絶好調の22年12月期【最高益】銘柄リスト〔第1弾〕 <成長株特集>

特集
2022年4月7日 20時01分

本特集では、今月から始まる3月期企業の本決算発表を前に、先行指標として注目される12月期決算企業の22年12月期にスポットライトを当てた。下表は、22年12月期に経常利益が過去最高益を更新する見通しを示している企業をリストアップした。

株探集計によると、22年12月期の見通しを開示した東証上場430社のうち、経常利益ベースで増益または黒字転換を計画する企業は268社と全体の6割強だった。今回はこのうち、時価総額400億円以上の銘柄を対象に、22年12月期に経常利益が前期比5%以上増加し、かつ最高益更新を見込んでいる32社を選び出し、増益率が大きい順に記した。

増益率トップとなったのは、化学精密ポンプ大手の日機装 <6376> [東証P]。22年12月期の税引き前利益は前期比8.5倍の336億円と3期ぶりに最高益を大幅に更新する見通しだ。子会社のドイツ・LEWAとオランダ・Gevekeの全株式を売却することに伴い、売却益約320億円が発生することが利益を押し上げる。業績上振れに伴い、配当は前期比5円増の25円に増配する方針とした。

2位に入ったアウトソーシング <2427> [東証P]は、英国債権回収事業の回復やオランダOTTO社が展開するeコマース物流向け派遣の拡大が継続し、海外事業の収益が大きく伸びる。また、国内は製造業やIT関連のエンジニア需要が引き続き高水準で推移するほか、米軍施設向け事業も増勢が続く。

3位の日本エスコン <8892> [東証P]は主力の不動産販売事業でマンション引き渡し戸数が1200戸(前期は1020戸)に増えるほか、前期に買収したピカソグループの収益貢献で不動産賃貸事業も伸びる計画だ。同じく不動産会社である6位の東京建物 <8804> [東証P]はマンション販売の増加や運営する駐車場の稼働回復を見込む。また、海外事業における持ち分法による投資損益が好転することも利益を押し上げる。

4位にリスト入りしたBuySell Technologies <7685> [東証G]は、主力の出張訪問買取で人員補強を背景に出張訪問数が増えるなか、訪問あたり買取量の増加や個人向け販売比率の改善による利益拡大を見込む。また、買取店舗ではバイセルやオークションを展開するタイムレスの出店を強化する方針だ。

続く5位の日本ペイントホールディングス <4612> [東証P]は建築用塗料や自動車用塗料の販売が伸びることに加え、1月に買収した欧州塗料メーカー、クロモロジーの業績上積みも収益を押し上げる。原材料価格の上昇は重石となるものの、値上げや販管費の見直しなどで吸収する計画だ。

8位のGMOグローバルサイン・ホールディングス <3788> [東証P]、9位のINPEX <1605> [東証P]、11位のベース <4481> [東証P]は好調な業績見通しが評価され、株価は年初来高値圏を走る展開となっている。

GMO-GSは通信データの暗号化でウェブサイトのセキュリティを強化する「SSLサーバ証明書発行サービス」において、SSL有効期限短縮による単価下落の影響が解消し、電子認証・印鑑事業の収益が大きく伸びる。また、注力している「電子印鑑GMOサイン」については戦略的投資を継続し、導入企業数に次いで契約送信数でもトップを目指す構えだ。

INPEXは原油価格の上昇や生産量の増加を背景に、11期ぶりの最高益更新を狙う。原油価格は1バレル=75ドルの想定だが、足もとでは100ドル前後の推移となっており、一段の上振れも視野に入る。好調な業績を踏まえ、前期配当を増額修正し、今期も増配を計画するなど、株主還元に積極的であることも注目したい。

ベースの今期業績は経常利益36億円(前期比19.9%増)と5期連続の最高益更新を目指す。デジタルトランスフォーメーション(DX)やSAP関連需要の高まりを背景に、主要顧客である富士通 <6702> [東証P]、野村総合研究所 <4307> [東証P]、NTTデータ <9613> [東証P]からのシステム受託が好調に推移する見通しだ。

選出リストには、全体相場が反転した3月中旬ごろから見直し買いが進む企業が多くみられる。なかでもIT関連の健闘が目立つ。これまで取り上げた銘柄のほかに、メドレー <4480> [東証G]、電通国際情報サービス <4812> [東証P]、東計電算 <4746> [東証S]、CARTA HOLDINGS <3688> [東証P]などがある。製造業がコスト高などの逆風を受けるなか、内需系の最高益企業への注目は今後も続きそうだ。

┌─── 経常利益 ───┐   予想

コード 銘柄名    増益率 22年12月期 21年12月期  PER

<6376> 日機装      750    33600    3952  4.0

<2427> アウトソシン   147    29600    12003  8.5

<8892> 日エスコン   34.1    12200    9099  9.5

<7685> バイセル    32.5    3040    2295  30.0

<4612> 日本ペHD   30.7   113000    86467  32.0

<8804> 東建物     29.7    60000    46270  9.4

<7816> スノーピーク  29.4    5221    4035  36.2

<3788> GMO-GS  26.9    1521    1199  73.3

<1605> INPEX   25.3   824000   657627  8.0

<4480> メドレー    21.1     900     743  136

<4481> ベース     19.9    3602    3004  22.7

<6914> オプテクスG  18.9    6100    5130  13.5

<4053> サンアスタ   16.3    1830    1574  47.8

<4186> 東応化     15.9    25100    21664  16.4

<7944> ローランド   15.8    11700    10102  14.3

<6929> 日セラ     15.5    4550    3940  17.7

<6250> やまびこ    15.0    11400    9913  6.6

<4812> ISID    13.4    15000    13224  24.9

<4746> 東計電算    12.8    4744    4205  14.6

<2211> 不二家     11.2    5800    5218  18.1

<9757> 船井総研HD  11.0    7150    6439  22.8

<2491> Vコマース    9.5    8700    7947  20.1

<6361> 荏原       8.6    65500    60302  12.4

<6856> 堀場製      7.7    34500    32038  11.1

<6099> エラン      7.2    3020    2818  32.2

<7354> Dmミックス   6.9    4960    4642  22.7

<2124> ジェイエイシ   6.4    6185    5813  17.8

<7309> シマノ      6.0   161700   152562  20.8

<2587> サントリBF   5.9   124000   117052  19.5

<4848> フルキャスト   5.3    8030    7624  17.5

<3688> カルタHD    5.1    5900    5614  15.7

<6866> HIOKI    5.0    6300    5999  18.9

※経常利益の単位は百万円。2020年1月以降に上場した企業は除いた。

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