話題株ピックアップ【夕刊】(1):郵船、豊田通商、高島屋

注目
2022年5月27日 15時12分

■日本郵船 <9101>  11,310円  +680 円 (+6.4%)  本日終値

日本郵船<9101>が一時8%高の1万1520円に買われたほか、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>など海運株が軒並み高い。海運は業種別騰落で5%近い上昇で33業種中、断トツとなっている。市場では「郵船は1対3の株式分割を発表したことが材料視されているが、海運株全般は株主還元の高さが注目されている。直近では川崎汽は野村が投資判断を引き上げるともに、目標株価を8800円から1万4000円まで大幅に引き上げたことでマーケットの注目を浴びた。川崎汽も株価は1万円台を超えてきたことで、分割期待も膨らみやすい」(準大手証券ストラテジスト)としている。このほか、明治海運<9115>が急騰で4ケタ大台を回復しマーケットの視線を集めている。明治海運はホテル事業にも展開していることで、インバウンド関連としても存在感を高めている。

■豊田通商 <8015>  4,855円  +245 円 (+5.3%)  本日終値

豊田通商<8015>は大幅高で3日続伸。26日の取引終了後、子会社で国内風力発電大手のユーラスエナジーホールディングスに関して、東京電力ホールディングス<9501>持ち分を取得し完全子会社化すると発表しており、これが好感された。ユーラスエナジーには、豊田通商が60%、東電HDが40%出資しているが、1850億円で東電HDが保有する全株式を6月以降に取得する。なお、同件による業績への影響は軽微としている。

■芝浦機械 <6104>  3,035円  +150 円 (+5.2%)  本日終値

芝浦機械<6104>が大幅高。26日の取引終了後、中国のロックダウンによる影響で開示を延期していた22年3月期決算を発表、売上高は前の期比16.3%増の1077億7700万円、最終損益は前の期の赤字から黒字転換となる37億2500万円で着地。続く23年3月期業績予想についても良好な見通しを示しており、業績回復が鮮明となったことを好感した買いが入ったようだ。今期の売上高は前期比11.3%増の1200億円、最終利益は12.7%増の42億円の見通し。引き続き電気自動車(EV)や再生可能エネルギー関連の需要拡大が追い風となる見込みで、リチウムイオン電池向けセパレーターフィルム製造装置の増産体制の構築などを進めるという。年間配当予想は前期から据え置きの75円とした。

■高島屋 <8233>  1,317円  +52 円 (+4.1%)  本日終値

高島屋<8233>、松屋<8237>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>、J.フロント リテイリング<3086>、丸井グループ<8252>など百貨店株が一斉高に買われた。岸田政権は新型コロナウイルスの水際対策として停止していた外国人観光客の入国を、6月10日から再開する方針を示している。観光目的の入国を認めるのは約2年2カ月ぶりということで、ほぼ完全消失状態にあったインバウンド需要の復活が見込まれる。今年3月以降に外国為替市場で円安が進行したことも外国人観光客の消費意欲を高めることが予想され、高額商品を扱う百貨店は収益への恩恵が大きいとの見方で、物色人気を誘っている。

■エイベックス <7860>  1,113円  +42 円 (+3.9%)  本日終値

エイベックス<7860>が続伸。同社は26日取引終了後、子会社のAvex USA(米カリフォルニア州ロサンゼルス)に、グローバルでのスタートアップ企業などを投資対象とするコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)機能を新設すると発表しており、今後の展開などが期待されているようだ。投資額は6年間で30億円を予定。グローバル基準のクリエイター・アーティストとのコラボレーションの強化や、先端テクノロジー領域へのネットワーク構築を進め、最前線の音楽×テクノロジーのコミュニティーを活用した新たなIP(知的財産権)の創出に取り組むとしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,341円  +177 円 (+3.4%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が続伸。5000円台前半の売り物を吸収し、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を上抜く動きをみせている。前日の米国株市場ではナスダック総合株価指数が300ポイントを超える上昇をみせるなどハイテクセクターへの買い戻しが加速した。ナスダック市場の動向と株価連動性の高い同社株には追い風となっている。また、同社が出資する中国電子商取引大手アリババ集団<BABA>の1~3月期決算が注目されていたが、発表された売上高・一株利益ともに市場予想を上回り、アリババの株価は15%高と急騰した。これがソフトバンクGの含み益拡大につながるとの思惑で株高を後押しする材料となっている。

■東京エレクトロン <8035>  59,120円  +1,840 円 (+3.2%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連の主力やルネサスエレクトロニクス<6723>など車載マイコン大手、シリコンウエハー大手のSUMCO<3436>といった半導体セクターの銘柄が総じて買い人気を集めた。前日の米国株市場ではハイテク株への買い戻しが顕著となったが、そのなか前日に決算発表を受け時間外取引で売られていたエヌビディア<NVDA>が5%高で切り返すなど、半導体関連株へのショートカバーが目立った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3.9%高と急伸しており、これを受けて東京市場でも関連銘柄への買いが誘発される形となっている。

■三菱重工業 <7011>  4,995円  +106 円 (+2.2%)  本日終値

三菱重工業<7011>は上昇波動鮮明、110円高の4999円まで上値を伸ばし年初来高値を更新した。修正後株価で2017年2月以来、約5年3カ月ぶりの5000円大台にあと1円に迫った。総合重機メーカーのトップで、艦艇や戦車、戦闘機など陸・海・空すべてを網羅し、国内防衛産業を担う代表的な存在となっている。岸田首相はバイデン米大統領との日米首脳会談を経て、防衛費予算を大幅増額する方針を明示しており、同社は国策に乗るシンボルストックとして、機関投資家とみられる継続的な買いを集めている。株価は年初から一貫して上昇を続けているが、日本の国防を担う中核銘柄としてPBR1倍近辺は割安感が依然として強いとの見方がある。

■シュッピン <3179>  1,430円  +26 円 (+1.9%)  本日終値

シュッピン<3179>が反発。岩井コスモ証券は26日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を1600円から1750円に引き上げた。同社は専門性の高い商材(カメラ、時計、筆記具、自転車)の中古品を一般消費者から買い取り、販売を行っている。新品も取り扱っている。同証券では、前期から続く主軸のカメラ事業や時計事業の好調は続くと予想している。また、足もとで進むインフレはカメラや時計といった趣味嗜好品を扱う同社にとって追い風となっており、業績の押し上げ要因となるとみている。

■インフォマート <2492>  482円  +6 円 (+1.3%)  本日終値

インフォマート<2492>が4日ぶりに反発している。26日の取引終了後、経済産業省が推進する「IT導入補助金2022」において「IT導入支援事業者」に採択され、「BtoBプラットフォーム」シリーズが補助金対象のITツールに認定されたと発表しており、これが好材料視されている。今回、対象ITツールとなったのは「BtoBプラットフォーム 受発注」「BtoBプラットフォーム 規格書」「BtoBプラットフォーム 請求書」など。今回の対象ツール選定により、ユーザーが導入する際に経費の一部が補助されることになり、それに伴う商機拡大が期待されているようだ。

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