最高益【復活】銘柄リスト〔第1弾〕24社選出 <成長株特集>

特集
2022年6月30日 19時50分

本特集では、23年3月期に数年ぶりに最高益更新を見込む“復活銘柄”にスポットライトを当てた。今回は時価総額1500億円以上の企業を対象に、23年3月期に増収増益を計画し、かつ経常利益が2期以上ぶりに過去最高益を更新する見通しを示している24社を選び出し、今期の増益率が大きい順に記した。

増益率トップとなったのは、みずほリース <8425> [東証P]。前期は航空業界の低迷や半導体不足の影響を受けた一部取引先について貸倒引当金を計上したことが響き、経常利益は前の期比27.2%減の200億円と6期ぶりの減益に沈んだ。一方、今期は不動産・環境エネルギー事業やファイナンス投資事業の収益が伸びるうえ、信用コストが大幅に減少し、経常利益は前期比74.4%増の350億円とV字回復する計画だ。

2位のデンソー <6902> [東証P]は自動車の生産台数が回復に向かうなか、電動化や先進安全分野を中心に自動車部品の販売が伸びる。半導体不足などによるコスト増加は逆風になるものの、変動対応力の強化や合理化効果でカバーし、今期の税引き前利益は6030億円(前期比56.7%増)と5期ぶりの最高益更新を見込む。

3位に入った武田薬品工業 <4502> [東証P]の今期税引き前利益は前期比35.8%増の4110億円と、国際会計基準に移行した14年3月期以降の過去最高益を2期ぶりに更新する見通しとなった。主力の潰瘍性大腸炎治療薬「エンティビオ」の販売が好調に推移するほか、がん治療薬や希少疾患向け新薬などが伸びる。また、米ノババックス<NVAX>製の新型コロナウイルスワクチンをライセンス生産することに加え、為替の円安進行もプラスに働く。

5位にリスト入りした日本瓦斯 <8174> [東証P]の今期業績は、顧客の増加と価格改定効果を背景に主力とするLPガス部門の利幅が改善する。また、電気部門の顧客基盤拡大やガス機器の品不足が解消することも寄与し、経常利益は165億円(前期比27.6%増)と2期ぶりの最高益更新を狙う。好調な業績を踏まえ、配当は前期比15円増の65円に増配する方針とした。

8位のアマノ <6436> [東証P]の今期経常利益は前期比23.6%増の172億円と3期ぶりに最高益路線に復帰する見通しを示した。駐車場オーナーの投資意欲回復を背景にパーキングシステムが成長軌道へ回帰するほか、就業管理ソフトやクラウドサービスなども伸びる。業績好調に伴い、配当は前期比5円増の100円と連続増配を計画している。

12位の三井不動産 <8801> [東証P]は経済活動の正常化が進むなか、「ららぽーと」を中心とする商業施設やホテル・リゾート、東京ドームなどの業績回復を見込む。さらに、賃貸事業における「東京ミッドタウン八重洲」などの新規竣工物件も収益貢献し、今期は3期ぶりの最高益更新を目指す。併せて、増配や自社株買いの実施を発表したことも好感され、株価は22日に20年2月以来となる3000円大台回復を果たした。

21位にリストアップされたフジクラ <5803> [東証P]の今期経常利益は前期比8.5%増の370億円に伸び、17期ぶりに過去最高益を奪還する計画だ。エレクトロニクス事業で採算重視の受注戦略を継続し、好採算品の比率が一段と高まる。また、自動車事業の採算改善や円安による収益押し上げ効果も増益に貢献する。株価は8日に約4年4ヵ月ぶりの高値876円まで上値を伸ばす場面があった。

23位の東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]も今期経常利益は15期ぶり最高益と大復活を遂げる見通しだ。新型コロナワクチン接種の進展を背景にホテル需要が回復するほか、赤字が続いていた東急ハンズの売却なども寄与し、管理運営事業の利益が大きく向上する。株価は年初来高値圏を快走する展開が続いている。

    ┌ 経常利益 ┐   ┌ 売上高 ┐   最高益  予想

コード 銘柄名    増益率 23年3月期 増収率 23年3月期 間隔期数  PER

<8425> みずほリース  74.4   35000   2.7  570000    2   5.8

<6902> デンソー    56.7  603000  15.1  6350000    5  12.7 *

<4502> 武田      35.8  411000   3.4  3690000    2  20.2 *

<4507> 塩野義     33.1  168000  19.4  400000    3  15.2 *

<8174> 日ガス     27.6   16500  16.9  190000    2  20.0

<7518> ネットワン   24.8   21000  11.4  210000    2  17.6

<4185> JSR     24.1   56500  20.2  410000    4  15.9 *

<6436> アマノ     23.6   17200   9.8  130000    3  15.0

<9744> メイテック   19.7   15500  11.1  119000    3  16.7

<9605> 東映      16.3   27100  22.0  143400    4  20.1

<9401> TBSHD   15.6   35500   3.7  371500   22  12.5

<8801> 三井不     15.6  260000   4.7  2200000    3  14.6

<7732> トプコン    14.7   17000   7.7  190000    8  15.5

<9076> セイノーHD  13.7   34430   2.1  620300    4   9.1

<6674> GSユアサ   13.4   28000  20.3  520000    2  14.2

<5938> LIXIL   13.0   76000   6.4  1520000    6  14.4 *

<6383> ダイフク    12.2   57500  10.3  565000    4  24.7

<1973> NESIC   10.4   26000   6.3  330000    2  17.9

<4182> 菱ガス化     9.9   81500  13.4  800000    5   6.6

<5947> リンナイ     8.8   42500   9.2  400000    2  18.2

<5803> フジクラ     8.5   37000   4.4  700000   17   9.4

<7476> アズワン     7.4   10280   5.9   92060    2  28.3

<3289> 東急不HD    4.3   76000   1.1  1000000   15  13.9

<6645> オムロン     2.6   89000  11.4  850000    8  21.8 *

※経常利益の単位は百万円。

※最高益間隔期数は同一会計基準における期数。「*」は国際会計基準または米国会計基準を採用する銘柄。

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