好調継続の中小型株、23年3月期【連続増益】リスト〔第2弾〕 <成長株特集>
「成長株特集」では3月期決算企業の本決算発表が出そろってから、これまで23年3月期に最高益を見込む企業にスポットライトを当てて特集記事を配信してきた。今回は最高益リストからは外れたものの、23年3月期に好業績が続く見通しを示している成長企業を探ってみた。
下表では、23日に配信した時価総額400億円以上2000億円以上の銘柄を対象とした「好調継続の中小型株、23年3月期【連続増益】リスト〔第1弾〕」に続き、時価総額150億円以上400億円未満の企業(最高益銘柄を除く)の中から、(1)23年3月期の経常利益が2ケタ成長かつ連続増益を見込む、(2)23年3月期の売上高が増加する見通し、といった条件を満たした35社を選び出し、増益率が大きい順に並べた。
増益率トップとなったのは元気寿司 <9828> [東証S]。23年3月期業績は、新型コロナウイルス感染拡大による外出規制がなくなり外食需要が回復するなか、継続的な新規出店などが寄与し、経常利益は前期比3.9倍の10.7億円に膨らむ見通しだ。人件費などのコスト見直しや食料廃棄ロスの低減に取り組むことも大幅増益につながる。
3位に入ったサンコール <5985> [東証P]の今期経常利益は前期比2.1倍の21億円に急拡大する見通しを示す。デジタル化の進展で活況が続くデータセンター向けにHDD用サスペンションが大きく伸びるほか、自動車生産の回復やEV関連製品の販売拡大もプラスに働く。業績好調に伴い、配当は前期比18円増の38円と大幅増配する方針とした。配当利回りは6%台で推移している。
4位のワイエイシイホールディングス <6298> [東証P]の前期業績は、パワー半導体素子用レーザアニーラが好調だったほか、電力会社向け制御通信機器や人工透析装置なども伸び、経常利益は前の期比2.0倍の14.9億円と高変化を遂げた。今期はメカトロニクス関連と電子機器関連の好調継続に加え、ディスプレイ関連の回復も寄与し、経常利益28億円(前期比87.8%増)、配当50円(前期比14円増)を見込む。
続く5位にリスト入りした日本特殊塗料 <4619> [東証P]の今期経常利益は前期比82.9%増の48億円に伸びる見通しだ。世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱で落ち込んだ自動車生産が回復に向かうなか、防音材を主力とする自動車製品関連事業の収益が大きく伸びる。指標面では予想PER6.7倍、PBR0.48倍、配当利回り4.28%と割安感が強く水準訂正余地は大きい。
8位のテイクアンドギヴ・ニーズ <4331> [東証P]は政府による行動制限の緩和を背景に、国内ウェディング事業で婚礼取扱組数が増加するうえ、婚礼単価も上昇する見込みだ。今期業績は売上高が前期比10.2%増の435億円、経常利益は同55.0%増の24億円と2ケタ増収増益を目指す。
13位のシダックス <4837> [東証S]は18年にカラオケ事業から撤退し、給食・車両運行・自治体施設の運営受託を3本柱に業績は急回復傾向にある。前期は経常利益22.9億円(前の期比2.6倍)と8期ぶりの利益水準に復活し、4期ぶりの復配を果たした。今期は主力3事業の収益成長が継続するなか、3期連続の増益を狙う。同社は学童保育でナンバーワンの地位を確立しており、「こども家庭庁」設置に絡む子育て支援関連としても注目を集める。
選出リストには、サンコールや日特塗をはじめ、自動車生産の回復が追い風となる企業が多く入った。サスペンション大手のヨロズ <7294> [東証P]、自動車用ゴム製品に強みを持つフコク <5185> [東証P]、自動車用バックミラーで国内トップの村上開明堂 <7292> [東証S]、いすゞ系自動車部品メーカーのIJTT <7315> [東証S]などがリスト入りしている。
このほか、配当利回りが高水準な明和地所 <8869> [東証P](5.61%)、フージャースホールディングス <3284> [東証P](6.08%)、レーサム <8890> [東証S](4.05%)の不動産3社は好業績・高配当銘柄として注目したい。
┌ 経常利益 ┐ ┌ 売上高 ┐ 増益 予想
コード 銘柄名 増益率 23年3月期 増収率 23年3月期 連続期数 PER
<9828> 元気寿司 291 1070 14.8 51210 2 38.0
<2204> 中村屋 249 220 2.8 34000 2 104
<5985> サンコール 105 2100 20.2 57000 2 12.2
<6298> ワイエイシイ 87.8 2800 31.6 30000 3 8.6
<4619> 日特塗 82.9 4800 11.4 61000 2 6.7
<7096> ステムセル研 60.8 341 20.2 2140 2 95.4
<7294> ヨロズ 57.6 3600 17.8 150000 3 9.7
<4331> T&Gニーズ 55.0 2400 10.2 43500 2 7.9
<2804> ブルドック 52.0 1540 3.4 13750 2 25.6
<5185> フコク 50.7 3800 7.7 77000 3 5.8
<9046> 神電鉄 42.6 930 5.5 21640 2 43.8
<9083> 神姫バ 41.8 1530 13.4 44000 2 21.9
<4837> シダックス 39.6 3200 3.9 120000 3 9.6
<6419> マースGHD 27.9 3200 22.5 18500 2 13.8
<2378> ルネサンス 26.6 800 7.8 40000 2 32.3
<8081> カナデン 24.4 3800 9.1 110000 2 10.7
<6247> 日阪製 23.3 2800 14.7 34500 2 12.2
<6355> 住友精密 21.0 3110 19.1 52180 2 6.9
<7292> 村上開明 18.8 6800 18.2 87000 2 6.9
<3679> じげん 17.9 3900 19.5 18255 2 12.9 *
<7315> IJTT 17.7 5000 7.4 155000 2 8.1
<6565> ABホテル 17.4 1100 10.3 7000 2 24.5
<8869> 明和地所 17.1 3700 7.7 61600 3 4.7
<9319> 中央倉 16.8 2430 7.4 25700 4 11.6
<6339> 新東工 16.1 5200 4.8 104000 2 10.7
<5352> 黒崎播磨 15.2 10000 10.6 148000 2 5.5
<3284> フージャース 14.2 6500 0.6 80000 2 6.7
<5821> 平河ヒューテ 13.4 2300 6.1 29500 2 7.6
<6777> santec 12.9 2200 35.0 12000 5 11.7
<6125> 岡本工 12.0 4700 14.5 43000 2 5.4
<6246> Tスマート 11.7 1890 12.2 19000 2 11.7
<8890> レーサム 11.1 11600 17.0 80000 2 5.1
<2767> フィールズ 10.1 4000 3.3 98000 2 9.7
<2445> タカミヤ 10.0 2150 13.1 45000 2 11.9
<6994> 指月電 10.0 1500 5.6 25200 2 16.7
※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前期と比べた増加率、単位は%。経常増益の連続期数は通期ベースの連続回数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース