話題株ピックアップ【夕刊】(2):HIS、JAL、ネクスウェア

注目
2022年6月14日 15時18分

■正栄食品工業 <8079>  3,645円  -300 円 (-7.6%)  本日終値  東証プライム 下落率6位

正栄食品工業<8079>が大幅安で、年初来安値を更新した。同社は13日取引終了後に、22年10月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しを従来の43億円から35億円(前期比16.3%減)に下方修正したことがネガティブ視されたようだ。売上高の見通しは従来通り1000億円(会計基準変更のため前期との比較なし)で据え置いたが、円安進行で輸入原料価格の上昇が見込まれることや巣ごもり需要の反動などが利益面に影響するとしている。

■エイチ・アイ・エス <9603>  2,013円  -146 円 (-6.8%)  本日終値

エイチ・アイ・エス<9603>が大幅続落。13日の取引終了後に発表した第2四半期累計(21年11月~22年4月)連結決算が、売上高684億9100万円、営業損益281億3000万円の赤字、最終損益が269億1100万円の赤字となり、会計基準の変更に伴い前年同期との比較はないものの、単純比較で最終損益の赤字が拡大したことが嫌気された。旅行事業が需要回復基調にあることから実質増収となったほか、エネルギー事業以外の大半の事業で営業利益も実質改善したが、HTBエナジー売却に伴う損失や減損損失、臨時休業による損失などを計上した結果、最終損益は悪化した。なお、22年10月期通期業績予想は引き続き未定としている。

■日本航空 <9201>  2,292円  -68 円 (-2.9%)  本日終値

日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>がいずれも大きく株価水準を切り下げる展開。業種別騰落でも「空運」は33業種中で値下がり率トップに売り込まれている。ここ東京市場では、政府の外国人観光客の入国規制緩和の動きなどを背景にインバウンド関連株に物色の矛先が向かい、空運セクターもその一角として5月中旬から6月にかけて株価を上昇させていた。しかし、6月に入ってからは上値が重くなっている。両銘柄とも、直近データでは買い残が再び増勢に転じており、株式需給関係が悪くなっている。23年3月期は空運2社の収益は好転する見込みながら、赤字脱却ができるかどうかは微妙な部分もあり、全体相場の急落を受けて目先買いポジションを低める動きが優勢となっている。

■日経レバ <1570>  13,305円  -355 円 (-2.6%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅安で3日続落。前日に続くマドを開けての急落で一段の下値模索も意識させる局面にある。日経レバは日経平均に連動する仕組みに組成されたETFで、価格変動率は日経平均の2倍に設定されており、目先全体相場が波乱展開となるなか、個人投資家をはじめとした短期資金の売り買いが活発だ。足もとではインフレ警戒感を背景に世界株市場が全面安商状となっている。前日の米株市場ではNYダウが一時1000ドルを超える下げとなり、これを受けきょうの東京市場も日経平均が大きく下値を探る展開を強いられている。前日に日経レバは全市場を通じて群を抜く売買代金をこなしていたが、きょうも全体波乱相場で投資家の注目度が高く売買代金は高水準に膨らみそうだ。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,033円  -132 円 (-2.6%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>はプライム市場で売買代金2位となっているが、売りが優勢で一時フシ目の5000円大台を割り込んだ。前日の米国株市場で主要株価指数が急落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の下げが特に目立ったことで、ナスダック市場と連動しやすい同社株にとってネガティブに働いている。また、きょうは前日に続き、日経225先物を絡めた売り仕掛けで日経平均は下げに拍車がかかっており、日経平均寄与度の高い同社株には株式需給面からインデックス売りの影響も反映されている。同様に、きょうは日経平均寄与度が際立つ値がさ株であるファーストリテイリング<9983>の下げも顕著となっている。

■東京エレクトロン <8035>  51,710円  -1,020 円 (-1.9%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連の主力株の下落が目立つ。前日の米国株市場では米10年債利回りが急上昇しており、これを受けてハイテク株への売り圧力が強まった。主要株価指数は揃って続急落となったが、特に半導体セクターの下げが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5.6%安と暴落した。個人消費の落ち込みがスマートフォンやパソコンなどの需要減少につながり、メモリー需給が緩むことへの警戒感が改めて浮上している。これを受け、東京市場でも同関連株への売りが顕著となっている。

■ネクストウェア <4814>  203円  +50 円 (+32.7%) ストップ高   本日終値

ネクストウェア<4814>がストップ高。13日の取引終了後、セキュリティーベンチャーのZenmuTech(ゼンムテック、東京都中央区)、ロボット開発のアイ・ロボティクス(東京都渋谷区)の2社と連携し、秘密分散技術を無人航空機(ドローン)や移動型ロボットに搭載する技術「インテグリティ・ドローン」を展開すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ゼンムテックが持つ秘密分散技術「ZENMU-AONT」を活用することで、ドローンが通信途絶や落下した場合であっても機体内のデータを無意味化することができるという。既に3社共同での技術検証を完了しており、今年中に国内外の航空機メーカーやドローン運用事業者、自動運転車業界、防衛装備業界などへの提案を開始するとしている。

■VALUENEX <4422>  1,022円  +150 円 (+17.2%) ストップ高   本日終値

VALUENEX<4422>が全体波乱相場のなかで異彩人気。前日の大幅高に続き物色人気を集めた。同社はビッグデータ解析事業及びコンサルティングを手掛けるが、企業の活発なデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を背景に業績は好調に推移している。13日取引終了後に発表した22年7月期第3四半期(21年8月~22年4月)決算は営業利益が7600万円の黒字と前年同期の1億2300万円の赤字から脱却しただけでなく、今期計画である1600万円の黒字を超過した。また、売上高は前年同期比35%増の5億2200万円と大幅な伸びを確保しており、これを好感する買いを呼び込んだ。

■スマレジ <4431>  1,066円  +150 円 (+16.4%) ストップ高   本日終値

スマレジ<4431>はストップ高。13日の取引終了後、上限を39万株(発行済み株数の2.00%)、または5億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は6月14日から8月31日までで、資本効率の機動化及び役職員向けのインセンティブプランとしての活用が目的としている。同時に22年4月期連結決算を発表しており、売上高42億9600万円、営業利益6億3600万円だった。22年4月期から連結決算に移行したため、前の期との比較はない。23年4月期連結業績予想は、連結子会社であるロイヤルゲートを7月1日に吸収合併し単独決算へ移行することを予定していることから非開示としている。なお、単独業績予想は売上高55億9300万円、営業利益6億5100万円を見込んでいる。

■サーキュレーション <7379>  2,259円  +254 円 (+12.7%)  本日終値

サーキュレーション<7379>は急伸。13日の取引終了後、第3四半期累計(21年8月~22年4月)の単独決算を発表しており、売上高52億1400万円(前年同期比32.0%増)、営業利益5億800万円(同36.5%増)、純利益3億3000万円(同28.9%増)と大幅営業増益となったことが好感された。労働人口減少による人手不足や働き方改革などを背景に、経営改革や業務効率化を推進する企業が増加しており、外部プロ人材活用の需要が堅調に推移したことが寄与した。なお、22年7月期通期業績予想は、売上高73億円(前期比32.6%増)、営業利益5億1200万円(同5.7%増)、純利益3億2800万円(同11.3%増)の従来見通しを据え置いた。同時に、上限を8万2600株(発行済み株数の1.0%)、または1億円とする自社株買いを実施すると発表したことも好材料視された。取得期間は6月16日から7月29日までで、株主還元の拡充及び資本効率の向上を図り、今後の経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を実行するためという。

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