伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 5月8日版
週明け後の日経平均株価は、勢いの強い下げの流れへ入る公算も
1. NYダウが弱気パターンの年になる場合の展開
1950年から2021年までの期間で、 NYダウの年間の値動きを調べると、年初の値位置より年末の値位置が高くなる年(強気パターンの年)は、たいていの場合、年初から上げ方向の動きとなって、その流れを5月頃まで継続しています。
年初に上値を抑えられて、価格が下げる場合、3~5月の期間で年間の最安値を確認して、その後、年末へ向けた上昇の流れへ入っています。
年の上旬の上げやすい時期に上値重く推移し、弱さを示している状況に変化が表れて、上昇を開始するのですから、そのような年は積極的に投資へ向かう流れになる投資環境の変化があって、価格が上昇を開始しています。3月に年間の最安値をつけて上昇を開始した2009年、2020年などが、その典型的なパターンの年だったと言えます。
2022年が強気パターンの年になる場合、その動き方は1つだけです。5月6日に5月2日の安値3万2449ドルを割らなかった動きで下値堅さを確認して、今後の価格がはっきりとした上昇の流れを作り、7月頃までの期間で、1月5日の高値3万6952ドルを超える展開です。
2022年が強気パターンの年になるなら、今後はどんな弱気を示す材料があっても、株価は上昇を続けて、3万6952ドルを目指します。
今後の価格が弱さなど見せず積極的な上昇の流れへ入ると考えにくいと見るなら、2022年は年初の値位置より年末の値位置が低くなる年(弱気パターンの年)か、年初の値位置と年末の値位置が近くなる年(横ばいパターンの年)のどちらかになると推測できます。
弱気パターンの年と横ばいパターンの年は、(本年の状況で見る場合)7月頃までの動き方が同じです。そのため、以下では弱気パターンの年になる場合を基準にしてその見方を紹介します。