話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、日本製鉄、パレモ・HD

注目
2022年3月30日 15時17分

■明和産業 <8103>  947円  -208 円 (-18.0%)  本日終値  東証1部 下落率トップ

明和産業<8103>が急落。同社は三菱商事系の中堅商社で、化学品・樹脂を主力とする。22年3月期の配当予想は118円(中間47円・期末71円)を見込み、前日29日終値時点での配当利回りは10.2%に達していた。きょうは配当権利落ち日にあたることから処分売りの動きが急速に強まっているようで、期末の配当落ち分(71円)を大きく上回る下落となった。

■日本郵船 <9101>  10,160円  -950 円 (-8.6%)  本日終値  東証1部 下落率3位

日本郵船<9101>が一時1600円を上回る下落となったほか、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>なども株価水準を切り下げる展開。きょうは配当権利落ち日にあたるが、海運セクターは高配当利回りに着目したインカムゲイン狙いの買いが顕著だったこともあり、その反動が株価に反映されている。郵船は前日終値時点で配当利回りが10.8%と極めて高く、きょうはその分だけ通常よりも下げ幅が大きい。しかし、PERは1倍台と記録的な低水準にあり、下値では押し目を拾う動きも観測。株価は一時9500円まで下押したが、その後は下げ渋り、足もとでは9800~9900円のゾーンで売り買いを交錯させる状況にある。

■日本製鉄 <5401>  2,159円  -117.5 円 (-5.2%)  本日終値

日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など鉄鋼株の下げが目立つ。3月中旬から下旬にかけて配当権利取り狙いの買いが流入、株価水準を大きく切り上げてきたが、きょうは配当権利落ちとなり、その反動が出る形となった。日本製鉄とJFEはいずれも今期の年間配当が140円で前者の配当利回りは6%超、後者は8%超に達していた。もっとも、株価指標面では両銘柄ともPERが3倍台、PBR0.5~0.6倍と割安感が際立っており、押し目に買い向かう動きも観測される。

■科研製薬 <4521>  3,945円  -120 円 (-3.0%)  本日終値

科研製薬<4521>が4日ぶり反落。29日の取引終了後、22年3月期業績予想の下方修正を発表した。純利益を140億円から92億円(前期比31.4%減)に減額しており、これが嫌気されたようだ。売上高も792億円から760億円(同1.4%増)へ引き下げた。米コーバス・ファーマシューティカルズ<CRBP>から国内販売権を取得している全身性強皮症や皮膚筋炎の治療薬候補「レナバサム」について、コーバスによる臨床試験で主要評価項目が達成されなかったことなどを踏まえ、同治療薬候補に関する無形資産を減損損失として計上したことが響く。また、主力の医薬品のうち一部製品について、新型コロナウイルス感染症による受診抑制の影響が想定より長引いていることも要因となる。

■NEXT 原油ブル <2038>  1,392円  -41 円 (-2.9%)  本日終値

NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN<2038>やWTI原油価格連動型上場投信<1671>などに売り買いが錯綜。ここにきて原油市況の上昇に一服感が出ている。前日にWTI原油先物価格は終値ベースで1ドル72セント安の1バレル=104ドル24セントまで下落、一時は急落して100ドル台を割り込む場面もあった。これを受けて原油市況に連動する両銘柄ともに下落圧力が働いている。ただし、WTI原油については、きょう朝方に時間外で大きく買い戻されており、株式市場でも投資マネーの思惑が入り乱れている状況だ。

■三菱UFJ <8306>  775.8円  -20 円 (-2.5%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク各社は揃って売りに押される展開。各社とも配当利回りが高く、きょうは権利落ちに伴う下落圧力が働いている。また、米国債券市場で足もと長期債を買う動きが活発化、米10年債利回りは前日終値ベースで2.398%と3日ぶりに2.4%台を下回った。一方、国内の長期金利も日銀の指値オペが利いて新発10年物国債の利回りが0.230%まで低下した。日銀は金利上昇を抑える方針を前面に押し出しており、運用環境改善期待が後退したメガバンクにとってはマイナス材料となっている。

■日野自動車 <7205>  719円  -1 円 (-0.1%)  本日終値

日野自動車<7205>が5日続落。同社は29日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を修正。最終損益の見通しを従来の150億円の黒字から540億円の赤字(前期は74億8900万円の赤字)に引き下げたことが嫌気されたようだ。売上高予想は従来の1兆4600億円から1兆4200億円(会計基準変更のため前期との比較なし)に、経常利益予想は510億円から340億円に下方修正した。昨年9月にリコールを届け出た「大型トラックの2段過給コンロッド不具合」に関する追加発生費用約180億円を営業費用として計上するほか、エンジン認証不正行為に絡むリコール費用及び税制優遇追加納付費用として約400億円を特別損失として計上する見込み。また、北米市場向けエンジンの認証課題に起因して、顧客などへの補償費用が見込んでいた160億円から約280億円に膨らむことが主な要因だとしている。

■パレモ・HD <2778>  167円  +37 円 (+28.5%) 一時ストップ高   本日終値

パレモ・ホールディングス<2778>が急動意、低位株の強みで個人投資家など短期筋の資金を誘引、130円近辺のもみ合いをマドを開け大きく上放れてきた。同社はレディースアパレルと雑貨の専門店をチェーン展開するが、足もとの業績は新型コロナウイルスの感染拡大が逆風となっているものの、収益回復に向けて積極的な布石を打っている。29日取引終了後に発表した23年2月期の業績予想は、営業損益が3億5000万円の黒字(前期は7億900万円の赤字)と3期ぶりに黒字転換を見込んでいる。更に、今期を初年度とする前向きな中期経営計画を発表、数値目標としては25年2月期に売上高200億円(23年2月期計画は177億円)、営業利益9億円を目指すとしており、これが株価を強く刺激する格好となった。

■ニチリョク <7578>  130円  +18 円 (+16.1%)  本日終値

ニチリョク<7578>が急騰。この日の寄り前、25年3月期に売上高46億円(22年3月期予想30億円)、営業利益4億3000万円(同2億1600万円)を目標とする中期経営計画を発表しており、これが好感された。中計では、従来の定番の墓、葬式のサービスをメインとしたサービスから、シニアライフに関するあらゆるサービスをシニア世代に提供するという。そのために同業、異業種を問わず積極的に業務提携を展開するほか、新たにマーケティング本部を立ち上げ集客から成約までのプロセスを構築するとしている。

■マクビープラ <7095>  6,480円  +740 円 (+12.9%)  本日終値

Macbee Planet<7095>が大幅続伸。29日の取引終了後、Webサイトのコンバージョン数を増やすために設計された業務支援プラットフォーム「dejam」を開発したLeanGo(東京都品川区)と業務提携を開始したと発表しており、これが好感された。今回の提携は、人工知能(AI)などを活用してデジタル広告のクリエイティブを改善することが目的。マクビープラのホスピタリティツールの「Robee」を活用して表示されるデジタル広告のクリエイティブの修正内容やUXの改善結果実績データをAIなどで分析し、LeanGoの「dejam」の自動提案機能で実際の改善結果を基にした最適な改善案を提案するサービスを共同で開発するという。なお、同件による22年4月期業績への影響は軽微としている。

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