来週の株式相場に向けて=「物価高対策」で物色の裾野広がるか

市況
2022年4月22日 17時50分

今週の東京市場では、日経平均株価が3日続伸し2万7500円台まで値を上げる場面があった。しかし週末の22日に大幅安となり、結局2万7105円で取引を終えた。

来週は29日からゴールデンウイークに入るため、週後半に向け積極的な売買は手控えられる公算が大きい。特に、今年は5月2日と6日を休めば10連休となるなど日並びも良いだけに、投資家としては長期休暇を前にいったんポジションを閉じることも予想される。このため、日経平均株価は依然として2万7000円前後を中心とする一進一退が続きそうだ。

そんななか、日米ともに決算発表が本格化する。21日の日本電産<6594>で決算シーズンの幕は切って落とされたが、来週は26日のファナック<6954>や日東電工<6988>、27日のアドバンテスト<6857>、キーエンス<6861>、28日の村田製作所<6981>、商船三井<9104>など注目企業の決算が発表される。

海外でも、26日にマイクロソフト<MSFT>、アルファベットC<GOOG>、27日にメタ・プラットフォームズ<FB>(旧フェイスブック)、28日にアップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>と「GAFAM」が揃って決算発表する。これら日米有力企業の決算発表は市場を左右することになるだろう。

更に、政府による「物価高対策」が近く公表される見通しだ。ガソリン補助金などが注目されているが、自民党による「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に向けた提言では、「原子力を含めあらゆる電源の最大活用」や「国産米・米粉など需要拡大対策」などが打ち出されている。物価高対策の発表とともに、助川電気工業<7711>や日本製鋼所<5631>など原子力発電所関連株や、農業総合研究所<3541>やOATアグリオ<4979>など農業関連株が見直されることもあり得るだろう。 

27~28日に日銀金融政策決定会合が開催される。急激な円安が進むなか、その結果は高い関心を集めそうだ。28日には米1~3月期GDP速報値が発表される。4月IPOもラッシュで27日にモイ<5031>とストレージ王<2997>、28日にペットゴー<7140>とクリアル<2998>がいずれもグロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6600~2万7600円。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2022年04月22日 18時01分

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