来週の株式相場に向けて=GW中の相場左右する3つの焦点
東京市場は、いよいよゴールデンウイーク(GW)に突入する。来週は5月2日と6日の2営業日だけの立ち会いとなる。この期間中、東京市場は休場だが、もちろん海外市場は通常通りの売買が行われる。特に5月上旬は海外で重要イベントが目白押しだ。それだけに、この間の海外動向からは目が離せない。このGW期間中に注意すべき3つの焦点を挙げたい。
まず、第一の焦点は、4日に結果が発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。0.5%利上げは織り込み済みだが、6月も0.5%あるいは0.75%の利上げ観測も浮上している。QT(量的引き締め)開始を含め、米金融当局の姿勢が注視されている。
第二の焦点は、佳境を迎える米企業の決算発表と経済指標だ。特に今晩はアップル<AAPL>とアマゾン・ドット・コム<AMZN>の決算発表が予定されており、その結果が注視されている。加えて、6日には米雇用統計が発表となる。2日には米4月ISM製造業景況指数も予定されており、経済指標からも目が離せない。
そして、第三の焦点がウクライナ情勢だ。ロシアのプーチン大統領は5月9日の「対独戦勝記念日」に向けて、攻勢をかけてくる可能性がある。ロシアは東欧のポーランドとブルガリアへの天然ガスの供給を停止したが、この先一段の情勢緊迫化も考慮する必要があるかもしれない。
過去には、GW中に急激な相場の変動に見舞われたことがあるが、特に今年は上にも下にも振れるボラタイルな展開となるかもしれない。とりわけ、海外市場の3日分の値動きを反映することになる6日の取引は、状況次第では大きな値動きとなることもあり得る。
上記以外の重要イベントでは、4日に米4月ISM非製造業景気指数が発表され、5日にOPECプラスが開催される。国内では2日に三井物産<8031>、6日に丸紅<8002>とHOYA<7741>の決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは、2万6000~2万7400円。(岡里英幸)