話題株ピックアップ【夕刊】(1):Jパワー、日製鋼、オリンパス
■ヨネックス <7906> 965円 +150 円 (+18.4%) ストップ高 本日終値
ヨネックス<7906>が150円高はストップ高となる965円に買われた。11日の取引終了後に23年3月期業績予想を発表。売上高を前期比15.5%増の860億円、営業利益を同14.3%増の77億円としており、前期に続き過去最高業績を更新する見通しを示したことが好感された。主力のバドミントン事業について、中国でのロックダウンに伴う影響が第2四半期に見込まれるものの、解除後は堅調に推移する見通しとした。年間配当予想は普通配当10円と前期比同額を見込むが、前期は普通配6円に記念配・特別配合計4円を実施する形をとった。同時に発表した22年3月期決算は、売上高が前の期比44.5%増の744億8500万円、営業利益が同6.5倍の67億3800万円だった。
■Jパワー <9513> 2,144円 +315 円 (+17.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
Jパワー<9513>が寄り付きから急騰し、年初来高値を更新した。11日の取引終了後、23年3月期の連結経常利益は前期比37.3%増の1000億円に拡大する見通しとなったと発表しており、これを好感する買いが入った今期は前期に発生した設備トラブルの影響解消や小売事業者向け電力販売価格の上昇を見込むほか、石炭価格の上昇による豪州炭鉱権益保有子会社の収益拡大を計画する。あわせて、今期の年間配当は前期比5円増の80円に増配する方針を示したことも好材料視されたようだ。なお、同時に発表した22年3月期の同利益は前の期比19.6%増の728億4600万円だった。
■シュッピン <3179> 1,300円 +186 円 (+16.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
シュッピン<3179>はカイ気配スタートで急騰、上昇トレンド転換を鮮明とした。同社はカメラや時計など専門性の高い商材をネットや一部のリアル店舗を通じて販売しているが、コロナ禍にあっても収益成長路線をまい進している。11日取引終了後に発表した22年3月期の営業利益は前の期比95%増の31億4000万円とほぼ倍増し過去最高利益を更新した。続く23年3月期も前期比12%増の35億600万円と2ケタ成長を見込んでおり、これを評価する買いを呼び込んだ。前期の年間配当は前の期実績に12円増配となる28円を実施するほか、今期は更に2円増配の30円を計画しており、前向きな株主還元姿勢も株高を助長している。
■日立造船 <7004> 783円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率5位
日立造船<7004>がストップ高。11日の取引終了後、23年3月期の連結経常利益は前期比35.8%増の160億円に拡大する見通しを示しており、これを好感する買いが入った。今期は国内と海外のごみ焼却発電設備建設案件の売り上げ増加などが利益を押し上げる見込みだ。あわせて、今期の年間配当は前期比3円増の15円に増配する方針としており、これも評価材料となった。なお、同時に発表した22年3月期の同利益は前の期比0.1%減の117億8300万円だった。
■日本製鋼所 <5631> 3,010円 +384 円 (+14.6%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率6位
日本製鋼所<5631>が急騰。子会社による検査データの不適切行為が判明したことで株価は9日にストップ安となるなど急落していたが、この日は前日に発表された決算が好感され大きく買われた。11日の取引終了後に発表した22年3月期の連結経常利益は前の期比56.4%増の167億7200万円だった。続く23年3月期も前期比31.2%増の220億円に拡大する見通しを示している。今期は産業機械事業で電気自動車(EV)化の流れを背景とする車載用リチウムイオン電池素材の需要拡大に加え、自動車分野における設備投資の再開による成形機の需要回復を見込んでいる。なお、子会社の不適切行為による影響を合理的に算定することが困難であるため、最終利益と配当の予想は未定とした。
■TIS <3626> 3,320円 +354 円 (+11.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
TIS<3626>は異彩高。一時400円を超える上昇で3370円まで駆け上がり、大発会につけた年初来高値3465円も視界に入れる急騰をみせた。金融向けを主力とする独立系の情報サービス大手で、クレジットカードなど決済関連で実績が高いが、業績はここ絶好調に推移している。11日取引終了後に発表した22年3月期決算では営業利益が前の期比20%増の547億3900万円と大幅な伸びを達成し過去最高利益を更新。続く23年3月期も伸び率こそ鈍化するものの、前期比4%増の570億円予想と連続最高益更新見通しにあり、これを手掛かり材料に投資資金が流入した。株主還元に積極的なこともポイントで、前期配当は従来計画から4円増額となる44円(前の期実績は35円)、今期は更に3円増配の47円を計画している。更に発行済み株式数の4.8%相当の1200万株、金額ベースで300億円を上限とする自社株買いも発表しており、物色人気に拍車がかかっている。
■新日本電工 <5563> 335円 +35 円 (+11.7%) 本日終値
新日本電工<5563>は急騰。11日の取引終了後、22年12月期連結業績予想について、経常利益を80億円から100億円(前期比45.6%増)へ、純利益を60億円から75億円(同3.5%減)へ上方修正し、あわせて中間・期末各6円の計12円としていた年間配当予想を各8円の計16円(前期16円)にすると発表したことが好感された。売上高は860億円(前期比30.3%増)の従来見通しを据え置いたものの、世界的な需給の引き締まりにより、主力製品の高炭素フェロマンガンの製品市況が高いレベルで推移することが見込まれることから利益は上方修正するという。また、為替が想定より円安傾向となることも寄与する。なお、同時に発表した第1四半期(1~3月)決算は、売上高197億6500万円(前年同期比26.7%増)、経常利益40億7500万円(同5.2倍)、純利益30億5800万円(同11倍)だった。
■オリンパス <7733> 2,539.5円 +256.5 円 (+11.2%) 本日終値
オリンパス<7733>が続急騰。11日の取引終了後、23年3月期の連結最終利益(国際会計基準)は前期比33.1%増の1540億円になりそうだと発表。2期連続で過去最高益を更新する見通しとなり、これを好材料視する買いが入った。今期は主力の内視鏡事業で消化器内視鏡システム「EVIS X1」の販売拡大を計画するほか、治療機器事業が注力分野の消化器科、泌尿器科、呼吸器科、科学事業では中国を中心にそれぞれ収益成長を見込む。また、固定資産譲渡益約164億円を計上することも利益を押し上げる。併せて、今期の年間配当は前期比2円増の16円に増配する方針とした。なお、同時に発表した22年3月期の連結最終利益は前の期比9.0倍の1157億4200万円だった。このほか、発行済み株式数の1.03%にあたる1340万2333株の自社株を6月8日付で消却することも発表している。
■セントラル硝子 <4044> 2,592円 +196 円 (+8.2%) 本日終値
セントラル硝子<4044>はマドを開けて急伸。11日の取引終了後に23年3月期業績予想を発表し、最終損益を250億円の黒字とした。海外自動車ガラス事業の譲渡に伴う特別損失の計上で大幅赤字となった前期から黒字転換となるほか、18期ぶりとなる最高益更新見通しということもあり、これを好感した買いが入ったようだ。政策保有株式の売却による特別利益が大きく寄与する見通し。海外事業譲渡の影響で売上高は前期比22.4%減の1600億円としたが、販売価格の改定や不採算事業からの撤退などによって営業利益は同23.9%増の90億円となる見込みだ。配当予想は前期比据え置きの75円(中間・期末それぞれ37円50銭)とした。あわせて、上限を500万株(発行済み株数の12.34%)、または100億円とする自社株買いの実施を発表した。取得期間は12日から来年3月24日まで。
■フィールズ <2767> 1,085円 +79 円 (+7.9%) 本日終値
フィールズ<2767>は続急騰、前日は好決算を好感する形で150円高のストップ高に買われたが、きょうもその余勢を駆って上値追いを継続し一時100円を超える上昇で1112円まで駆け上がった。3月25日につけた年初来高値を更新した。円谷プロダクションのウルトラマンブランドの価値向上が収益に大きく反映され始めている。映画「シン・ウルトラマン」の公開が今週13日に予定されており、同社の株価刺激材料となっている。一方、同社はメタバース分野への展開も模索、VRコンテンツへの版権提供などで協業体制にあるNTTドコモが、メタバース空間の「XRワールド」におけるコミュニケーションサービスに注力の構えにあり、フィールズも業容拡大のチャンスとみられている。
株探ニュース