話題株ピックアップ【夕刊】(1):OLC、中国電、キリンHD

注目
2022年5月25日 15時14分

■日東紡績 <3110>  2,495円  +252 円 (+11.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

日東紡績<3110>は急騰。24日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を273万株(発行済み株数の7.0%)、または50億円としており、取得期間は22年5月25日から23年5月24日まで。現在の株価水準を踏まえ、株主還元及び資本効率の一層の向上のために取得するとしている。これにより取得した全ての自社株は消却するとあわせて発表した。なお、今朝は東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で31万6200株(総額7億923万6600円)の自社株を取得した。

■中国電力 <9504>  920円  +43 円 (+4.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位

中国電力<9504>が大幅高で3日続伸。複数のメディアで、島根県の丸山達也知事が同社の島根原子力発電所2号機の再稼働について、来月2日の県議会で同意するかどうかの判断を表明する考えを示したと報じており、これが好感された。島根原発2号機は昨年9月、再稼働の前提となる規制委員会の審査に合格。立地自治体である松江市を含め、原発30キロ圏内にある自治体も再稼働に同意を表明している。

■オリエンタルランド <4661>  19,445円  +685 円 (+3.7%)  本日終値

オリエンタルランド<4661>の戻り足が鮮明。株価はきょうで4連騰となり1万9400円まで上値を伸ばし、今月2日ザラ場以来となる2万円大台回復を視野に捉えている。外国人観光客の入国制限の緩和が進むとの見方から、インバウンド関連株に物色の矛先が向いている。そのなか同社は国内テーマパーク最大手として、恩恵を正面から享受できる関連株として継続的な買いが流入している。「ディズニー・プレミアアクセス」という新サービス導入により、利益率が高まるとの思惑も株高を後押ししている。同社株は4月28日を境に機関投資家とみられる売りに株価は急落局面を余儀なくされていた。しかし、今月中旬以降は売り物が切れ上値指向に変わった。下落過程で信用買い残も増加し直近で100万株台に乗せたが、流動性の高い銘柄で株価の重石にはなっていない状況だ。

■飯田GHD <3291>  1,983円  +41 円 (+2.1%)  本日終値

飯田グループホールディングス<3291>が反発。24日の取引終了後、上限を800万株(発行済み株数の2.77%)、または200億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。取得期間は22年5月25日から23年5月24日までで、取得した自社株は全株式を消却する予定という。また、605万2582株(同2.10%)の自社株を6月10日付で消却するとあわせて発表している。

■キリンホールディングス <2503>  1,963円  +36.5 円 (+1.9%)  本日終値

キリンホールディングス<2503>が反発。この日、10月1日納品分からビール類やRTD(栓やプルタブを開けてそのまま飲めるアルコール飲料)、その他樽詰商品、ノンアルコール飲料、輸入洋酒の一部商品を値上げすると発表しており、これが好感された。対象となるのはビール類の「キリン一番搾り生ビール」「淡麗グリーンラベル」「本麒麟」やRTDの「氷結」など。大麦、コーン、アルコールなどの原材料価格をはじめ、アルミ、段ボールなどの資材価格、製造にかかるエネルギー価格や物流費などあらゆるコストが上昇しており、企業努力だけで各種コストの上昇分を吸収することは困難であると判断したという。

■三菱商事 <8058>  4,492円  +75 円 (+1.7%)  本日終値

三菱商事<8058>、三井物産<8031>など総合商社株が買い人気を集めている。エネルギー価格や穀物市況の高騰は米国や欧州をはじめインフレを高進させる背景となっており、企業のコスト増加に伴う業績への影響も警戒されている。しかし、資源や穀物を扱う総合商社にとっては収益面で強い追い風となっている。PERやPBRも割安感が強く、世界的なバリュー株シフトの動きも味方している。きょうは、米ハイテク株安を受けIT関連株への買いが入りにくく、市況関連のリバウンドを狙う動きが優勢。その流れで商社株に投資資金が誘導されている。

■東電HD <9501>  508円  +7 円 (+1.4%)  本日終値

東京電力ホールディングス<9501>が急動意し一時23円高の524円に買われたのをはじめ、電力株が軒並み高に買われた。米ハイテク株安を受けて東京市場でもグロース株(成長株)に対する風当たりがきつくなっているが、一方でエネルギー関連セクターには根強い買いが観測されている。特に、バイデン米政権と協働態勢にある日本の脱炭素への取り組みや、夏場の電力不足の問題を視野に、原子力発電関連株に物色の矛先が向いている。また、岸田首相の政策変更の動きが株式市場でも注目され、その一つである原発再稼働の検討に前向きな姿勢を明示したことが電力株への物色人気を助長している。

■味の素 <2802>  3,213円  +37 円 (+1.2%)  本日終値

味の素<2802>が堅調に推移。子会社の味の素冷凍食品はきょう、家庭用製品の出荷価格を8月1日納品分から、業務用製品の出荷価格は9月1日納品分からそれぞれ値上げすると発表。これによる採算改善などが期待されているようだ。価格改定は、原材料費やエネルギー費、包材費などの製造コスト及び物流費は継続的に上昇し、企業努力では現行価格を維持することが難しくなったため。対象製品は家庭用47品(「ギョーザ」「生姜好きのためのギョーザ」を除く)で値上げ幅は約6~14%、業務用は404品で値上げ幅は約9~20%を予定している。

■アルコニックス <3036>  1,303円  +13 円 (+1.0%)  本日終値

アルコニックス<3036>が反発。24日の取引終了後、25年3月期に営業利益131億円(23年3月期予想91億円)を目指す中期経営計画を発表しており、これが好感された。商社流通機能(電子材料・アルミ銅)の量的拡大を図るほか、製造機能(金属加工・装置材料)の着実な拡大を図る。また、M&Aで獲得した企業群の自律的な企業価値向上を支援する。

■東京エレクトロン <8035>  58,680円  +450 円 (+0.8%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連株が総じて底堅い値動きをみせている。前日の米国株市場ではグロース株(成長株)への売り圧力が強まり、ナスダック総合株価指数が大幅安となったが、半導体関連が値を下げフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下げも目立った。これを受けて東京市場でも同関連株への売り圧力が意識されるところ。ただ、寄り付きは機関投資家のリバランスとみられる買いや空売りの買い戻しを誘発し、強い動きをみせている。

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