富田隆弥の【CHART CLUB】 「夏休み前は無理せず、小口の短期売買を」
◆6月15日に連邦準備制度理事会(FRB)は0.75%の利上げを決めた。FOMC結果の発表を控えて、14日に米長期金利の指標となる10年債利回りは一時3.49%に上昇。また、発表を受けて、NYダウは17日に2万9653ドル、ナスダックは16日に1万0565ポイントまで下落した。一方、為替(ドル円)相場では、22日に約24年ぶりとなる136円70銭台へと円安が進んだ。
◆ただし、その後は各市場とも反転している。米国10年債利回りは3.0%台に低下(23日)、NYダウは3万0777ドル(22日)、ナスダックは1万1260ポイント(23日)まで戻し、ドル円は134円台前半(23日)を付けている。27年ぶりという「0.75%」の大幅利上げも、各市場はそこで「一旦、出尽くし」と判断した可能性がある。
◆だが、このタイミングを「出尽くし」ではなく「ピークアウト」で反応した市場もある。原油市場(WTI)は6月8日の123ドル台を二番天井として、22日に一時101ドル台に下落。国際商品の値動きを示すCRB指数は9日の高値329.59ドルから23日時点で296.69ドルに下落している。
◆つまり、世界的な未曽有の金融緩和で各市場は高騰を演じてきたが、それも今回のFRBの利上げを機に終焉を迎えた可能性がある。バブル相場の終焉であるから、株式市場に限らず金融市場全体がそれなりの「反動」と「混乱」を覚悟すべきだろう。
◆株式市場は、日米とも年初からの崩れでチャートは「陰転」した。相場であるから買い戻しなどで一時的にアヤ戻りを見せることはあろうが、上に控える200日移動平均線や52週移動平均線をクリアしなければ「好転」とはならず、戻り売りが続きかねない。個別銘柄には安くなったものが目立ってきたが、夏休みを控えるここでは無理はせず、様子を見るように小口の短期売買を心掛けたい。
(6月23日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース