ジェイテック Research Memo(6):最優先目標は2023年3月期に向けた確実な成長準備
■ジェイテック<2479>の業績見通し
1. 2022年3月期業績の見通し
2021年10月29日付で2022年3月期の通期業績予想を修正している。それぞれ売上高は従来の3,435百万円から2,977百万円、営業損益は10百万円の営業利益から169百万円の営業損失、経常利益は28百万円から46百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6百万円から19百万円としている。
当初は新卒テクノロジストを教育し早期派遣(2021年9月末までに全員稼働開始)をしていく前提だったが、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の影響等が色濃く、想定以上に営業活動が制限されたことで、2021年12月末まで後ろ倒しとなったことが売上高及び営業利益見通しの引き下げの主な背景である。一方で、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金等の支給によって営業外収益が発生したため、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は従来予想を上回る見通しだ。
なお、販管費に関しては、稼働開始が遅れているテクノロジストに対し新たな資格取得の支援など、稼働開始や需要拡大に備えた技術力及び人間力のさらなる養成を進めているようだ。そのため、販管費で多少調整をかけるような動きはないと弊社では見ているが、第3四半期実績で見られたように全社的な効率化への取り組みについては、かなり強い意識を持って取り組んでいるもようであり、利益面では若干上振れする可能性もありそうだ。いずれにせよ当初から2022年3月期までは今後の成長に向けた設備投資フェーズという位置づけであるため、弊社では、2022年3月期の着地の多少の前後よりも、むしろ2023年3月期からの成長に向けた準備が適切になされるか否かといった点に注目したい。
2. 株主還元策
2017年3月期は創立20周年、上場10周年を記念し1株当たり配当額は年2円で、2018年3月期が年1円、2019年3月期が年2円、2020年3月期が年1円、2021年3月期は年1円という配当実績の推移となっている。2022年3月期の株主配当に関しては、安定配当を基本とする方針に変更はなく、1株当たり1円を予定している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《ST》