話題株ピックアップ【夕刊】(2):チェンジ、クラレ、サッポロHD
■チェンジ <3962> 1,958円 +41 円 (+2.1%) 本日終値
チェンジ<3962>が3日続伸。24日の取引終了後、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進における戦略的協働パートナーである千葉銀行<8331>と連携して、千葉県印西市の「自治体DX支援業務」を開始すると発表しており、これが好材料視された。同事業は、千葉銀行との自治体DX支援事業における第1号案件。チェンジ子会社のガバメイツも加わり、3社で同市における業務効率化や人的資源の効果的な配分、行政運営の最適化を目的に、全庁業務量調査や業務フローの可視化、他自治体との比較による業務分析と課題の抽出、最適化に必要なソリューションの提案を行い、課題解決を支援するという。また同社はこの日、FTSEラッセルが提供する、日本企業を対象にしたESG投資の指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に初めて選定されたと発表しており、これも好材料視されている。「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」は、世界最大の公的年金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が選定しているESGパッシブ運用ベンチマークに採用されており、サステナブル投資のファンドや他の金融商品の作成・評価に広く利用されている。
■クラレ <3405> 1,129円 +20 円 (+1.8%) 本日終値
クラレ<3405>が4日ぶりに反発。同社は24日、人口皮革「クラリーノ」がレノボ・ジャパン(東京都千代田区)の、ノートブックパソコン「ThinkPad Z13」の天板に採用されたと発表しており、これが好材料視された。「クラリーノ」は、ベースとなるマイクロファイバー不織布に回収したペットボトルを原料とする再生PET樹脂を使用しており、環境への意識も高いユーザーに向けた新しいThinkPadの製品開発を進めるレノボの商品企画コンセプトとマッチしたという。なお、「クラリーノ」が、レノボのノートブックパソコンに採用されるのは初めてとしている。
■インフォマート <2492> 374円 +6 円 (+1.6%) 本日終値
インフォマート<2492>は続伸。午前11時ごろ、同社が提供する「BtoBプラットフォーム 請求書」が兵庫県神戸市に導入されたと発表しており、これが好感された。神戸市では、20年12月から「BtoBプラットフォーム 請求書」を試験的に導入し請求書の業務プロセス改革を目的とした実証実験を実施していた。請求書の発行側企業だけでなく、受取側の神戸市にもペーパーレス化と事務効率化のメリットがあることから、神戸市と取り引きのある企業においてもDXのきっかけとなることを期待し、今回正式に同サービスを導入したとしている。
■サッポロHD <2501> 2,962円 +15 円 (+0.5%) 本日終値
サッポロホールディングス<2501>は一時5%超高に買われ、連日での年初来高値更新。不安定相場のなか買い安心感のあるディフェンシブ銘柄としての側面をはじめ、製品値上げによって収益力確保を図れるインフレ耐性セクターとしての位置づけから食品株の魅力が高まっている。なかでもビール株は、ここ猛暑への警戒が呼びかけされるなかにあってサマーストックとしての観点からも関心を集めており、サッポロHDも強い動きを続けてきた。前週末24日には米ビールメーカーの買収を発表しており、北米事業の拡大によるグローバル展開の加速を期待した買いも入っているようだ。
■ザインエレクトロニクス <6769> 1,306円 +262 円 (+25.1%) 一時ストップ高 本日終値
ザインエレクトロニクス<6769>の上昇波鮮烈。一時ストップ高まで駆け上がり大発会でつけた年初来高値1229円を上抜いた。同社は特定用途向け半導体を自社ブランドで独自開発するファブレス半導体メーカーで、その技術力に定評がある。前週22日朝方に、同社のV-by-OneHS技術が、米画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の業界最新最高機能のゲーミングモニターを駆動するG-SYNCプロセッサーに採用されたことを発表、これを材料視した投資資金が集中し、前週は22日と23日に2日連続ストップ高を演じる人気となった。きょうも、上値を見込んだ買いが流入している。市場では「同社の技術がエヌビディア最新商品に採用されたことは、直接的な収益メリット以上に、これが実績として評価されることが大きく、エレクトロニクス化が進む自動車などをはじめ多方面から引き合いが活発化する可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。
■シンワワイズ <2437> 1,531円 +300 円 (+24.4%) ストップ高 本日終値
Shinwa Wise Holdings<2437>の上昇が止まらない。300円高はストップ高となる1531円まで上値を伸ばし、株式分割考慮で2007年12月以来、約14年半ぶりの1500円台乗せを果たした。美術品公開オークションの企画・運営で業界首位に位置するが、投資サロンやアートファンドの組成に積極的な構えをみせるほか、メタバース分野への展開にも注力姿勢を示している。特に、設立した子会社を通じて仮想空間における江戸の町「江戸バース」製作に経営資源を投下、今後の展開に期待が大きい。前週22日には、7月7日に販売する土地NFTの日本円で購入する方法を発表し、一部投資家の注目を呼んだ。
■ラストワンマイル <9252> 712円 +100 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
ラストワンマイル<9252>がストップ高。同社は電気やガスなどのライフラインの契約代行サービスを行っている。前週末24日取引終了後、コールセンター事業を展開するブロードバンドコネクション(札幌市中央区)の全株式を取得(取得金額は約3億円)し子会社化することを発表、これによる業容拡大期待から投資資金を呼び込む格好となった。ブロードバンドコネクションはラストワンマイルの連結子会社となる予定で、22年8月期の業績に与える影響については現在精査中としている。
■セントラル総合開発 <3238> 665円 +69 円 (+11.6%) 本日終値
セントラル総合開発<3238>は強力な上昇波動を形成、不動産セクターの中小型成長株として投資資金の攻勢が続いている。きょうは11%を超える上昇で665円台まで水準を切り上げ、2011年2月につけた高値670円に11年4カ月ぶりに肉薄する展開となっている。「クレア」ブランドで分譲マンションを全国展開しており、足もとの業績は好調、23年3月期は営業利益段階で前期比18%増の14億円を見込んでいる。PER8倍台、PBR0.7倍台と株価指標面で割安感があるほか、信用買い残も株価急伸過程でほとんど増加しておらず、株式需給面でも軽さが意識されている。
■第一工業製薬 <4461> 2,207円 +196 円 (+9.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
第一工業製薬<4461>が続急騰。前週末24日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を85万株(発行済み株数の8.35%)、または15億円としており、取得期間は7月1日から12月23日まで。資本効率の向上を図るとともに、経営環境に応じた機動的な資本政策を可能とするためとしている。
■アイスコ <7698> 1,749円 +155 円 (+9.7%) 本日終値
アイスコ<7698>が大幅続伸。日本気象協会は24日、「2022年梅雨明け予想」で、今年の梅雨明けは異例の早さとなり、九州南部から東北南部にかけて「6月下旬」になると予想。また、梅雨明けのあとは危険な暑さに警戒してほしいとしており、アイス卸を手掛ける同社に思惑的な買いが入ったようだ。
株探ニュース