話題株ピックアップ【昼刊】:メルカリ、ライオン、トリケミカル

注目
2022年6月1日 11時43分

■菱洋エレクトロ <8068>  2,296円  +186 円 (+8.8%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位

菱洋エレクトロ<8068>が急動意、25日移動平均線を足場に上値追いに拍車がかかっている。三菱電機系のエレクトロニクス商社で、半導体の活況を背景に足もとの業績は絶好調に推移している。電子部品の供給不足などサプライチェーン問題や原料価格高騰の影響はあるものの、製造業全般の生産活動や設備投資意欲は旺盛であり、同社のビジネス環境に吹く追い風は強い。同社が31日取引終了後に発表した23年1月期第1四半期(22年2~4月)決算は営業利益が前年同期比2.5倍の11億6400万円と急拡大、通期計画に対する進捗率は50%に達しており、増額修正に期待した買いを呼び込んでいる。

■メルカリ <4385>  2,305円  +176 円 (+8.3%)  11:30現在

メルカリ<4385>が急騰している。5月31日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月7日付で東証グロースから東証プライムへ市場変更されることになったと発表したことが好感されている。同社は、インターネット上でフリーマーケット(フリマ)サービス「メルカリ」を運営するほか、スマートフォン決済サービス「メルペイ」なども展開。22年6月期連結業績は売上高1470億円(前期比38.5%増)、経常損益46億円の赤字(前期49億7500万円の黒字)を見込む。

■ライオン <4912>  1,541円  +102 円 (+7.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率8位

ライオン<4912>は5連騰。5月31日の取引終了後、バングラデシュに、同国で事業を展開するカロール社と日用品販売の合弁会社を設立すると発表しており、これを好感した買いが入っている。合弁会社ライオンカロールは、ライオン75%、カロール社25%の出資で9月下旬に設立する予定。ライオンではこれまで海外関係会社を通じてバングラデシュ市場への一部商品の輸出を行ってきたが、持続的成長が見込まれる同市場における事業拡大を目指し本格的に参入するという。

■日本空港ビルデング <9706>  5,600円  +300 円 (+5.7%)  11:30現在

日本空港ビルデング<9706>が動兆しきりの展開、5%超の上昇で5600円に浮上した。5月10日の急落で開けたマドを完全に埋めると同時に、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも示現するなど目先上値指向を強めている。6月から外国人観光客の入国規制緩和でインバウンド関連に幅広く物色の矛先が向いているが、外客を受け入れる空港も活況を呈することが予想される。直近では、羽田とソウル・金浦線の定期運航が今月15日にも再開する見通しが伝えられており、これを受けて羽田空港の“家主”である同社の株価を強く刺激する形となっている。

■トリケミカル研究所 <4369>  2,714円  +139 円 (+5.4%)  11:30現在

トリケミカル研究所<4369>は急伸。5月31日の取引終了後、23年1月期第1四半期(2~4月)の決算を発表。売上高が前年同期比20.2%増の31億1900万円、純利益が同37.0%増の12億9300万円と大幅増収増益で着地しており、これが好感されているようだ。国内外での活発な半導体製造設備への投資が追い風となったほか、経費削減やグループ会社・部門間の連携深化に向けた取り組みなどが奏功した。また、韓国関係会社の持ち分法による投資利益の計上も寄与した。なお、通期見通しについては従来予想を据え置いた。

■アンリツ <6754>  1,500円  +67 円 (+4.7%)  11:30現在

アンリツ<6754>は大幅反発。5月31日の取引終了後、上限を500万株(発行済み株式数の3.7%)、または50億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視されている。取得期間は6月1日から7月29日まで。資本効率の向上と株主還元の充実を図るためとしている。あわせて、6月30日付で247万8900株(発行済み株数の1.79%)の自社株を消却すると発表した。なお、消却後の発行済み株数は1億3583万594株となる予定だ。

■日本水産 <1332>  543円  +22 円 (+4.2%)  11:30現在

日本水産<1332>が商いを伴い反発したほか、マルハニチロ<1333>、極洋<1301>など水産株に軒並み買いが集まっている。業種別騰落で「水産」は33業種中で一時値上がり率トップとなる場面があった。原料価格の高騰などを背景に食品関連セクターの企業が相次いで値上げの動きを示している。日水はちくわなどのすり身製品や冷凍食品を8月1日納品分から値上げすることを発表しているほか、マルハニチロも冷凍食品について業務用は7月1日から、家庭用は8月1日から値上げすることを発表している。食品関連はこうした値上げの動きが比較的スムーズにできる強みがあり、株価面でもポジティブ視されやすい。

■トヨタ自動車 <7203>  2,198円  +75.5 円 (+3.6%)  11:30現在

トヨタ自動車<7203>が反発。前日は上昇一服となったものの陽線で引けており、足もと上値指向の強さを示している。米国ではインフレ警戒ムードが再燃するなか、米長期金利が上昇し、外国為替市場ではドル買いの動きを誘発した。ドル円相場は1ドル=128円台後半までドル高・円安が進んでおり、輸出セクターには為替メリットが期待される状況にある。特に1円の円安で営業利益を400億円以上押し上げる効果があるとされる同社にとっては、今期業績の上振れ要因として株価にポジティブに働いている。同社の今期想定為替レートは1ドル=115円で実勢とは13円以上の開きがある。単純計算で5000億円以上の営業利益上振れ要因として考慮されるだけにインパクトは大きい。

■花王 <4452>  5,327円  +131 円 (+2.5%)  11:30現在

花王<4452>が反発している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「傘下のカネボウ化粧品の主力ブランド『KANEBO』で、6月から中国でライブコマースを本格展開する」と報じられており、これが好材料視されている。記事によると、北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」を通じて、商品のライブ配信を毎日実施するという。KANEBOは中国に店舗がないことから、ターゲットとするZ世代に動画で直接訴えることで越境ECの拡大を狙うとしている。

■第一生命HD <8750>  2,697.5円  +64 円 (+2.4%)  11:30現在

第一生命ホールディングス<8750>が上値追い基調鮮明、きょうで4日続伸となっている。5日・25日移動平均線もゴールデンクロスを示現している。米国ではインフレ警戒感の再燃で長期金利が上昇、米10年債利回りが2.85%台まで水準を切り上げたほか、超長期債の30年債は終値ベースで利回りが3%台を回復した。前日の米国株市場では全体相場が軟調な動きとなったものの、JPモルガン<JPM>やバンカメ<BAC>など大手金融株の一角が堅調だった。東京市場でもこの流れを引き継いでおり、特に長期運用が主体の生保にとって超長期金利の上昇は追い風材料として意識されやすい。

■フジミインコ <5384>  6,000円  +140 円 (+2.4%)  11:30現在

半導体ウエハー用研磨材大手のフジミインコーポレーテッド<5384>が大幅高で、4日続伸となっている。同社は5月31日取引終了後に、23年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比11.9%増の135億円としたほか、年間配当計画を前期比15円増配の200円としていることが好感されているようだ。売上高は同12.1%増の580億円を見込む。サーバー向けなどを中心に半導体の需要は根強く、これが追い風になるとみている。なお、22年3月期通期の連結決算は売上高が前の期比23.3%増の517億3100万円、営業利益が同57.9%増の120億5900万円で着地。期末配当を従来計画比5円増額の100円とし、中間配85円とあわせた年間配当は185円(前の期は115円)となる。

■東京海上 <8766>  7,637円  +171 円 (+2.3%)  11:30現在

東京海上ホールディングス<8766>が、寄り付き大口の買い注文が入りマドを開けて上昇する異色の展開となり、3月22日につけた高値7565円を払拭し上場来高値に買われた。22年3月期の最終利益が前の期比2.6倍の4204億8400万円と急拡大したが、23年3月期も火災保険を中心に料率引き上げなどに伴う収益押し上げ効果で、小幅ながら増益基調を確保する見通し。注目されるのは株主還元姿勢で、年間配当は前期実績から45円の大幅増配となる300円を計画しており、配当利回りも4%近くに達し、株高を後押ししている。株式需給面では信用買い残など低水準で、売り圧力が希薄な点も足もとの値動きの軽さに反映されているもようだ。

■シスメックス <6869>  8,583円  +186 円 (+2.2%)  11:30現在

シスメックス<6869>が反発。SMBC日興証券は5月31日、投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は1万300円から1万800円に見直した。同証券では、23年3月期の連結営業利益予想を737億円から800億円(会社計画760億円)に、24年3月期の同利益予想を828億円から900億円にそれぞれ増額修正した。ロックダウンの影響はあるものの、今期中国売上高は2ケタ成長するとみており、現状の株価はリスクをやや過大に織り込んでいるようにみえる、と指摘している。

■ユー・エス・エス <4732>  2,393円  +44 円 (+1.9%)  11:30現在

ユー・エス・エス<4732>は反発。5月31日の取引終了後、6月30日付で5625万株(発行済み株数の17.95%)の自社株を消却すると発表したことが好感されている。なお、消却後の発行済み株数は2億5700万株となる予定だ。

■INPEX <1605>  1,624円  -55 円 (-3.3%)  11:30現在

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が安い。5月31日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前営業日比0.40ドル安の1バレル=114.67ドルと下落した。欧州連合(EU)がロシア産原油の禁輸で合意し原油価格は一時119ドル台に上昇した。しかし、石油輸出国機構(OPEC)は石油生産協定からロシアを除外することを検討している、と伝わると増産思惑が浮上し原油価格は一転、下落した。これを受け、INPEXなどに売りが先行している。

■松屋アールアンドディ <7317>  1,472円  +300 円 (+25.6%) ストップ高買い気配   11:30現在

松屋アールアンドディ<7317>がストップ高カイ気配。5月31日の取引終了後、オムロン ヘルスケア(京都府向日市)との資本・業務提携を強化すると発表しており、これが好材料視されている。従来から松屋R&Dはオムロンヘルスケアに対して血圧計用腕帯を供給し、また、オムロンヘルスケアは松屋R&D株式の発行済株式数の9.48%を保有しているが、提携関係を強化することで新製品の開発や経営上の課題に共同で取り組む。オムロンヘルスケアは6月2日付で松屋R&D株式3万株を取得するほか、6月6日から1年以内に15%を超えない範囲で松屋R&D株式の買い付けを行う予定だ。

■ガーラ <4777>  422円  +80 円 (+23.4%) ストップ高買い気配   11:30現在

ガーラ<4777>がストップ高カイ気配。同社は5月31日、子会社が開発し、同月18日から東南アジア向けにサービスを開始したHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」の売上高が、サービス開始から13日目で84万ドル(約1億円)を突破したと発表。ユニークユーザー数は約20万人に到達したとしており、これが買い手掛かりとなっているようだ。フリフユニバースは累計ダウンロード数5000万人を突破した「Flyff Online」のHTML5版で、ユーザーはアプリのダウンロードが不要でパソコンやモバイルのWeb環境でゲームを簡単に楽しむことが可能。今後はNFTゲーム/ブロックチェーンゲームとしてサービス提供を予定しているという。

■タカトリ <6338>  1,799円  +300 円 (+20.0%) ストップ高買い気配   11:30現在

タカトリ<6338>はストップ高カイ気配。5月31日の取引終了後、パワー半導体向けSiC(炭化ケイ素)材料切断加工装置の大口受注を獲得したと発表しており、これを好感した買いが膨らんでいるようだ。受注先は海外企業で、受注金額は約80億4400万円。売り上げ計上時期は、23年9月期と24年9月期上半期の予定。

●ストップ高銘柄

光陽社 <7946>  1,504円  +300 円 (+24.9%) ストップ高   11:30現在

東京ボード工業 <7815>  700円  +100 円 (+16.7%) ストップ高   11:30現在

など、6銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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