金融株が大きく買われた

(4)東エレク <8035> など電機、日産自 <7201> など自動車、ダイキン <6367> など機械といった輸出株も大幅反発

(5)リクルート <6098> などサービス、三井不 <8801> など不動産、KDDI <9433> など情報・通信といった内需株も上昇

(6)信越化 <4063> など化学、神戸鋼 <5406> など鉄鋼、東邦鉛 <5707> など非鉄といった素材株も堅調

(7)INPEX <1605> など鉱業、出光興産 <5019> など石油は下落

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(1) サイバーセキュリティ

2(4) 再生可能エネルギー

3(103) 円安メリット ── 5年2ヵ月ぶり水準で輸出株など追い風

4(6) メタバース

5(3) 防衛

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.