話題株ピックアップ【夕刊】(1):東電HD、コマツ、INPEX
■東電HD <9501> 530円 +74 円 (+16.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
東京電力ホールディングス<9501>が急伸。岸田文雄首相が5日に英国金融街シティーで行った講演で、脱炭素戦略にも触れ、そのなかで再生可能エネルギーに加え、安全を確保した原子炉の有効活用を図る方針を示した。原発再稼働に向けた動きが強まるとの観測から、同社株に投資資金が改めて攻勢をかけている。既に需給相場の様相を呈していたが、直近は個人投資家の参戦が活発化し信用買い残の増加が顕著となっている。信用倍率は4月22日申し込み現在で2.0倍と需給はやや緩んでいる状況。なお、きょうは同社株を筆頭に電力株が全面高商状となった。
■アドウェイズ <2489> 913円 +126 円 (+16.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
アドウェイズ<2489>が急反発。2日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、売上高を135億円から138億円へ、営業利益を11億円から14億2000万円へ、純利益を7億円から10億円へ上方修正し、あわせて3円69銭を予定していた期末一括配当予想を5円49銭へ引き上げたことが好感された。前期は決算期変更に伴う変則決算のため前期との比較はないものの、第1四半期(1~3月)においてエージェンシー事業でマンガアプリを展開するクライアントからの需要が増加したことに加えて、台湾におけるブランド広告主向けブランディング広告が好調なことなどが寄与。また、グループ全体で人件費などの販管費を抑制したことも利益を押し上げる。なお、第1四半期決算は、売上高35億1800万円、営業利益6億5500万円、純利益5億100万円だった。
■コマツ <6301> 3,230円 +253.5 円 (+8.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
コマツ<6301>は大幅高で3日続伸。株価は2日終値に比べ8%超高に買われ年初来高値を更新した。4月28日に発表した決算内容を好感する買いが継続した。22年3月期連結営業利益は前の期比89.5%増の3170億1500万円の大幅増益となったのに続き、23年3月期の同利益は前期比9.1%増の3460億円と連続増益が見込まれている。前期は年96円(前の期比41円増)とした配当は、今期も同水準とする計画。今期の想定為替レートは1ドル=118円で足もとの円安は追い風。主力の建設機械は販売量の増加や販売価格の改善が寄与しているほか、鉱山機械はインドネシアを中心に堅調な需要が続くとみられている。市場には、今期同利益は3600億円台への増額観測も出ている。
■南海電気鉄道 <9044> 2,487円 +156 円 (+6.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
南海電気鉄道<9044>が大幅高。きょう昼ごろに複数のメディアで、政府が観光目的での外国人の入国について団体客などに限って認める方向で検討していることが伝えられた。南海電は関西国際空港に向かう空港線を持っており、空港を利用するインバウンド客の増加で同社路線の利用も増えるとの期待感から思惑買いを集めたようだ。
■寿スピリッツ <2222> 7,040円 +330 円 (+4.9%) 本日終値
寿スピリッツ<2222>が反発。2日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、売上高が307億円から321億9000万円(前の期比38.7%増)へ、営業利益が1億5000万円から14億円(前の期28億9000万円の赤字)へ、最終利益が9億4700万円から19億1000万円(同5億6900万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。国内小売及び通信販売で、クリスマス・年末帰省・ホワイトデーなど季節イベントでの販促強化や限定商品投入などの対策が奏功した。また、生産性向上による売上総利益率の改善や、販売促進費などの経費の効率的な使用に努めたことなども寄与した。
■INPEX <1605> 1,598円 +74 円 (+4.9%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が高い。5日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月限が前日比0.45ドル高の1バレル=108.26ドルに上昇した。5日に開催された石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国から構成される「OPECプラス」では6月も小幅な増産ペースを維持することを決定した。これを受け、原油需給の引き締まりは続くとの見方が強まった。また、4日に欧州連合(EU)がロシア産原油の輸入を禁止する案を公表したことも原油価格の上昇要因に働いている。
■三菱UFJ <8306> 779.5円 +23.3 円 (+3.1%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3銘柄は頑強な値動き。前日の米国株市場では、FRBの金融引き締め強化による経済への影響を警戒して主要株価指数が揃って急反落したが、その一方で債券も売られ米10年債利回りは終値ベースで3.04%とフシ目の3%台を上回ってきた。長期金利の先高期待は根強く、米国事業を展開するメガバンク各社にとっては追い風材料となっている。
■高島屋 <8233> 1,236円 +33 円 (+2.7%) 本日終値
高島屋<8233>が続伸。2日の取引終了後に発表した4月度の店頭売上速報で、高島屋各店及び国内百貨店子会社の売上高が前年同月比22.6%増と7カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年度の一部店舗における生活必需品を除いた休業の反動や、新型コロナウイルス感染者数の減少傾向による外出頻度の増加に加えて、高額品が引き続き好調に推移したことが牽引した。
■野村不HD <3231> 3,190円 +85 円 (+2.7%) 本日終値
野村不動産ホールディングス<3231>が反発し年初来高値を更新。SMBC日興証券は2日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を3800円から4000円に引き上げた。決算内容と新経営計画の発表を踏まえて、目標株価を見直した。収益不動産売却の更なる増加とベトナムでのマンション販売本格化などにより、23年3月期の事業利益は986億円と会社予想(970億円)を上回ると予想。また、当面は収益不動産売却や海外分譲マンション販売が成長を牽引し、26年3月期以降は芝浦1丁目プロジェクトなど大型開発案件が成長を更に支える見通しであり、今後の高成長に期待している。
■洋インキHD <4634> 1,983円 +42 円 (+2.2%) 本日終値
東洋インキSCホールディングス<4634>は3日続伸。午前10時ごろ、同社が開発した100%バイオマス由来の生分解性樹脂を使用したヒートシール剤が、味の素<2802>の「パルスイート スリムアップシュガー」(スティック20本入袋)の包材に採用されたと発表しており、これが好材料視された。今回、包材に採用されたヒートシール剤「アクワシール」は、東洋インキが開発した100%バイオマス由来の生分解性樹脂「ラクティプス」を使用し、味の素、伊藤忠商事<8001>、伊藤忠プラスチックス(東京都千代田区)が共同開発した環境配慮型の紙製包装材。なお、同製品のパッケージは4月中旬の出荷分より順次リニューアルされているという。
株探ニュース